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ストックBOX/backnumber

東芝と半導体業界

k.nakajima |2017/02/23 8:27 am

日本の半導体業界の衰退は、1986年9月の日米半導体協定が始まりと言われています。 半導体メモリーのDRAMはインテルが最初に開発した商品ですが、日本メーカーはその技術力を駆使し、歩留まりを高め価格競争力を高めていきます。 1980年前半には NEC、日立、東芝など日本の半導体メーカーがDRAMを中心に世界の80%のシェァーを握っていたのです。 その結果85 年には開発者のインテルが、半導体メモリーのDRAMからの撤退を余儀なくされます。 米国の強い反発を受け結ばれたのが半導体協定です。 米国が求めたのは日本国内における外国製半導体シェァーの数値目標の設定、日本メーカーのコスト構造の開示、そして販売に於ける最低価格の設定等でした。 米国の半導体メーカーを守るための一種のカルテルといっても過言ではありません。 その後パソコンの普及の急拡大から、日米とも業界はブームに沸き最低価格の設定で米国のメーカーにも大きな恩恵となります。

最低価格の設定は当然日本のメーカーにも恩恵を与えますが、徐々にその弊害が表れ始めます。 日本のメーカーの強みは其の歩留りの高さにあり、各メーカーは熾烈な技術開発競争を通じ競争力を維持してきたのです。 しかし最低価格の設定はそうした競争をしなくとも利益を確保できるため、次第に技術開発が疎かになってきたのです。 こうした流れに不満を感じた優秀な技術者は最低価格制度に縛られない韓国台湾メーカーからの誘いに海を渡ります。 金銭の問題以上に、技術者の開発スピリッツを揺さぶられたからだとも言われています。

徐々に衰退しその存在感を失っていく日本の半導体メーカーの中で、唯一10位圏内を維持してきたのが東芝です。 東芝はDRAMにこだわらず独自の開発を進め、NAND型フラッシュメモリーを発明します。 東芝技術者の勝利で、今やサムスンと世界シェァーを二分する高い競争力を持つ商品です。 その東芝が原子力ビジネスの失敗から巨額損失を計上、虎の子の半導体ビジネスを手放さざるを得なくなっているのです。 NANDを製造する東芝の工場は、現在可能な限りの最先端技術を集積した、世界最先端の工場です。 中国を筆頭に海外メーカーが強い関心を寄せています。 かって米国政府が自国の半導体業界を守るため強い保護政策を発動したのですが、今回は日本が東芝のNAND技術を守る為保護政策を発動しても問題ないと思えるのですが。
(中嶋)

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「80年代バブル」の頃ってどんな世の中だったのですか?

k.suzuki |2017/02/22 7:51 am

株式市場に関わる今のような仕事を30年も続けていると、同じような質問にたびたび出くわします。

中でもかなりの頻度で尋ねられる質問が「80年代のバブルの時はどんな様子だったのですか?」というものです。当時の株式市場の様子、バブル経済の時の社会の様子、その頃の(激務であろう)証券会社の様子など、様々な角度からたびたび問われてきました。

最近ふと思うのですが、いまの株式市場で起こっている現象は少しばかり当時の相場の様子に似ているところがあるようです。

日米首脳会談も無事に終わり、決算発表もつつがなく終了して、目の前には喫緊の不安材料はいったんは消え去りました。トランプ政権の行方は不安と言えば不安ですが、空前のNY株高がそれを包み隠しています。つかの間の平安です。そのような時ほど相場の地力が問われます。

今週はプレジデントデーで月曜日のNY市場が休場。手がかりがほとんどない状況で、週明けの月曜日にはドラッグストア株が突如として一斉高となりました。薬王堂(3385)、ゲンキー(2772)、クスリのアオキ(3549)あたりの地方本社の企業が多かったようですが、昨日(火曜日)はJ.フロント リテイリング(3086)や高島屋(8233)、松屋(8237)の百貨店、それに良品計画(7453)、パルコ(8251)などの小売セクター全般にまで物色が広がりました。

2月決算銘柄の小売セクターに再び物色が戻ってきたか、と思っていたらそうでもないようで、昨日はまたジェイテクト(6473)、NTN(6472)、日本精工(6471)というベアリングの中核がそろって急伸しています。小売とベアリング、どちらも業績はまずまずよいことが確認されていますが、普通の相場であれば両セクターは物色対象としては並存しません。完全なる対極に位置している業種です。

さらにタイヤメーカーでもブリヂストン(5108)が上限1500億円の自社株取得枠の設定で月曜日に買われたあとに、火曜日には東洋ゴム工業(5105)が大幅高となりました。日本製紙(3863)や王子HD(3861)というすべての上場企業の中でもウルトラ地味な紙パルプの両巨頭が、製品価格の値上げに関する観測記事だけで急動意しています。三菱ケミカルHD(4188)や三井化学(4183)という石油化学セクターの最大手も、株価は連日のように新高値を更新中です。

半導体、および製造装置に関するセクターは早くから上昇トレンドに入っており、今さら指摘するまでもありません。本日の日本経済新聞・投資情報面では、東京エレクトロン(8035)の河合利樹社長がインタビューに答える形で、来期の業績に関してきわめて重要なコメントを述べています。

総合商社でも昨日は三井物産(8031)が静かに高値を更新しました。機械、化学、鋼材、電子部品の専門商社は軒並み直線的な値上がりを続けています。ここ2〜3日、株価はさほど動いてはいないように見えるメガバンク、鉄鋼、エレクトロニクス大手も、次の上昇波を狙うような高値レベルに位置づけています。

こんな調子ならいくらでも書き続けられますが、思いつくままにつらつらと記したように、要するにこのような状況が80年代バブルの相場状況と非常によく似ている光景なのです。

どのセクターからも脈絡なく上昇銘柄が出現する相場。個別の材料など何もなくてもひとりでに(勝手に)株価が上がる相場。ぐるぐると物色対象が移り変わりながらそれがいつまでもエンドレスで続く相場です。

過熱感などどこにもありません。材料ベースで上がる銘柄はむしろ少数派で、材料などないままに個別銘柄がただ高値を更新し続けてゆく相場です。「80年代バブル」って、案外静かで地味な世の中だったのです。
(スズカズ)

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「遠くない世界に」

e.sakurai |2017/02/21 7:28 am

「トレンドは転換するまで続く。
上げトレンドのものに行く。
下げトレンドのものは底入れ反転を確認してからでも遅くない。
確認してからじゃないと丁半バクチに過ぎません」。
と市場関係者のコメント。
こういう名言があるのに逆らう人がいるから儲からない市場になるような気がします。
間違いなく理の通った説。
頭でも体でも会得することが鉄則です。
「中途半端に売ったり買ったりするから儲からない」。
そして「株の売買には覚悟が必要」。
そうすれば中途半端からは脱却できるかも知れません。
腹八分目なんて芸当はなかなか出来ません。
所詮、自己説得材料でしかないでしょう。
結論を出さない投資理論。
玉虫色でどうとも取れる解釈。
もちろん断定的判断の提供は禁じられていることですが、だから玉虫色というのも何だか・・・。

NYダウは2015年5月19日18351ドル→2015年8月24日15370ドル。
下落幅2981ドルの倍返しでは21332ドル。
日経平均株価は昨年4月25日17613円→6月24日14864円。
下落幅2749円の倍返しで20362円。
そんなに遠い世界ではありません。

先週開催された経済財政諮問会議に提出された内閣府の資料は「米国等の国際経済について」。
頭の整理には役に立ちます。

★日本の対米直接投資残高は着実に増加。
(2015年に4110億ドル)
英国に次いで2位。

★日本の対米直接投資残高(2015年)を業種別にみると・・・。
「卸売」(自動車・電機等の販売部門)29.6%。
「金融・保険」(銀行・証券等の米国法人)20.5%。。
「輸送用機器」(自動車工場)10.8%が高い。

★米国における日系企業により雇用者数は83.9万人。
英国に次いで2位。

★日系企業による雇用者数はリーマンショック時にも安定的に推移。

★製造業分野での日系企業による米国での雇用者数は国別で1位(2014年38.3万人)、
業種別では輸送用機器(自動車等)、プラスチック及びゴム(タイヤ)が上位。
米国での過去5年(09年〜14年)の雇用者増加数は9.1万人で国別で1位。

★日系企業の米国における研究開発支出は2011年以降国別で2位(1位はスイス)。

★日本の輸入額(2016年66兆円(速報))の国別内訳は、米国の割合が第2位(11.1%)。
○日本の米国からの輸入割合のうち最大の品目
(1)食料品(穀物類、肉類等)(18.1%)、
(2)化学製品(医薬品等)(16.9%)、
(3)電気機器(半導体電子部品等)(15.5%)、
(4)一般機械(航空機用内燃機関等の原動機等)(15.0%)。
○品目別で米国のシェアが特に大きい輸入品目
航空機類(飛行機、同部品等)、
原動機(航空機用エンジン等の原動機等)、
食料品、化学製品(医薬品等)。

★EUのシェアが高い品目。
輸送機器。特に乗用車は8割がEUからの輸入。
○中国のシェアが高い品目。
電気機器(スマートフォン等の通信機、テレビ等の音響映像機器等)、
一般機械(パソコン等の電算機類、同部品等)、
原料別製品(鉄鋼製建設機材等の金属製品、織物用糸及び繊維製品等)。

週末は2年ぶりの東京国際フォーラムで東証IRフェスタ。
ストボの「上場企業インタビュー」を担当します。
株式見通しをフリー・インプロビゼーションで出来たらいいのですが・・・。

以下は今朝の場況。

「ようやく火曜日にも明るさが戻ってくる気配」

月曜日は先週に続いて上昇で2連勝。
「日経平均は19100円が買い場で19500円が壁」との指摘通りの動きとなってきた。
もっとも上昇幅は16円。
これを反発というには少し苦しいところでもある。
東証1部の売買代金は1兆71277億円と今年最低。
「閑散に売り無し」の格言通りならば今年初の火曜上昇への期待。
「エネルギー不足」とみるならば残念ながらやはり火曜安のアノマリー。
気になったのは経営統合観測が報じられた関西アーバン銀行とみなと銀行の急伸。
スーパーリージョナルバンクの登場への一里塚と見れば金融が相場の柱に戻る可能性はあろうか。
NY市場はプレジデンツデーで休場。
為替は1ドル113円台前半で円高トレンド一服。
225先物大証夜間取引は日中比20円高の19270円とプラスで終了。
2月月足陽線基準19142円を上回りSQ値19272円と同水準。
前週末まで4日連続で陰線だった日経平均が5日ぶりに陽線となったのは好材料。
「息切れ」から「希望」への脱皮だったのかも知れない。
NYの7連騰を横目に見ながら追いかける展開に期待感はある。
モルガンタンレーMUFJ証券のレポートは「日銀には逆らうな」。
TOPIXの目標値を1800ポイントの設定。
現在水準から17%の上昇を見込んでいる。
背景はTOPIXのEPSが前期比28%増加の見通し。
外部材料に右往左往しながらも足元日本企業の業績が着実に増加している点は見逃せないだろう。
気になるのは「米市場のプレジデンツデー前後の株価は軟弱」というアノマリー。
1990年以降プレジデンツデー前の金曜は平均0.15%の下げ。
プレジデンツデー後の火曜は平均0.20%の下げ。
ただ最近は2年連続でこのアノマリーは崩れておりジンクス消滅に期待したいところ。
ドルベースの日経平均は170.15。
1月26日の170.57に接近してきた。
日経平均採用銘柄のPERは15.98倍でEPSは1204円。
25日線(19122円)からのかい離はプラス0.7%。
25日線にサポートされて今年初の火曜日高に期待だろう。
まずは5日線19302円の奪還が求められようか。
(櫻井)。

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底堅いが、上値も重く

iwamoto |2017/02/20 7:51 am

 前週は4日続落して株価が26.4%下落。時価総額は8000億円を割り込んだ東芝。金曜日の売買代金はソフトバンクGの倍近い規模に膨らんでいました。「3月末までに半導体事業の売却ができない」との観測が台頭し、債務超過不可避=第2部指定替えへの警戒感から見切り売りが嵩みました。一部には、機関投資家の売りが出ている、との観測も。
恐らく、今週も騒々しい動きになりそう。先週の大引け後、この週明けにかけても新しい材料が出ていますから。

 会社側発表では、「IHIがWH出資分の出資分について買い取り請求。189億円」との発表があり、けさの日経新聞は「米国テキサス州で2008年に単独受注した原発建設から撤退する見通し」との報道。ともに重要度ではそれほど大きくないものの、事件の広がりを感じさせます。

 一方、このほど発売になった会員制月刊誌「FACTA」3月号には「東芝会長が『隠蔽メール』」の記事。15日に辞任した志賀重範会長(原発事業担当)が東芝幹部と極秘に交わしたメール、というのが紹介されています。

また、米国の週間投資雑誌「バロンズ」最新号には、「東芝は今が買い時 リスクは高いが、半導体事業は過小評価されている」との刺激的な記事がありました。

 マッコーリー証券アナリストなどのコメントを紹介しつつ、(1)日本では大企業の上場廃止や倒産はまれな事態。シャープが鴻海支援を得て上場を維持している。(2)メモリー事業は魅力的。この事業の価値は1兆5000億円、1株当たり354円になる。競合企業のバリュエーションをもとにすれば425円以上にも。一方、東芝の全事業の企業価値は1株339円あり、新たな問題が発生しない限り、大幅な株価上昇の可能性がある−とか。数字の根拠には良くわからないところもありますが、果たして…。

 市場が期待するトランプ大統領の「驚異的な税制改革」の発表は恐らく月末になるでしょうから、今週はそれを待つ週。週明けがプレジデンツデーで米国市場は休場。このプレジデンツデーの前後は株価が安い、というジンクスもあり、週前半はもたつき気味。後半も…となりそう。FOMCの議事要旨発表以外にはマクロベースで重い発表はありません。

 国内でも決算発表一巡後の材料不足時期となります。東芝のように話題が豊富な銘柄はともかく、ここ物色された銘柄には人気一巡感が台頭する可能性も。週末の「プレミアムフライデー」もどこまで注目されるか…。国内機関投資家の決算控えの売りが出ているとすれば、3月初旬まで、底堅いけど、上値も重いみたいな展開を覚悟しなければならないようです。(イワモト)

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温度差

r.matsushita |2017/02/17 8:08 am

 NY株は連日の最高値更新ですし、FRBのイエレン議長は「タカ派=金利引き上げ派」色を鮮明にした、ということで、ここは「日本株高・円安」が一気に進行、となっても不思議ないのでは、というところ(日本の企業業績はそこそこ好調ですし)なのですが、現実には日本株の動きは慎重、となっています。特に個人の市場参加者はどちらかと言えば利食い方向に動いているようだ、という感じですね。(値上がりした新興市場株を中心に。)

 アメリカでも高値警戒感が高まっている、という報道がありました。東アジア情勢は何やら不穏ですし、トランプ政権が「画期的な減税策」を打つ、としましても、イスラエルに加担などして大丈夫か、とか、積極財政+金融引き締め=ドル高、ですから、過度のドル高をトランプ政権が嫌がるとしますと、近い将来トランプ政権(と言うより、トランプ大統領本人)とFRB(のイエレン議長)とが「対立」する恐れもある、等々、「買い方がリスク・オフ」、「売り方がリスク・オン」になりそうな材料が確かにあるのですが、それにしましても、NY株は好調、とやや違和感のある動きが起きているのです。(売り方の買戻しが急だから、というテクニカルな事情でしょうか。)

 日本の市場参加者とすれば、現実的な対処として、少し買いポジションを抑えめにして、これから起きるイベントに対処しようというのがよさそうだ、という局面でしょうか。

 トランプ政権の政策、FRBの利上げ(3月にあるかどうか)、東アジアの地政学的状況、欧州の政治情勢、等々を見ながら機敏に対応できる「余地」を確保しておこう、といったところでしょうか。

ケーススタディーとしての東芝株
 私はいつも、「(株式)投資」と「投機(思わく)」を区別して考える方がよりストレスのない株式運用ができますよ、といったことを強調しているのですが、東芝株を見ますと、このことを説明する格好のケーススタディーになるように感じます。

 子会社の原子力ビジネスで7千億円もの損失を抱えることになった東芝はまさにお気の毒としか言いようがないのですが、こうなった以上、東芝という株式には「投資価値」を見出すのは困難、という気がします。投資対象として東芝を位置付けていた投資家は、根本的に対処を変えざるを得ないでしょう。(つまりは売るということです。)

 もちろん、これをチャンスと捉えて、東芝を買収しよう、といった「戦略的投資家」もいるのかもしれませんが、ポートフォリオ投資の一部として東芝株を見ていた投資家は、投資対象リストから東芝株を外す、という結論になるだろうと思います。

 しかし、一方で、「思わく(投機的な観点)」で今の東芝株を見ますと、これは実に妙味ある銘柄が出現したものだ、ということになると思います。

 今後の東芝を巡るイベントによって、株価は急落・急騰を繰り返す可能性が極めて強い、と思えます。一方で上場廃止、破たん、といった見方が出、また一方では再建に向けた明るい材料が出る、といったことが、次々に起きると想定されるからです。強弱が対立することで出来高も大きく膨らむでしょう。(流動性が高まります。)

 「株式投資」という観点からは、リストから排除されるような状況の株式が、「思わく(投機)」という観点からは、極めて妙味ある株式となる・・実に面白いことです。

 それにしましても、東芝はこれからどうするのでしょうか。140年の歴史を持つ企業として、株主が資産を預けるに足る潜在的な能力を持っていることは間違いない、という気はするのですが。
 
平成29年2月17日 金曜日
証券アナリスト
松下律

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バブルという言葉

k.nakajima |2017/02/16 8:09 am

連日3指数揃って新高値を更新するNY株式市場に対し、恒例の「バブル」懸念の声が出始めています。 日本のマスコミも東京株式市場が予想外の高騰を続けると躊躇なく「バブル」という見出しを使いたがります。  バブルの定義は難しいのですが、80年代終盤の日本のあのバブルを経験している年代としては、バブルを次のように捉えています。

* バブルは景気の良い時にしか発生しない
* 特定の専門家が指摘するのでは無く、あまねく一般大衆が受け入れる現象
* バブルは数年以上継続する
* 其の為一般大衆は永遠に続くと思ってしまう
* そしてバブルは必ず崩壊する
* その修復には相応の時間が必要になる

では80年代終盤のあのバブルはどの様にして発生したのでしょうか。 発端は1985年9月22日のプラザ合意於いて、各国がドル安を認めた事です。 以下にその当時の出来事を追いかけてみます。

(1)プラザ合意を受け、それまで対ドルで250円前後の為替が、年末には200円を切り、更に87年末から88年初めには120円台まで急騰します。

(2)円高が景気に与える影響に懸念が高まります。 しかし後からの検証ではその景気は86年1月に既に底を打ち回復軌道に入っていたのです。

(3)円高により確かに外需はマイナス1.4%を記録しますが、内需がプラス4.1%を記録していたのです。 円高により輸入物価が大幅に下落、つまり交易条件が33%向上し、実質所得が増大した事に等しい効果を表したのです。

(4)更にこの間原油価格が30ドルから9.5ドルまで1/3も下落し、日本経済を潤します。

(5)しかし円高不況と円高による輸出不振を恐れた政府は金融緩和に走ります。
86年1月には公定歩合を0.5%カットして4.5%したのに続き、3月、4月、11月、87年4月まで引き下げを続け、公定歩合は2.5%まで当時では異例の低水準まで引き下げられます。

(6)更に87年5月には緊急経済対策として5兆円の財政支出、1兆円の所得税減税まで実施されます。

経済が回復しているにも関わらずこれだけの金融緩和と財政支出、減税を行った結果バブルが発生したのです。 そして今のアメリカです。 経済が着実に回復しているにも拘らずトランプ政権は金融緩和、公共投資拡大、そして減税を意図しています。 何かあの当時の日本を彷彿させますが、冒頭に指摘した私なりのバブルの定義からは、バブルではなくそれに向かう第一歩を踏み出した程度かもしれません。
(中嶋)

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光あるうちに光の中を進め

k.suzuki |2017/02/15 8:05 am

人は日々同じようなルーティーンを繰り返していると、時の流れを早く感じるそうですね。亀の背中に乗って竜宮城にやってきた浦島太郎は、毎日のようにタイやヒラメの舞い踊りを眺めながら、美女に囲まれてにぎやかな宴会を繰り返しているうちに、気がつけば何十年も経っていました。変化に乏しい日々を繰り返していると時の流れが加速するそうです。

昔話は奥が深いものですが、本当に時の経つのは早いものです。ついこのあいだ、ハロウィンの仮装パーティーで大騒ぎをして渋谷のスクランブル交差点が車両通行止めになったと報じられていたばかりでした。クリスマスや正月の飾りつけを街で見かけたのもつい先日のようです。箱根駅伝も成人式も節分の恵方巻フィーバーもあっという間に通過して、2017年のバレンタイン商戦を超えました。

いまや時の移り変わりを実感するのは季節ごとの風物詩だけで、あとは毎日同じような日々が繰り返されているだけです。その合い間に時おり株価が大きく上がったり、大きく下がったりしています。

最近の株式市場は先行きの見通しを立てにくい、というお声をよく耳にします。世の中があまりに複雑になりすぎているのでしょう。前の出来事が完結しないうちに新たな事件が起こります。刑事ドラマであれば視聴者は離れていってしまいます。

わかりにくい世の中を映してか、FXや株式セミナーが盛んに開催されています。おかげさまで私も時々講師にとお声をかけていただいております。そこでいつもたいへんだなあと思うのは、裏方さんの悪戦苦闘ぶりです。

セミナーを開催するには費用対効果をまず考えます。主催者は季節と曜日、開催場所を徹底的に吟味します。GWや夏休みシーズンは開催しても人が集まらないので開けません。できれば平日は避けようとすると、おのずと季節、曜日は限られてきます。場所も大都市メインで考えると、使用できるホールはほんの少しの物件に限定されます。そこに予約が殺到するわけです。

いまやセミナー会場はそうとう前倒しで手配しないとなりません。ストックボイスはおそらく恒例の「ストボ!フォーラム」を今年も秋に開催することになるはずですが(まだ私もはっきりとは知らされておりません)、開催の有無はともかくきっと裏方さんは会場だけは押さえているはずです。

少しずつ日が長くなってきて、春の気配が感じられるようになってきたというこの季節、世の中にはもう秋以降のスケジュールを練っている人が大勢いるわけです。政治家やその秘書はもっと先のことを考えているでしょう。

先々の予定をこなしているだけで、時は飛ぶように過ぎてゆきます。光陰矢のごとし。「少年老い易く学成り難し」(しょうねんおいやすくがくなりがたし)。光あるうちに光の中を進め。限りある時を大切にするようにとの教えは数え切れません。せめて今日という日を大切に過ごすことにいたします。
(スズカズ)

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「邪念と呪縛からの解放」

e.sakurai |2017/02/14 7:30 am

先々週の火曜の放送から「火曜が高いのは2月14日までお預け」と言ってきました。
動物占いの狸のような何の根拠もない奇妙な自信のようなもの。
とはいえバレンタインデーとか11月4日とか株高アノマリーの日。
「待ってたぜバレンタイン」はビジネスに踊らされた虚礼的チョコレートではなく株価のために存在すると思いたい一日。

株は売ったり買ったりの反復。
時間軸を短くすればリスクは減少する筈。
一般的には長期投資でリスク分散と言われるがその逆もまた真なりでしょう。
ただやみくもに売ったり買ったりすれば良いかといえばそうでもありません。
時間の経過とともに自分のポケットの中身を増やし、待ち伏せ的に売り買いを繰り返すこと。
これが超短期投資。
一日の「即転売買」が理想ですが、それは単なるサヤ取りの世界。
時間軸的には、数日という時間軸。
もっとも9時8分とか9時35分、10時など日々の時間帯の動きを知ることも重要です。

調べ物をしていて久々にギャンに行きつきました。
ウィリアム・ギャンは生涯にわたりコンスタントに資産を増やし続けるノウハウを確立。
ある時には「25日間で286回の株の売買を行った。
そのうち264回利益を出し、資金を100倍以上にした」。
別の年には「479回売買をして、そのうち422回利益を出し、資金を40倍にした」。
数々の武勇伝をつくり1955年に亡くなった時には5000万ドルという途方もない資産を残したと言われます。

1つの法則を確認するために9カ月も図書館に通いつめたギャン。
700年分の商品相場の動きを10年かけて調べ上げました。
鬼となって相場研究に取り組んだ姿が見えるようです。
銘柄分散を心がけ、さらに、時間分散も心がけたともされます。
ギャンから学ぶべきこと。
「トレンドに逆らわない」
「迷ったらポジションをもたない」
「銘柄に全力投入なんてしない。2〜3銘柄でリスクを分散」
「決して値頃感で取引しない」
「儲けた後は、取引量を減らす」
「ピラミッディング(利乗せ、乗せ商い)のタイミングに注意する。
レジスタンスやサポートをブレークしてからすること」
「間違えて入るのをさけるのと同じく、間違えて手仕舞うことも避ける」

銘柄や相場はワンワードで説明ができるかどうかが重要なこと。
ピーター・リンチは「クレヨンで説明ができるかどうか」と言いました。
市場関係者はセッカチで短期。
長々しい説明を効く耳はありません。
「一を聞いて十を知る」。
「イロハのイ」と見つけた瞬間に突っ走る獣としてのトレーダー的行動。
シナリオが市場に受容されるかどうかの見極めが求められます。
その意味で脳裏をかすめたのは「心眼」という言葉。
心の目によって目に見えない真実を見抜く力のこと。
物事の真実の姿を見抜く、鋭い心の働き。
武術においては重要視されるものです。
言い換えれば・・・。
株価を見ることをやめて、その銘柄の往来未来を静かに考えることが大切。
社会に必要とされる事業なのか。
未来の社会で存在できているのか。
経営トップが前向きに本当のことを言っているか。
などなどを瞑目して考えても良いでしょう。
「割安」とか「過熱」などという株価の位置や水準という邪念あるいは呪縛を捨てて銘柄という素材を素直に観察すること。
意外と効いてくるかも知れません。

以下は今朝の場況。

「トリプルクラウン継続」

週明けのNYダウは3日続伸し連日の史上最高値更新。
S&P500も史上最高値を更新。
時価総額は初めて20兆ドル(約2280兆円)を超えた。
NASDAQ総合株価指数は5日続伸で連日の史上最高値更新。
トランプ大統領が先週「驚くような税制改革」と発言して以来経済政策や金融規制緩和への期待が拡大。
景気刺激策への期待から景気敏感セクター中心に上昇継続。
主要3指数揃っての最高値更新トリプルクラウンは週明けも継続した。
個別ではアップルが52週高値を更新。
2015年4月の分割後高値をうかがう動き。
「アイフォン8」へのAR技術に期待した買いという声も聞かれる。
大統領就任100日間の蜜月という言葉が市場に戻ってきたような印象。

「バレンタインは株高特異日」

週明けの日経平均株価は続伸。
月曜は2連勝となった。
寄り付き直後に19500円を回復したがその後は伸び悩んでおり上値を買う主体の不在が気にかかるところ。
ただ個別では活発な商いが展開され値上がり1444銘柄、新高値は231銘柄と1月日の234銘柄に次ぐ多さだった。
トランプ安倍グリーン放談で悪材料が出なかったことに対する安心感と足元景気と企業業績の堅調さへの期待感の増幅といった印象だ。
2月SQ値19276円を2日続けて上回っており1月の値動きとは違ってきている。
シカゴ225先物終値は大証日中比65円高の19505円。
高値は19530円だった。
松井証券信用評価損率速報で売り方はマイナス12.760%と悪化。
買い方はマイナス4.108%と好転。
投資マインドは積極化できそうな水準に戻ってきた。
空売り比率も34.4%と連日の35%割れ。
日経VIは17.77と低下。
日経平均採用銘柄のPERは15.74倍でEPSは1236円と増加継続。
PER16倍まで戻れば19776円と計算できる。
見逃されがちな東証1部の単純平均株価は2807.01円。
昨年末の2763.27円を抜けてきた。
ようやく訪れたバレンタインデーの株高特異日。
5週連続株安の火曜日に終止符がようやく打たれようか。
上向いた25日線を5日線が上抜けたことも好材料視。
(櫻井)。

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視界には日経平均2万円

iwamoto |2017/02/13 7:39 am

 「アメリカは偉大な同盟国・日本を100%支持する」(北朝鮮ミサイル発射後の共同記者会見でのトランプ大統領の発言)

 今回の日米首脳会談、日本にとっては拍子抜けといっていいほどに大成功だったのではないでしょうか。為替や金融政策、貿易問題について注文や圧力がかけられるのではないかとの事前の懸念はひとまず回避され、極めて友好的な両首脳の関係がアピールされる結果となりました。あの共同記者会の場で、事務方が用意したであろうスピーチを丁寧に読み、記者の場違いな質問にも怒り出すことなく対応するトランプ大統領の姿に、これまでのイメージとはちょっと違う印象を持ったのは私だけでしょうか。

 麻生副首相とペンス副大統領をトップとする分野横断的な日米経済対話の場が設けられることとなったことで、為替操作や通商問題は恐らく今後数か月間かけた協議事項となるでしょう。新政権には、そのくらいの時間が必要です。これが、かつての「日米構造協議」のようなホットな場に発展するかどうかは分かりません。今回の蜜月状態がそのまま、と考えるのは牧歌的過ぎるでしょうが、少なくともここ数カ月の余裕ができたことは相場的にも重要です。この先、トランプ大統領が「為替には、これまでも不満を持っていた」とツイッターでつぶやくことが無くなるわけではないでしょうが、その影響度はこれまでよりも格段に薄まるはずです。

 さて、日経新聞の11日の報道によると、10日までに決算発表を終えた1431社集計での今17年3月期企業業績は当期純利益ベースで9.6%増益となる見通しです(4〜12月期実績では0.7%減益)。3か月前、中間決算発表時の通期見通し予想は7.6%増益(4〜9月期実績10.9%減益)でしたから、この3か月間で7.6%増→9.6%増と足元の状況、企業経営者の景況感が改善していることがわかります。

 企業経営者の慎重な見通しを考えると、最終的には増益幅がもっと広がる可能性がありますし、経常利益ベースでの増益転換もありそうです。為替の影響による収益改善が大きいこは確かですが、それだけでなく、原価率の改善、販売管理費の抑制など収益力そのものを向上させている企業も目につきます。“稼ぐ力”をつけた企業が売上高を伸ばすようになれば、それこそ“鬼に金棒”でしょうが、それは来期のテーマということになるでしょう。

 今回の日米首脳会談を経て為替や貿易問題に関する懸念が小康状態になるとすれば、今日からはこの企業の収益状況に目を据えることができるようになります。

 日経平均のPERは10日現在で15.69倍。昨年12月中旬の局面ではPER16.64倍、今年1月27日には16.60倍までPERが上昇した経緯があります。ともに、16.6倍で頭打ち。なら、ここからPER評価を1倍引き上げることができるかどうか、でしょう。市場心理、需給関係がそれを可能にするか、注目されてきます。

 仮に、現在の日経平均EPS1235円を16.6倍まで買うと、日経平均は2万500円となります。(イワモト)

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変化

r.matsushita |2017/02/10 7:59 am

 昨夜の米株式市場、為替相場は、トランプ大統領の「2、3週間以内に驚異的な税制改革案を発表する」との発言を受けて、株高、ドル高(円安)が進行、DJIAは史上最高値を更新。いよいよトランプ政策の主要部分が登場するようです。

時間外の日経225先物は19200円台に上昇しており、今日の相場は朝方買われた後、様子見・小動きとなるかもしれません。次は、は日米首脳会談というイベントを見てから、というわけで。

 とはいえ、イベントの結果が相場の方向を根本的に変えてしまう、という恐れはほとんどないように思います。

 年初来の各指数の動きを振り返ってみます。

日経平均     19114円 → 18907円 -1%
ジャスダック平均  2739円 → 2880円 +5%
マザーズ指数   942ポイント → 1005ポイント +7%
円ドル相場    117円台 → 112円台 4%くらい円高
DJIA       19762ドル → 20172ドル +2%
ナスダック指数  5383ポイント → 5715ポイント +6%

 日米ともに、日経平均、DJIAよりも、ジャスダック平均、マザーズ指数、ナスダック指数の方が上昇が大きいのは、この間の株価上昇が企業収益の向上(つまりはグローバル景気の改善)を期待したものだったから、と考えると合点が行きます。

 DJIAは上昇、日経平均は下落なのですが、変動率の絶対値で見ればさして違いません。それから、円ドル相場がこの間円高(ドル安)に振れていますので、「ドル建ての日経平均」を見ますと、昨年末の160ドル強から今は170ドル内外にまで上昇して来ています。アベ・トレードと言われた、「日本株買い+円売り」というポジションで日本株を買わなくても、為替はオープンで日本株を買う方が儲かるようになって来た、というわけで、「本来の日本株上昇」(もちろん海外から見て、ということですが)になりつつある、ということのようです。

 これらから、「いわゆる業績相場になりつつある」という「変化」と、「円安=日本株高」ではなくなりつつあるという「変化」、を感じ取るべきかもしれません。

 こうした動きが継続するものかどうか、今日も400社以上の決算発表がありますが、企業業績の動向を注視して相場の推移を見て行くことになろうかと思います。

投機資金によるかく乱
 アメリカがこれまでの国家運営のやり方をこれから変えて来ることは確かでしょう。その過程でいろいろなことが話題になるものと思われます。

・保護主義的な政策 → 貿易の理論
・財政・金融政策の変更 → シムズ理論、イールドカーブ・コントロール
・国際収支、成長率、インフレ率、財政赤字 → マンデル・フレミング・モデル
・EUの混乱 → グローバリズム、反グローバリズム
等々。

 いろいろなことが言われて、それらを理解して相場を見る必要を感じることになるのかもしれませんが、私は個人的には、そうしたことは単にいろいろ言われるのだな、という程度に思っておけばいい、と思っています。

 それよりも私が注目しようと思っているのは、「投機筋によるかく乱」ということです。世界的に流動性が過剰になり、投機資金が考えられないほどに巨大になっている現状からしますと、理論が示す動きに注目するより、投機資金による相場(市場)かく乱に注目する方が実際的だと思うからです。また、投機筋によってかく乱された相場はいろいろなチャンスをもたらしてくれる、ということもありますから。
 
平成29年2月10日 金曜日
証券アナリスト
松下律

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中国の外貨準備

k.nakajima |2017/02/09 8:24 am

注目された1月末の中国外貨準備高は、5年11か月振りに節目の3兆ドルを下回る2兆9982億ドル(約336兆円)となりました。 2014年6月のピーク時の4兆ドル弱から2年半で1兆ドル減らした事になります。 説明では通貨元の下落を止めるために外貨準備で保有する米国債を売却し、得たドルで元を買い支えたとしています。 確かに中国の米国債保有高は最大1.3兆ドルまで膨らみましたが、2016年の10月には1.1兆ドルまで減少、1.13兆ドル保有している日本が保有高で再び1位に返り咲いています。

しかしこうした間断ない買い支えにも拘らず、元の対ドルレートは外貨準備が最大の2014年6月の6.2元/ドルから直近では6.8〜6.9元までの下落です。  介入の効果が表れたとは言えません。 さてこの外貨準備の内訳ですが、1.1兆ドルは米国債、金の保有高は1800トンで1兆ドル弱、残りの1兆ドルの存在が確認できないと言われています。 仮に2兆ドルが正味の外貨準備とするなら債務残高が重要になります。 中国の対外債務は1.4兆ドル、これに中国の政府系資金調達ファンドで1兆ドル借入が有る様ですので合計2.4兆ドルと、数字上では債務超過になってしまいます。 ここまで中国の指導部がアフリカ、中東を歴訪するたびに現地の資源開発に兆円単位の投資を行ってきましたが、其のほとんどが高値掴みで膨大な評価損を抱えていると言われています。 中国のドル資金の台所は極めて苦しいと想像できます。 これ以上の元の下落を放任すると更なる資金逃避が起こる可能性が極めて大きくなっています。 事実昨年の10月に中国の長年の悲願であったIMFの通貨バスケットSDRに元が採用されグローバル通貨への一歩を踏み出し、外国人投資家による中国の国債保有が始まったのですが、彼らは既に売りに転じていると言われています。

心理的に大きな節目と見られる外貨準備高3兆ドルを割った今、次の節目は元の対ドル7元の攻防に移りそうです。  輸出の対前年割れが常態化しつつあり、外資の投資手控え、撤退と中国の外貨調達力が確実に低下しています。どこまで元の買い支えが成功するか、当面の最大の注目ポイントです。
(中嶋)

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マクロが先か、ミクロが先か

k.suzuki |2017/02/08 8:00 am

午前6時。夜から朝へ。ビル群の向こうに見えるスカイラインが漆黒から群青色に少しずつ変わります。1日で最もダイナミックな天体の変化が午前6時に見られるこの季節、冬から春へと季節の変化がはっきりと感じられます。三寒四温、寒いだけの春。

木の芽、虫の息吹など大地の下、土の中ではもっとはっきりとした変化が始まっていることでしょう。目には見えないけれど、変化は間違いなく始まっています。地球の公転というマクロ、土の下の木の根というミクロ。どちらも連動して動いています。

株式市場もまったく同じです。弱気相場から強気相場へ。強気から弱気へ。いきなり局面が転換することはまずありません。上げて下げてを繰り返し、強気の日と弱気の日が交互に訪れ、徐々にムードが変化してゆくものです。問題は、人がそのような変化をどの時点で感じ取るかです。

トランプ大統領が掲げる1兆ドルの公共投資、大幅減税という大規模な経済政策、いわゆる「トランプノミクス」。それらの将来展望が語られる時、ほとんど必ずといってよいほど先行事例として挙げられるのが「レーガノノミクス」です。米国経済が劇的な復活を遂げた1980年代の軌跡を表す象徴的なフレーズですが、そのレーガノミクスを語る時、これまた必ずついて回るのが1987年10月の「ブラック・マンデー」です。

1日でNYダウが▲22%も下落した「暗黒の月曜日」の物語ですが、その恐るべきブラック・マンデーの急落でさえ、ディーラーや投資家は意外にも傷は浅く乗り切ったものです。

理由はただひとつ。ブラック・マンデーの1〜2週間ほど前から株価はすでに不穏な値動きを繰り返していたためです。まともな神経を持った投資家であれば、とても株式をロングで保有してはいられませんでした。私の周りではブラック・マンデーの直前は、ひとまずは様子を見ておこうといったん株式を手放していた人が多かったように思います。

当時はインターネットはありません。朝晩の定時ニュースが株価をひんぱんに報じることもありませんでした。証券会社との電話でのやりとりが情報を得るルートのすべてでしたが、それなりに人々は機敏に動いていました。

マクロとミクロは連動して変化します。変化の芽をあまり遅れることなく察知していきたいものです。

それにしても1日で▲22%の下落とは。NYダウが2万ドルを超えている現在であれば、1日で▲4000ドル強の値下がりとなります。売りたい人に売却の機会を提供するという、さすがは資本主義のメッカ・アメリカですね。
(スズカズ)

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「スコア」

e.sakurai |2017/02/07 7:37 am

週末の日米首脳会談が今週のテーマ。
となると貿易摩擦と為替の問題に一喜一憂。
傍らに金利の問題も登場するのでしょう。
先週来日したマティス国防長官は同盟関係や費用負担の問題を心地よくしてくれた格好。
しかし伏線はきっと貿易摩擦と為替の問題。
肉を切らせて骨を斬るのならば、相場的にはおそらく負けとなります。
だったらむしろ防衛費用の数千億円程度を増額しておいた方が市場は救われるのかも知れません。
どちらに転ぶのかは1週間の時間待ち。
暴言やブレが指摘されるトランプ政治。
しかしその実態は大統領就任の不安が醸し出す饒舌をスタッフが止める役割を担っている印象。
入国阻止問題は「米国第一の政策の迅速な遂行狙うトランプ政権に大きな打撃」。
ではなく「政策提言実行の姿勢をスタッフが阻止」と見た方がいいかも知れません。
片言隻句を疑い惑っていても仕方がないこと。
財務大臣が「金融政策は円高是正のため」と発言して「デフレ是正」に撤回するようではいけないでしょう。
トランプ氏に財務大臣も呼ばれたことは警戒感というところ。
出来れば首相のゴルフがうまいスコアになってくれれば・・・

その安部首相の週末はよみうりGCでの就任以来57回目のゴルフ。
来週末のフロリダ・パームビーチでのゴルフのための練習?。
第2次安部内閣再登板時に決めたことが3つあると先週日曜の日経で紹介されていた。
外国訪問、東日本大震災被災地視察とゴルフ。
祖父の岸元首相がアイゼンハワー大統領とゴルフで仲良くなったの歴史も踏まえていそうです。
被災地視察は計31回、海外訪問は50回(66地域)。
ほぼ均等な動き方。
会食のトップはキャピタル東急の「ORIGAMI」で40回。
赤坂飯店が13回、河口湖の湖宮が13回。
キャピタル東急の水蓮が12回。
有栖川清水と紀尾井町の福田家が11回でした。

アノマリーは「節分天井彼岸底」。
最近は聞かれなくなったし効かなくなってきたのでしょう。
相場が閑散となる「ニッパチ」。
2月と8月は相場が停滞することが多いことに由来。
中国春節と元宵節。
3月末の投信の利益確定が45日前の2月15日。
これも最近は縁遠くなってきました。
「私鉄株は2月に買え」。
私鉄株は3月の地価公示価格発表前の2月に買うといいとされます。
昨年は結構良かったような記憶。
「小売りなど生活関連銘柄の2月優待狙いの買い」というのもある。
「西暦の末尾7の年は大きなトレンドの中で押し目」(ラリーウィリアムズ)。
「7という数字は弱気であり、一旦底をつけることが多い」(WDギャン)。
「基本的に年足陽線は連続する」(単なるアノマリー)。
「一白水星の年の良いセクター=飲料、造船、水産、海運、印刷、損保」。
「火曜日の下ヒゲで買って水曜日の寄り付きで売る」というのは昔からありました。
20世紀には「水曜高の木曜安」(どちらも受渡しが土曜日なので水曜に先買いし木曜に反対売買)。
まあ、いろいろあるものです。

以下は今朝の場況。

「火曜続落のトレンドに甘んじるか」

週明けのNY株式相場は小幅反落。
「前週末に大きく上昇した反動で目先の利益確定売り」との解釈。
もっとも堅調な経済指標や企業業績を背景に下値を売り叩く動きもみられずNYダウは2万ドル台をキープ。
方向感は乏しい動きだった。
雇用統計での時間当たり賃金の伸びはプラス0.1%にとどまった。
市場予想のプラス0.3%を下回ったことから早期利上げ観測が後退。
ドル円は111.62円まで下げて昨年11月29日以来約2カ月ぶりの円高・ドル安水準。
NY金先物4月限清算値は1232.1ドルと昨年11月10日以来こちらも約2カ月半ぶりの高値圏を回復。
トランプ大統領の保護主義的な貿易策や移民規制に対する懸念が重石。
株価はやや軟調なもののドルや金にとっては快適な悪材料という印象。
前夜ヒューストンで開催されたスーパーボウル。
AFCのペイトリオッツが34−29でNFCのファルコンズに歴史的な逆転勝利。
AFCチームが勝利した場合、その年のNY株は下落するとアノマリーがある。
昨年はAFCのブロンコスがNFCのパンサーズを破ったがNY株は年末にかけて上昇。
「スーパーボウル・アノマリーが2年続けて破られるのか気になる」という声も聞かれる。
投資雑誌バロンズの記事は「S&P500の犬戦略に賭けてみよう」。
S&P500採用銘柄の高配当株に注目した。
S&P500採用の高配当銘柄を投資対象とするETFは過去3年で年率12.91%のリターンだという。
「配当に着目しはじめたのは相場のこう着の表現」とも考えられよう。
引け後に1月の売上高の好調を発表した衣料大手のギャップの株価が4%超上昇。

6週間ぶりに月曜安の継続からは脱却したものの25日線や一目均衡表の雲上限が抵抗帯。
19000円をキープできずの月曜だった。
為替の円高傾向を相変わらず嫌気した格好での伸び悩みの印象の週明け。
週明けのNY株式は軟調。
各指数は反落した。
もっとも2万ドル台をキープしたNYダウと19000円を守れない日経平均との差は歴然。
今度は週末の日米首脳会談を待ちの材料にしているのだろう。
シカゴ225先物終値は大証日中比95円安の18855円。
安値は18795円まで売り込まれ週末週初と2万円割れ。
ドル円の111円台が嫌気された。
25日線からはマイナス0.9%のかい離。
空売り比率は39.3%と低下。
日経VIも19.99%と20%割れ。
日経平均採用銘柄のPERは15.76倍。
EPSは1204.11円と1200円台を復活してきたのは第3四半期の決算発表のおかげだ。
ちなみに前期基準でのEPSは17.09倍。
EPSは1110円だったから約90円の上積みとなっている。
この増額を素直に見ることのできる感性が市場に欲しいところだ。
火曜続落のトレンドに甘んじるか、9連勝中の水曜続伸のトレンドに期待するか。
結構複雑な投資心理が支配しそうな火曜日。
(櫻井)。

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米株2万ドルの効果

iwamoto |2017/02/06 7:55 am

 米ダウ工業株30種平均が1月27日以来、5営業日ぶりに2万ドルの大台を回復しました。
 最初のインパクトが、1月雇用統計の好調。注目されることが多い非農業部門雇用者数は前月比22万7000人の増加。市場予想の18万人を大幅に上回っただけでなく、雇用回復の好調ぶりを示すとされる20万人台の伸び(昨年11月以来)となり、昨年7月(25万2000人増加)以来の高い伸びとなりました。

この数字だけ見ると、労働市場にはなお拡大余地あり、という印象ですが、同時に前月、前々月分が減額修正され合計4万7000人分が減ったほか、失業率も4.8%に悪化(市場予想、12月ともに4.7%)したほか、平均時給の伸び率が前月比0.1%(市場予想0.3%、12月0.2%)に止まるなど内容に問題があり、労働市場にはなおスラック(緩み)が残っているとの見方が多いようです。

3月利上げの確率は前日の17%から9%に低下しました。利上げに慎重なハト派に属し、FOMCでの投票権を持つエバンス・シカゴ連銀総裁はこの日の講演で「緩やかな金融政策の正常化が適切だ」と意味深長な発言だったそうです。一方、ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁は「年3回の利上げは妥当な推測」と利上げに強気の発言。15日にはイエレン議長の議会証言が行われる模様ですから、好調な経済指標の発表が相次ぐなか、FRBが金融正常化へのかじ取りをどう進めるか、引き続き注目されるでしょう。長期債利回りは小幅低下、ドルは小幅安となりました。

ただ、そうしたゴルディロックス的な状況は株式市場が歓迎するところ。3日は朝方から強い市況で始まり、結局は186ドル高と今年最大の上昇幅。その一段高の背景はトランプ大統領が金融規制改革法(ドッド・グランク法)の見直しを指示する大統領令に署名する、と伝わったこと。これを受けてゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースなど金融株が大幅高となりました。米国の金融規制緩和の動きは邦銀にも好影響がありますから、週明けの日本株の展開にもプラスとなるでしょう。

 さて、今週の最大ポイントは10日、11日の安倍・トランプ会談でしょうが、その結果が反映されるのは来週の市況。今週はかなり動きにくい展開かも知れません。それはまた、市況の落ち着きにつながるかもしれません。
本日6日のトヨタ、三菱地所、丸紅、7日のJX、出光興産、住友金属鉱山、住友商事、8日のソフトバンクグループ、ダイキン、富士重工、三井物産、9日の日産自動車、東レ、大和ハウス、10日のNTT,三井不動産、東京電鉄など、まだまだ続く決算発表にインパクトを受けやすい市況が続くことでしょう。(イワモト)

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企業業績

r.matsushita |2017/02/03 8:06 am

 「1月月間が上昇で終わると、その年は年間で上昇の年になる、などと言われます。今年はそういう年になりそうな気がします」と先週書いたのですが、残念ながら日経平均はわずかにそうはなりませんでした。ただし、ジャスダック平均、マザーズ指数はらくらく上昇月となりましたので、日経平均は円ドル為替相場からの影響もあったろうし、日本株相場の実態はジャスダック、マザーズ市場にあるだろう、ということで今年の1月相場は「実質」上昇、と見ていいのではないかという気もします。

 3月期決算会社の第3四半期決算発表が進行しています。個別企業でまちまちとはいえ、おおむね景気敏感セクター、輸出関連、資源関連などについては当期業績見込みが強含み、あるいは上方修正となっているようです。つれて、株価が上昇といったことも起きており、企業業績から見た株価見通しはそんなに暗くなっていないと思われます。

 依然、毎日トランプ、トランプで賑やかなのですが、個人的にはそろそろトランプはどうでもよくなった、という感じがします。トランプという大統領は選挙キャンペーン中に言っていたことは、「そのまま」まずは実行、という態度のようですね。やるだけやってみて何か不都合なら「合衆国の法律に従って」修正して行けばそれでOK、ということなのでしょう。特定の国の人間の入国を許可しない⇒当然猛反発⇒では、グリーンカードを持っている人は入国可に修正、といった具合です。それが分かれば、トランプ氏は予測不可能な行動をしているのではなく、予測とおりの行動をする、ということになりますので。

 トランプ大統領とのことは、こと日本に関してはここからは安倍首相をはじめとするプロの政治家に任せておけばそれでいい、そんな感じでしょうか。株式相場への影響も、ごく目先の変動要因として、というのを別にしてそんなに深刻なものではないでしょう。安倍氏は、麻生副総理などを伴って訪米するようです。麻生氏はトランプ氏と相性がいいのではないか、と思いますね。

 ただし、今後の問題として、次の2点は注意しておきたいと思っています。

1.減税・インフラ投資といった財政に絡む政策には注目。これらは当然予算がからみます。予算は議会が決めるものですから、議会との関係がどうなって行くか注目です。

2.トランポノミクスがふつうに進行すれば景気はよくなりますから、FRBは金利引き上げの方向に動くはずです。となりますと、ドルは高くなりそうだ、ということで、ドル高をトランプ氏が阻止したいということであれば、トランプ大統領とFRBは対立する恐れがあります。その辺りがどうなるか?注目しておきたいと思っています。

 それから、あくまで個人的は感想ですが、いわゆるトランプ現象の背景には、行き過ぎたグローバリズム⇒アナーキズム、への懸念や不安があった、という観点は忘れないでおこうと思っています。(租税回避的な企業行動をするグローバル企業は、ある意味経済的アナーキスト、ですよね。)

平成29年2月3日 金曜日
証券アナリスト
松下律

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トランプと為替相場

k.nakajima |2017/02/02 8:23 am

「中国や日本は何年も通貨安誘導を繰り返している」、やはりトランプ大統領からの円安批判が飛び出してきました。 為替介入による円安誘導を指摘している訳ではなく、日本の金融政策が結果として円安を呼び込んでいると考えているようです。 こうした政治的な発言に対し、代表的な反論は「此れから続くアメリカの金利引き上げは日米の金利差を更に拡大するため、ドル高=円安の流れは止められない」というものです。 極めて冷静な指摘ですが、国益を守る事を第一義に考えるトランプ政権下では、貿易不平等を声高に唱えることにより保護主義的な主張も市民権を得る怖さがあります。 1月26日の日経新聞が指摘したように、1995年当時日米の金利差が一年間で3.8%までほぼ2倍に拡大したにも関わらず、円高に進んだ事実は無視できません。 貿易摩擦の結果アメリカの思惑で円高に誘導された背景が浮かび上がります。 以下にその当時の出来事を年代別に列挙してみます。

1988年 :「スーパー301条」成立。 不公正貿易に対しアメリカの報復措置が
      が可能に。アメリカの対日貿易赤字が全体の40%を超えはじめる。
1989年 :日米構造協議始まる。アメリカより市場開放要求。
1993年1月:クリントン大統領就任。対日貿易赤字全体の65%に。
       対日圧力強まる。
1993年3月:細川政権誕生。 輸入拡大の公約はしない方針を示す。
1994年2月:日米首脳会談包括協議決裂。
1994年3月:クリントン大統領「スーパー301条」発動  円高容認
1994年4月:細川首相辞任。
1995年4月:アメリカ製の輸入拡大を目指した日米自動車・部品交渉不調。
1995年4月19日: 1ドル=79.75円の円高に。

どうしても首を振らない日本に対し、アメリカが報復的に円高誘導を行ったとしか考えられません。 結局1995年の6月に交渉が妥結、円安に転じる事になります。 80円を超える円高は東日本大震災後の2011年〜2012年に恒常的に付けますが 遥か昔の1995年に既に一度経験したのは驚きです。 決して悲観的になる必要は有りませんが、こうしたことが起こり得る可能性だけは意識しておきたいものです。
(中嶋)

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内需関連株の行方

k.suzuki |2017/02/01 7:56 am

マーケットにも強烈なトランプ旋風が吹き荒れています。イスラム圏の市民に対する入国拒否の波紋がますます広がっていますが、当のトランプ政権の中枢は意に介する素振りも見せません。支持基盤である白人の中・低所得者層の支持はさらに万全のものとなっているようです。

選挙期間中の言動からして「アメリカの大統領がこんなことでいいのか」と感じていた人が市場でも多かったのですが、株価はトランプ政権が掲げる(財源の当てのない)経済政策を評価して大幅な上昇を続けてきました。それが政権発足2週目の今週からは一転して批判的な目で見るようになっています。

2月に入り日米首脳会談が近づいてきました。貿易面でいよいよ円とドルの関係が浮上し始めています。日本は、米国の設定する「為替監視国」の要件を貿易黒字と介入のための外貨購入額という2点において基準値を超えており、この点では中国をも凌駕しています。さっそくトランプ大統領は経営者とのミーティングで日本の円安政策をやり玉に挙げました。

為替市場では112円台まで円高が進みました。2か月ぶりの円高水準です。

「リスクオフ時の円高」と言われますが、実際にはリスク回避ではなくて、金融市場のリスクが高まる時は経済のデフレ色も強まるため、現金志向の高まりとともに金利の低い円に資金が向かいやすくなります。しかし生活実感としての物価はもはや充分に上昇を開始しています。

食品の価格はいうまでもありません。最近は書籍の値段が「上がったなあ」と思うことが増えました。新書は720〜740円が定番だったものが、今では800〜850円が定着しつつあります。会社四季報、日経会社情報は1年以上前から2000円になりました。四六版の新刊本は1600円以上がもはや当たり前です。

すでに日本はデフレ脱却の目標をとっくに果たしています。昨日は黒田・日銀総裁の記者会見が行われたばかりですが、具体的な変更はさほど見られませんでした。でも日米首脳会談から先は、日本の金融政策(の変更)に再びマーケットの焦点が移ってゆきそうなムードを感じます。だとすれば、株式市場の物色動向も輸出関連株から内需セクターに変化してくるのでしょうか。
(スズカズ)

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「風」

e.sakurai |2017/01/31 7:41 am

相場や株価と言うのは現実の世界に存在しています。
不思議と虚構の世界の真実と思えるのは気のせいでしょうか。
夢を追いかける現実と夢を追いかける虚構。
最初は現実なのにいつの間にか虚構の世界に迷い込む。
この時は怖さはさほどありません。
一方で最初は虚構の世界で泳いでいたのに、いずれ現実に曝されること。
このときは恐怖感を伴っているように思えます。
いずれにしても虚構と現実を行ったり来たり。
本当はすべて現実の世界で現実対峙なのだが逃避と直視の往来。
この感覚は結構不思議なもの。
もっとも虚構と言う意味では「ドラマ」や「映画」というのは結構投信心理の勉強の役に立ちます。
ドラマは脚本に従って進むものであり結果は見えているもの。
しかしその結末に向けてのシナリオ推移は右往左往。
見ている方もあらかた結末が分かっているのに、途中のイベントや脇道に結構感動したりします。
結果があることのプロセスの感じ方という点では株式市場にも似ている部分だろう。
あるいは、シリーズ物などでは半年ほど休むとまた同じ配役でスタート。
休んでいても戻ってきたときに温故知新を感じるのは銘柄も一緒。
あるいは、犯人や捜査員、上司や部下、恋人たちのセリフもいろいろ。
たった一行のセリフが時によっては相場の解釈に役立つこともあります。
予感と結果の整合性を求める作業も株と一緒。
しかもどちらも感動を求めるもの。
そういう意味でドラマは株式投資の必需品かも知れません
決して閑つぶしのツールではない筈。

相続関係のセミナーに同席していた時の会計士さんの指摘。
「今は世田谷区桜新町の戸建てに住む磯野家にも相続税がかかる。
まずは波平さんが遺言を書いておくべきです」と
続けて「因みに波平さんは54歳ですけど」。
これには驚きました。
サザエさんは24歳(ただし大正11年生まれ)。
マスオさんは28歳(原作では32歳)。
磯野波平さんは明治生まれの54歳。
フネさんは52歳(原作では48歳)。
カツオくん13歳(昭和13年生まれ)
ワカメちゃん9歳。
タラちゃん3歳。
ノリスケ(26歳)、タイコさん22歳。
となりの伊佐坂先生が60歳くらい。
マンガやアニメなので時間は止まっているのでしょうが、それにしても磯野波平さんの方が年下だなんて・・・。
これは意外感。

金曜は茨城の古河、土曜は東証のREITセミナー。
昨日は福岡でIRセミナー。
昨年よりもセミナー参加者と熱気が増えてきたような雰囲気。
昨日のIRは京急でしたが、京急もイベントが増えてきました。
例えば京急電車で使用していた砂を穴守稲荷でお祓い。
合格祈願「京急すべらない砂」お守りを限定発売。
あるいは訪日外国人対象のプレゼント。
あるいは「日台縦断鉄道スタンプラリー」。
今朝の日経社会面にも載っていましたが「ハート型の吊り革を設置した電車の運行。
窓にハート形のシールも貼ってあるそうです。
「KEIKYU LOVE TRAIN」というのが名前。
明日は首都圏私立中学の入試。
そして14日バレンタインデーは株高の特異日。
スケジュールとイベントは毎年やってきます。
昨日福岡からの帰りのJAL。
機内で見たのは「対地速度時速1200キロ、追い風300キロ」。
そんな風はがマーケットでも吹いてくれると言いのですが・・・。


以下は今朝の場況。

「火曜安のアノマリー」

週明けのNYダウは前週末比122ドル安の19971ドルと続落。
2万ドルを割れ込んだ。
下落幅は一時223ドルまで拡大し大統領選以降最大となった。
S&P500は3日続落。
NASDAQは反落。
背景はトランプ米大統領が中東やアフリカなどの「テロ懸念国」7カ国からの入国を制限する
大統領令に署名したこと。
混乱や反発の声が拡大し、経済政策の遅延懸念が台頭したとの解釈。
「政策の先行き不透明感を意識」という声も聞かれる。
ほぼ全面安の展開の中、特に空運、金融、エネルギー関連セクター等が下落。
恐怖(VIX)指数は一時12.15まで上昇した。
投資雑誌バロンズ今週号の特集は「「次の停車駅はダウ30000ドル」.
しかし逆の動きとなった。
好調な企業業績や経済成長見通しを前提として「もし、トランプ大統領が貿易戦争、
もしくは本当の戦争を回避できれば2025年までにダウは30000ドルを超えるだろう」との予想だ。
下落で弱気の典型的局面でこの記事はどういう収拾を図るのかが興味深い。
洋の東西と問わずマスコミの強気は反落サインなのだろうか。


月曜の東京市場は軟調展開。
これで年明け3連敗となった。
ちなみに火曜は連敗中。
昨日のNY株の下落を受けた格好で3連敗の可能性が濃厚だ。
一方で水曜が4連勝中。
水曜の5連勝があるとすれば今日の下落は買い場面だったという結果論になる。
3勝2敗のリズムが継続するかどうかだ。
月足陽線基準は19594円でこちらの可能性は薄い。
課題は25日線(19239円)の攻防。
そして1月SQ値19182円を上回っていられるかどうかだ。
シカゴ225先物終値は19175円。
安値は19060円まで叩かれている。
もっともカラ売り比率は38.9%。
日経VIも18.92%。
松井証券経由の信用評価損率速報で買い方はまだマイナス4%水準。
騰落レシオも96%台と過熱感は薄い。
火曜安のアノマリーに敬意みたいな一日だろうか。
(櫻井)。

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もう、2月相場

iwamoto |2017/01/30 7:45 am

 今週から2月相場。2017年も十二分の一が終了。2月の日経平均星取りは1950〜2015年で38勝29敗ですから、勝率56.7%とまずまず。過去10年間では○○●●○○○●○●の並び、この10年間も6勝4敗ですから「やや強い」という傾向。月の後半にかけて商いが細りがちとなり、明確な方向感のない月。1月からのトレンドが引き継がれやすい…といった印象です。

今年は、目下のところ米国株が過去最高値を更新中。ダウ工業株はなかなか抜けなかった2万ドル台乗せという推移に対し、日経平均は大発会の1万9594円がいまだ今年の最高値という状況です。この格差はひとえに“トランプ効果”の違いということでしょう。

 2月のスケジュールで注目されるのがトランプ関連の日程。2月3日、4日と“マッド・ドッグ”こと、マティス国防長官が来日し、稲田防衛大臣と会談。10日には安倍首相が訪米しトランプ大統領と日米首脳会談−。日米同盟や通商問題では、どうやらトランプ大統領の認識不足がネック。その解消作業から始めなければならないようです。自動車摩擦の再燃といった事態だけは避けてほしいものです。

 トランプ政策という意味では、最初の大統領議会演説が2月下旬に行われるようですが、株式市場でも注目されている予算教書演説は3月になりそう。政策具体化はもう少し先、ということ。

 1月30日〜31日に日銀金融政策決定会合、1月31日〜2月1日にFOMC(米連邦公開市場委員会)と、今週は日米で金融会合が開かれます。ともにテーパリング(量的緩和策の出口戦略)が関心を呼び始めていますから、政策スタンスの変化があるかどうか、声明文や記者会見での発言のニュアンスが注目されることになります。なお、FOMCでは今回から投票権を持つメンバーが4人入れ替わります。

 相場の強弱は結局のところ、企業業績次第です。日経新聞の集計によると、1月になって17年3月期純利益予想を変更した会社は53社。そのうち7割が増額修正しているそうです。27日もアルプス電気、日立ハイテク、大日本住友、CKDなどが増額修正を発表していました。増額企業が増えれば、株価の居どころも変わってくるでしょう。2月1日〜3日で400を超す企業の決算発表が予定されていますから、今週末にかけてが最初のヤマ場となります。市場の関心は「円安効果」ですが、為替頼みでない真の実力を伴った収益向上なのかどうかもチェックする必要があるでしょう。

 あと、ちょっとした話題になるかもしれないのが2月24日のプレミアムフライデー。月末の金曜日は早めに仕事を終え、旅行に行ったり、スポーツしたり、買い物をしたりしよう…という経済産業省肝いりの企画。「と、言われても…」というのが一般的でしょうが、この先、街中を奇妙なロゴマークが席捲するかもしれないので、注意しましょう。(イワモト)

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トランプラリー2.0

r.matsushita |2017/01/27 8:02 am

 いよいよトランポノミクス本格始動ということで、ラリーの第2フェイズのスタートラインが区切りの良いダウ平均株価(DJIA)2万ドル、(法人)減税、インフラ投資拡大、規制緩和、アメリカ第一の外交・通商政策、と不安を持たれつつも期待が継続しているようです。

 つれて、日本株も上昇、トランポノミクスでは、米製造業の価格競争力強化のために短期的にはドル高・円安は望ましくない、というのが基本姿勢のようです。また、30年前の日米自動車摩擦の亡霊が戻って来たかのような雰囲気もあって、警戒はしつつも、といった様子ですが、世界景気の敏感株である日本株が、アメリカ景気の先行き期待が膨らんでいる時に上がらないはずはない、ということなのでしょう。

 ここから来月中旬までに、3月決算会社であれば第3四半期の決算が明らかになります。今期は一時円高によるマイナスが意識されたのですが、米次期米大統領決定後はそれもなくなって、おおむね各社の業績は好調、かつ、通期見通しは改善、となるものと思われます。

 業績面からも、日本株高を後押しする局面が到来しているようです。まずは日経平均2万円超えを期待しよう、と多くの市場参加者がそんな気持ちになっているのではないかと思われます。昨年前半の大量売りで、外国人の売りは出にくくなっていて需給面はかなり好転していますから、初夏辺りまでは基本上昇トレンドをキープできるのではないでしょうか。とはいえ、変動は相変わらず大きそうですが。

 よく、1月月間が上昇で終わると、その年は年間で上昇の年になる、などと言われます。今年はそういう年になりそうな気がします。

 しかしながら、トランポノミクスに戻りますと、矢継ぎ早に打たれるの政策の内、排外的な通商政策はかなり危険な感じがしますね。例えばメキシコ、アメリカの言うことはたいてい聞くに違いない、などということはないと思いますね。確かにメキシコからアメリカへの輸出が制限されるとなればメキシコは困るでしょうが、逆にメキシコはアメリカから見てもっとも重要な輸出先の一つでしょう。(統計によれば、メキシコの輸入のおよそ半分はアメリカから。)言われっぱなし、やられっぱなし、はないような気がします。

 同じNAFTAの国でも、トランプ氏はカナダについては何も言わず、メキシコについてあれほど言う、となれば、差別意識の表れ、と言われるのは必定でしょう。ポリティカル・コレクトネスそっちのけ=大人の対応無し、で、同じようなことをあらゆる場面でやってしまうのでしょうから、そこらじゅうで衝突は避けられないでしょうね。閣僚以下の実務家がどの程度カバーできるか・・

 トランプ氏には大統領として目指すところがあって、アメリカを薬物禍から守りたいとか、治安をより良くしたい、とか、落ちぶれた製造業を復活させたい、とか、労働者たちの生活水準を引き上げたい、とか、でしょうかね。しかし、経済のグローバル化の流れの中で最大の「勝ち組」のアメリカが、「勝ち組」はそのままにして「負け組」を引き上げる、ということがうまく行くのかどうか、分からないところですね。

 ただ、第4次産業革命の成果と新興国の労働コストが上昇してしまったことからして、案外これからはアメリカ国内で製造業が復活する条件が整いつつあるのかもしれませんし、やってみる価値はあるのでしょう。

 わが国はさいわいにも、時代を間違えたような通商摩擦の指摘や、安保ただ乗り論もありますが、米国との間で大きな問題を抱えているわけではありません。冷静にトランプ新大統領と向き合うことができるのではないでしょうか。トランプ氏も(ペンシルべニア大学ウォートンスクール出だそうで)理解力は十分持っているでしょう。東アジアの地政学的問題、自由貿易体制、あるいは対ロ政策、等々、新大統領とうまくやって行くのはなかなか難儀でしょうが、特に株式市場が気にしなければならないような事態は想定しなくていいのではないかと思います。ドル高・円安に釘を刺す発言にしましても、適度に日本の通貨の価値を守りながら経済が進むというのであれば、むしろ歓迎かもしれません。(株式相場に影響する何か心配なこと、と言えば、今年は大陸欧州発、という気がしています。)

株価バブル
 初夏辺りまで上昇トレンドをキープできるのではないか、と書いたのですが、指数に投資ということであれば、変動が大きいということからして、また今年もどこかで大きく下がった時に買うのが得策、といった感じになってしまいます。

 それよりも今年は、個別銘柄の大相場、できればバブル相場狙いというのが当たりになるかもしれない、という気がします。(個別株の大相場、というのは、大なり小なり毎年どこかで起きることではありますが。)「収益、成長性がそこそこ以上あって」、「分かりやすい材料(AI,とか、新素材、とか、新薬、といった)があって」、「過去に大相場があった」といった銘柄群の中から、株価がバブル化する、あるいは、バブルがさらに大きく膨らむ、といった銘柄が出て来れば面白いと思いますね。 

平成29年1月27日 金曜日
証券アナリスト
松下律

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再び日米自動車摩擦

k.nakajima |2017/01/26 8:14 am

過って、このブログで「自動車業界の日米攻防」についてシリーズでその背景を述べたことが有りました。 今回再びトランプ新政権がこの問題を理不尽に持ち出してきています。 又アメリカの業界からも日本を暗に非難するかの発言が出始めています。 しかし欧州特にドイツの自動車メーカーが、着実に日本で存在感を高めている現状を見れば、アメリカの自動車メーカーが日本で市場を取れないのは、彼らの努力不足と怠慢がすべての問題の根源と考えざるを得ません。 そして今回のアメリカからの不満は、多分日本の市場の閉鎖性を問題にすることにより、日本のメーカーのアメリカ市場での販売に圧力を掛ける事に主眼があると考えています。 こうしたやり方が正しいのか過去の事例を振り返ります。 そこに見えてくるのは、アメリカ市場に於ける日米自動車攻防でアメリカのメーカーが、如何に判談ミスを重ねてきたかの事実が浮かび上がります。

アメリカにおける自動車産業の歴史は1903年にフォードが、1908年にGMが創業されたことからはじまります。 クライスラーの創業は少し遅れ1925年になります。 大量生産方式をT型フォードで確立したこともあり、1929年には既に生産台数で戦前のピークになる459万台を達成しています。 当然ビッグ3の市場占有率は90%を大きく超えていました。 戦後もアメリカは石油産出国であったことから、ガソリンの価格が日本の1/5以下の安さで手に入り、燃費を気にせず利益率の高い大型車中心の生産を続けます。 1960年には年間生産台数が800万台を超え、正にこの世の春を謳歌します。 そして起こったのが第一次石油ショックです。 これ以降ビッグ3は業界を取り巻く歴史の流れの中で4度に渡り判断ミスをしたと言われています。

一度目は1970年代の第一次石油危機後のガソリン価格の高騰、マスキー法に代表される環境規制強化の流れの中で、小型車への展開を図れなかったことです。
むしろその後のガソリン価格の落ち着きから大型車戦略を強めた事です。

二度目は1979円の第二次石油危機後、再び大型車の売上が急減する中、レーガン政権誕生の1981年に政治的圧力を使い、日本車の輸入規制(台数を年間168万台に止める)に成功したことです。 この規制は3年間の時限措置でしたが結果的に1994年まで13年間続きます。 しかし性能と燃費の良さから既に市民権を獲得していた日本車の人気は強く、台数に制限が有る事から価格にプレミアムが付く事になります。 その価格比較からアメリカ車の値上げが可能になり、再び危機を脱し小型車へのシフトに積極的に取り組まなかったことです。

三度目はGMの経営危機後の戦略です。 ビッグ3は日本メーカーが進出していないピックアップトラック部門を強化 既に償却を終えているトラックの車台を使った為、膨大な利益を挙げます。 しかし新規参入の為、自動車の車台を使いグレードを高めた日本メーカーの攻勢の前に、結局シェァーを奪われます。 顧客の好みを読み違えたためです。

四度目は2001年9月の同時多発テロに伴う販売不振の時です。 購入資金を無利子で貸し付けるゼロ金利キャンペーンを展開、それなりに効果があった為、抜本的な合理化を結局行わなかったことです。

こうしてみると危機の度に場当たり的な対応に終始し、それでも不足の場合は政治圧力を使う経営の怠慢が見えてきます。 今回トランプ氏の要請に迷うことなくメキシコからアメリカ本土に工場建設を移し替えたフォードの決断はそうした政治的な産物でしょう。  冒頭に述べたように自動車産業はアメリカの魂の面が有るため、理不尽な要求に対し合理的に答えるだけでは納得を得る事の出来ない難しさが有ります。 しかし本日(1/25)の上昇したトヨタの株価を見る限り市場は、過去の歴史から何かを読み取っているのかもしれません。
(中嶋)

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初春の夢、日本人横綱の誕生

k.suzuki |2017/01/25 8:00 am

トランプ政権が本格的に始動し、世界も日本も戦々恐々としていますが、それとはまったく別の話題です。

稀勢の里関、横綱昇進おめでとうございます。待ちに待った日本人横綱の誕生は何をおいてもうれしい限りです。このニュースだけで早くも初春の夢が実現しました。2017年はすばらしい年になりそうです。

18歳3カ月での新入幕は貴乃花に次ぐ歴代2番目の最年少記録とか、そのわりに大関に昇進してから31場所での優勝は史上最も遅い記録とか、稀勢の里にまつわる逸話はエンドレスで続けることができそうです。肝心な大一番でことごとく敗れるなど、心の弱さが指摘されたりしますが、出世がここまで遅れたのは心も問題などではなく、目の前に立ちはだかる同時代の強敵が多すぎたことだと思います。

白鵬、日馬富士、鶴竜の3横綱をはじめ、照ノ富士、逸ノ城、すでに引退した朝青龍、琴欧洲、把瑠都など外国人力士勢との激闘の数々。日本人力士でも琴奨菊、豪栄道、栃煌山、豊ノ島、魁皇など、稀勢の里戦にだけ異様な闘争心を燃やすライバルが行く手に次々と現れました。

何といっても全盛時の朝青龍と白鵬の強さは圧巻でした。賜杯に手が届くどころか、普通に対戦するだけでもたいへんだったでしょう。それを持って生まれた体格と非凡な努力、先代親方(鳴戸親方、元横綱隆の里)とのあまりに厳しい猛稽古で身体と技を鍛え上げ、とうとう横綱を手にしました。

土俵上では力士の大型化が進んでおり、八百長問題の発覚後は衆人環視の目が厳しく真剣勝負が強いられ、それだけにひざやひじに深刻な怪我も増えています。しかし不思議と稀勢の里はけがとは無縁です。サポーターや包帯姿を見たことがありません。入門後の10年をかけて、先代親方より相撲の基礎を徹底的にたたき込まれたおかげと言えるでしょう。

そうして頂点にたどりついたのですが、本当の真価が問われるのはこれからです。朝青龍も白鵬も横綱としての成績は申し分ないのですが、相撲の内容がまったく横綱らしくなく、土俵の上での礼儀もひどいものです。

「勝って喜ばず、負けて落ち込まず」。先代からの教えを胸に、誰からも愛される立派な横綱になってください。いつまでも応援しています。
(スズカズ)

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「誘蛾灯」

e.sakurai |2017/01/24 7:29 am

最近考えた二つのこと。
寒さで指先を震えさせながら早暁の江戸橋を歩きながら脳裏に浮かんできました。

どうも市場の話題の順番は商品→為替→株の構図のような気がする。
株から世界を見ていると見えないものが原油や金を通して見ると少し変化がある。
要は株の売り買いで儲かるかという観測よりも原油や金の売買で儲けるシナリオ。
立場を換えてみると、日本地図は地球地図に変わるのかも知れない。
ローカルキャピタリズムはワールドインベスターに変身みたいなものだろうか。
情報とかシナリオの伝わり方はマーケットによって時間差がある。
個人的に考えてみると、一番早いのは商品先物の世界。
次がFXの世界。
そして最後が株式の世界。
これは各業界のレベルの違いと言う訳ではなかろう。
扱う対象の違いが背景にあるような気がする。
世界最古のヘッジファンドとされるのはイギリスのマン・グループ。
1783年にフレデリックマンとエドワード・マンにより農産物を扱う商社として創業。
1784年に英国海軍とラム酒の独占的供給契約を締結。
1970年に世界最大級の商社へと発展。
先物取引などの金融関連事業に進出したのが歴史。
そういう影響も多少はあろう。
つまり初めに商品ヘッジがあったということ。
ヘッジファンドは株や債券、通貨ではなく農産物が発祥だった。
今の世の中からすると少し奇異な気がするが歴史は嘘をつかない。
商品先物の扱うものはグローバルかつワンプライスだ。
金はどこへ行っても金だし、原油も同様。
だから、逆説的になるが、どうしてもグローバルな投資環境分析が必要になる。
扱う商品の性質の問題から発生している。
つまり世界を俯瞰しシナリオを構築する必然性があったし、あるということになる。
でもFXの為替だってグローバルという意見もあろう。
しかし「円ドル」や「円ユーロ」なんて所詮ローカルカレンシーの集合体。
ローカルな部分がグローバルな商品のシナリオを頂戴している構図にも映る。
その証拠にFX関係者のコメントはスケジュール重視型。
いつ何が予定されているかにはめっぽう詳しいが「それが何を意味しているかの分析は少ない」。
そう揶揄されることもある。
所詮二番手の世界とも言える。
そして株式市場。
多くのシナリオが跋扈しているように見えるが所詮でがらしのシナリオみたいなもの。
その証拠に商品先物の世界と2週間程度の時差が生じているように思えてならない。
これも東京株式市場という超ローカルでスモールな世界だからこその状況なのだろう。
その意味では商品の世界で何が予測されているかを知ることは時間差攻撃の第一歩になろうか。
「金」が下がっていれば悲観シナリオで上昇を誘う。
「金」が上がっていれば楽観シナリオで下落を誘う。
そんな構図がもしあるとすれば、相場のリズム観測の一部となろう。
残念ながら、東京発のシナリオというのは滅多にお目にかからない。
たぶんグローバルなコモデティの世界からのシナリオの翻訳が多いように見える。
それでも世界の方向を知る上では結構重要なこと。
金や原油やましてや大豆やトウモロコシに投資する人は少ない。
それでもその相場観測が意味を持っていることに気がつくことは重要である。

相場はフツーの常識で考えるのが鉄則。
例えば消費増税について多くの市場関係者は「消費増税しなければ株安」と唱えた。
しかしフツーに考えれば、増税ならば消費意欲減退。
景気が良くなる訳はない。
あるいは「マイナス金利の深掘り」。
今日より明日の方が安くなるのであれば消費は先延ばし。
これも景気が良くなる訳がない。
それでもついこの間まで「マイナス金利の深掘り→株高」と言う市場関係者ばかり。
金利が上昇して米金融セクターは上昇したし、日銀がマイナス金利をゼロ目標の変更したら日本株は上昇。
多少専門的に言えば、今日より未来の方がモノが安いなら裁定取引の機会は逸失。
日経平均への寄与度が高い裁定取引が減少すれば当然株価は上昇しない。
だから裁定買い残が5000億円を割れたら日経平均は15000円を割れた。
2兆円でほぼ2万円まで回復した。
このフツーの原理がなかなか市場には理解されず、正解でない解が正論として横行する。
おそらくエコノミストや市場関係者というのは正解の決まったペーパーテストの勝者。
そういう問題では優秀さを発揮するのだろう。
しかし市場と言うのは結果論的正解がいくつもある場所。
マーケットは複数の解を絞り込む場所でもある。
つまり可変であり、結果が正解となるところ。
そこで時間軸を変化させながら解を絞り込む作業。
歴史が正解を出すのではなく、正解が歴史になる場所であるとも言える。
公理や定理などほとんどない場所での作業。
これはペーパーテストに抜きん出た人たちには理解不能なところもあるだろう。
だから「自分の解釈やシナリオが間違ったのではなくマーケットが間違った」なんていう解釈も登場する。
他人のシナリオに右顧左眄する無意味さはココにあるのかも知れない。
この誘蛾灯に振り回されないようにするのは結構至難の業となる。
そんな場所で通用するのはあくまでも自分のシナリオ。
投資家さん自身のシナリオだ。
「二本の足で地球に立ってますか?」。
ゴルフだけに通用する助言ではなかろう。
加えれば・・・。
執念と感性というのも必要かも知れない。

以下は今朝の場況。

「今日は下げたが明日は上げるみたいなリズム」

週明けのNYダウは27ドル安の19799ドルと反落。
一時19732ドルまで売られる場面もあった。
「就任式は通過したもののトランプ新政権の今後の方向性が見通しづらい」という解釈が聞かれる。
もっとも引けにかけては下げ渋っており、政権移行と景気・業績の綱引きの格好。
TPP離脱署名や米国外への工場移転に対する課税強化など保護主義への懸念はある。
しかしその実現性と影響については推理しがたいという心理だろう。
クアルコムやマクドナルドが下落するなかでNASDAQも小幅反落。
VIX(恐怖)指数は上昇したとはいえまだ11.88という低水準で落ち着いている。
1896年以降の大統領選挙以降就任日までの政権移行中のNYダウの推移。
トランプ大統領は7.26%上昇。
フーバー大統領の21.85%に次いで2位だという。
逆に高値からの最大下落率はマイナス1.2%で最少。
2009年のオバマ大統領就任の際はマイナス21.5%だった。
これを「スムーズな移行」と見るか。
「まだ調整の余地」と見るかで相場観が分かれているというのが現状。
大統領の暴走をスタッフが補佐し、大統領への不信を企業業績と景気が下支えるという構図。
ハネムーン期間を過ぎてもこの狐狸の動きは続くに違いない。
とすれば朝のNY動向に一喜一憂しないことが肝要。
「今日は下げたが明日は上げる」みたいなリズムと今は考えるべきだ。

「下値限定的と読む」

4日ぶりに反落した日経平均株価。
米トランプ新政権に対するデフォルメされたような懸念が渦巻いたという形で大引けにかけて下落幅を拡大した。
それでも新高値銘柄57は個別株しっかりの印象。
マザーズ指数や4日続伸のジャスダック指数の動向とあいまって個別思考の相場という印象は強い。
しかも225のミツミ除外・大塚HD参入のリバランスの影響も否定できないところがある。
225先物終値は大証日中比25円安の18895円。
大証夜間取引終値18860円よりは戻した格好。
気になるのはドル円の112円台となる。
もっとも株価という現象面ではややネガマインドながら日経朝刊は結構明るい見出しのパレード。
「電子部品5四半期ぶり受注増」。
「銀行団、東芝へ融資継続へ」。
「1月月例報告。国内景気、判断据え置き」。
「粗鋼生産、足元では回復基調」。
「安川電、今期上方修正」。
「トランプリスクは好機、米金利3%で日本株買い」。
「都心5区オフィスビル37%が賃料引き上げ」。
極めつけは「カブ(蕪)が高い」。
SQ以降SQ値(19182円)に対しては1勝5敗だから大きな期待は難しいかも知れない。
しかし騰落レシオは91.55まで低下。
25日線からかい離はマイナス2%だから下げてもせいぜいあと2%程度。
あるいは225のPER16倍割れ(18592円)程度。
空売り比率は上昇したとはいえ39.3%。
下値限定的な値動きと読みたい。
今年の水曜日は3連勝。
明日は勝手雲の黒いねじれとの綱引きだがその先に期待だろう。
(櫻井)。

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トランプより決算

iwamoto |2017/01/23 7:40 am

「我々は職を取り戻す。国境を取り戻す。富を取り戻す。そして、夢を取り戻す…」。
トランプ新大統領の就任演説は、(事柄の性質上当然のこととはいえ、警戒された不規則発言は出なかったものの、経済政策に具体的な言及がなく、マーケットからは失望感も漏れるようなものだったようです。20日のダウ工業株30種平均は午前中100ドルを超すプラスと練っていたものの、昼に就任演説が行われた直後、一瞬崩れるような場面がありました。それでも、結局は、前日比94.85ドル高。6日ぶり反発のご祝儀相場です。

 就任演説には手掛かりはなかったものの、ホワイトハウスのHPには6分野にわたる政策が掲げられました。「エネルギーの外需依存からの脱却」「外交政策は力による平和構築が基本」「雇用の創出、経済成長の促進」「軍事的優位性の確立」「国民の安全確保に向けた法の確立」「米国第一の通商政策」−。さらに具体的な政策は今月末の一般教書、2月の予算教書の中で、ということになりますが、その日程もどうやら霧の中。そもそも閣僚の議会承認が遅れ気味ですから、相場的にはなかなか前に進みにくい日々が続きそうです。

 新大統領の就任式に関心が向いているうちに、こちらでは決算発表シーズンに入ってきました。先週は東京製鉄が16年4〜12月期の決算発表を行っていましたが、本日23日に安川電機、24日に日本電産、25日=富士通ゼネラル、航空電子、26日=日立金属、富士電機、ファナック、日立国際、小糸製作所、H2Oリテ、エムスリー、27日=ハウス食品HD,信越化学、大日本住友、日立ハイテク、三井住友FG、NTTドコモ…と、週末にかけて主要企業の発表が急増する予定です。

 昨年11月以降の為替の円安がどう反映されるか。通期の業績見通しを増額修正する企業がどのくらい現れるか。それによっては日本株に独自の相場ダイナミズムが備わってくるでしょう。先週20日の昨年来高値更新銘柄をみると、ファナックを筆頭に、三菱電機、富士電機、安川電機、日本電産、オムロン、横河電機、オークマ、東芝機械、荏原、日本ゼオン、SUMCO、三菱重工、商船三井…など主力グループに属するような銘柄が続々と値ごろを替えてきていました。業績買いの動きが始まっているのでしょう。(イワモト)

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要人発言

r.matsushita |2017/01/20 8:01 am

 大統領選挙勝利後初のトランプ氏の記者会見が肩透かし気味の内容で、しかも「日本も名指しで非難」ということで、円高・日本株安という反応を見せたものの、すぐに立ち直って日経平均は1万9千円台回復となって一安心というところです。

 昨年前半の大幅下落は外国人売りによる需給悪がもたらした一時的な理解に苦しむ相場、その後の回復は日本の国力からすれば当然で、年末にかけては「トランプラリー」の恩恵も受けた、しかし、そのラリーも一段落、という局面でしょうから、当分の間は、日経平均1万9千円プラスマイナス500円くらいの範囲内の動きであれば何の不足もない、という状況なのでしょう。

 これから各企業の10-12月期決算の結果が出て来ます。円高で苦しめられたという局面からは脱していますから、そこそこいい数字が出て来るのではないかと予想されます。株価にネガティブなことにはならないのでは、と思います。

 トランプ氏については、ドイツには言及しないのかな、とか、ドル高にも無関心なのかな、と思っていたのですが、そんなことはなくて、やはりBMWを非難し、ドル高も行き過ぎれば問題、といった発言をして、個人的にはある種安心しました。

 それにしましても、今週はいつもよりも「要人発言」に注目させられた週でした。

・メイ英首相の「単一市場からの離脱方針」会見:いいとこ取りのブレグジットはあり得ないのでしょうから、メイ首相が単一市場から離脱、と明確な方針を述べたのは当然だったのでしょう。で、市場の反応は?と言いますと、事前の想定通りだったのでしょうか、一時的にポンド安はあったものの、日本株にはほとんど影響しなかったようです。昨年の国民投票時には日本株への予想外の大きな影響で驚いたのですが、外国人売りが縮小している今となれば、ブレグジットはどうころんでも日本株にはもうあまり影響しなくなったのでしょう。ただ、英国とEUという観点からは、スコットランドが英国から離脱する恐れも出て来たということでけっこう大変かもしれませんね。

・イエレン発言:影響力は、日本株と円ドル相場に対しては、イエレン氏の方がやはりメイ首相より大きかったように思いました。今後も継続的に利上げ方針、という発言だったと市場は見たようで、円安・ドル高方向に市場を動かしたようです。結果、日本株には上昇方向の力となった、ということのようです。FRBは別にトランプ氏の配下ではありませんので、金融政策は独自に実行するのでしょうが、トランプ氏が積極財政政策を取るとしますと、一方でFRBが金利を引き上げて行けば、ドル高になる公算大です。トランプ氏が過度のドル高を警戒するとしますと、大統領とFRBの関係はどうなるのだろう?といった感じは持ちました。

・ドラギ発言:とりあえずドラギ発言は「ハト派寄り」ということで、ユーロ売り・ドル買いの方向に相場を動かしたようです。ドル高は円安ですから、日本株高にやや貢献したという図式でしょうか。

 で、いよいよ今夜、真打のトランプ大統領就任演説、ということになるわけですが、報道によれば演説は20分ほど、ということのようで、案外相場にはほとんど影響しなかった、となるかもしれませんね。

 しかしながら、就任初日にいくつかの明確な決定(大統領令の形?)を出す、と言って来ているわけですから、株式相場・為替相場に大きな影響を及ぼす演説になるかもしれませんので最大限の注目をしておくことにしましょう。

平成29年1月20日 金曜日
証券アナリスト
松下律

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日米の個人投資家の歴史(過去を振り返って)

k.nakajima |2017/01/19 8:20 am

取引所再開後の昭和25年、日本の個人株主数は400万人前後と言われています。  同時期のアメリカは1250万人です。  日本はその後の高度成長と共に個人株主数は急増し、昭和38年には1800万人まで膨らみます。 所謂第一次証券ブームの時代です。 その後昭和40年の証券不況の影響もあり、個人株主数は1500〜2000万人の間を往来し続けるのですが、1985年のバブルの始まりから急増、バブル崩壊後も順調に拡大し2016年3月では4944万人まで一貫して拡大しています。  ただこの個人株主数は複数銘柄保有する個人を重複して計算しているため、実際の個人株主数は1700万人程度との見方もあります。

一方アメリカですが、1970年(昭和45年)に3000万人まで株主数が増加するものの、機関投資家現象が顕著になり個人株主は阻害されることになります。 1980年まで株主数が3000万人を大きく超える事は有りませんでした。 1971年にはナスダックの創設、手数料の自由化など株式市場への支援策があったにもかかわらず、NYダウは1965年―1982年の間600ドル〜1000ドルの往来相場を続けます。 所謂「株式の死」と呼ばれる時代です。 ベトナム戦争の後遺症、市場の法人化現象など個人をないがしろにしたツケを一貫して払う事になります。 その間に個人の金融資産に占める株式の比重は60年代の30%から15%まで低下しています。

1981年のレーガン大統領の登場、それに続く税の簡素化、売買益課税の相次ぐ減税などを通じ株式市場は息を吹きかえします。 其れと共に株主数は1990年には5000万人まで拡大、更に長期保有に対する優遇策、確定拠出型年金「401Kプラン」導入が大きな追い風になりました。 2000年にはITブームの流れにも乗り8000万人の大台を越えます。  こうした一連の流れは現在の日本にも極めて示唆に富んでいます 「脱法人化現象」「預金に偏重している個人金融資産の流動化=金融庁の基本政策」「2600万人が対象になる個人型の確定拠出年金 (IDECO)の導入」などが急がれているからです。 しかし此れだけでは個人が市場回帰するには不充分です。 1990年代にアメリカで個人株主が急増したのは、最終的に個人が企業の成長に確信を持ったからだと言われています。 アメリカ企業のROE(自己資本利益率)は1991年の10%から2000年には23%まで上昇しています。 これこそが今の日本企業に必要な個人投資家対策であり、最大のポイントと確信しています。
(中嶋)

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「課題先進国」にこそ新ビジネスが育つ

k.suzuki |2017/01/18 7:58 am

一年で最も寒いこの時期は、一年で最も夜明けが美しい季節でもあります。週に一度、始発電車に乗ってオフィスに向かう本日、夜明けの燭光を浴びることができました。それだけで「よし、今日もいっちょうやってやろう」という気分になります。単純なものです。

年が改まって企業からは例年、様々な新しい活動が活発に表明される時期ですが、今年は様子が違います。主に新聞紙面を通じて毎日の企業からのニュースフローを追いかけているのですが、今年はここまで具体的な企業の動きがあまり出てきません。やはり米国のトランプ新政権の出方をうかがっているのでしょう。それも仕方がありません。

1兆ドルの公共投資が投じられるとしても、理性的でまともな経営者であれば、向こう半年間はひとまず何もしないで様子を見ることに徹するのは無理からぬところです。長年取り組んできたTPPも環境規制も関税率も、あらゆるルールがゼロベースから見直されるとなれば、経営者としてはほとんど身動きが取れません。米国市場が世界最大のマーケットであることは今も昔も揺るぎない絶対の事実ですが、その入り口やアクセスが変わる可能性があります。

一時のドル高・円安も過ぎ去り、ユーフォリアの時期はひとまず消え去りました。あとには冷厳なビジネスマンの突きつける現実が残るだけです。足元には米国の好調な経済がしっかり存在しており、特段の信用リスクが高まっているわけでもないので、株式市場をはじめとするマーケット全体が大崩れすることはないでしょうが、当面は手控えムードが強まりそうな雲行きです。ただしそれは昨年の米国利上げから始まっていることです。

代わって浮上するのが日本の内需セクターです。中でも新しいサービスを提供する、新興市場の中・小型企業の分野です。老朽インフラ、耐震強化、電線地中化、膨張する社会保障費、働き手不足、介護士・保育士不足、年金財源など、先進国の中でも社会の抱える課題・問題の多い日本は「課題先進国」と呼ばれています。どれも難問ばかりですが、それらの課題をひとつずつ解決するたびに新しいマーケットの芽が出現します。

社会の不便や不満、困難はそのままニーズに直結します。「課題先進国・ニッポン」にこそ新ビジネスが育ちます。課題先進国は着想次第では、新しいマーケットが満載されたブルーオーシャンのサンクチュアリということにならないでしょうか。小型株物色に拍車がかかる所以です。
(スズカズ)

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「準備」

e.sakurai |2017/01/17 7:07 am

15日からスタートしたTBS日曜9時の東芝日曜劇場。
昨年の今頃は「下町ロケット」が話題でした。
今回はキムタク主演の「A LIFE〜愛しき人」。
宣伝文句は「ヒューマンラブストーリー」。
「愛、欲望、友情、嫉妬、プライドが渦巻く中、
ただ職人外科医として、決して諦めることなく、
不器用ながら一途に患者と向き合う
彼の生き様は、病院で働く人々に問いかけていく。
本当の医療とは何なのか・・・」。
あらすじはともかくとして第1回で記憶に残った心臓外科医の主人公の言葉。
「オペは準備を完璧にやってから臨む。
どんな方法で、どんなタイミングで、そしてあらゆるリスクを想定しておく。
オペはその結果で粛々と臨むだけ。
だから怖くはない」。
オペと言うのは主人公の仕事。
でも投資や株屋の世界でもこれは通用する筈。
準備もせずに株価に揺り動かされて衝動的な商いをするから「怖い」。
「どんな理由で。
どんなシナリオで。
そしてどんなリスクがあるのか」。
これを突き詰めないから「怖い」。
あらゆることを想定してから実行するのが株式投資だしトレード。
この原点を忘れて、右往左往するから「怖い」。
寝食を忘れる必要はないでしょうが、考え抜けるだけ考え抜くこと。
できれば頭の中だけでなく、手・口・耳・目を使って枝葉に分かれるシナリオを頭に叩き込むこと。
これは相当重要でしょう。
「想定の範囲」なんて軽い言葉でない本当の「想定」の多くは無駄になります。
でも捨てるシナリオだった時には生きることもアリ。
その結果の閃きであれば許容できるでしょう。
結果のシーンばかりを追いかけるから相場を見間違えるのかも知れません。
主人公の名前が「櫻井」というTBS金曜9時の「下剋上受験」よりは役に立つドラマでした。
火曜9時フジの草薙さん主演の「嘘の戦争」も結構面白いですが・・・。


今週はダヴォス会議。
スイスの高級スキーリゾート地で17日〜20日に開催されます。
世界経済フォーラム年次総会のこと。
参加者は約3000名。
世界の大手多国籍企業や指導者、経済人、メディア関係者、セレブが出席する予定。
今年は中国の習近平国家主席が中国の国家主席として初めて出席する予定。
世界の0.1%の超富裕層「グローバル・エリート」のための会議とも言われます。
議論のテーマは「俊敏で責任あるリーダーシップ」。
「中心となるのは既存の政治、社会経済システムに反対する民衆への対応策」とも。
米国のトランプ次期大統領の参加はない予定。
これは最終日と就任式が重なるという理由かも知れません。
ただ元ゴードマン・サックスのゲーリー・コーン次期米国家経済会議委員長は出席予定。
またオバマ政権からバイデン副大統領とケリー国務長官が出席予定。
一方過去7回出席したドイツのメルケル首相は欠席予定。
一つ大きな話題はおそらく「世界初の国際ブロックチェーン事業団体(GBBC)」でしょうか。
「幅広い容量と強力な基盤をもった組織が誕生することで、
より広範囲な普及活動が広がると期待」という声が聞かれる。
先週末のフィンテック関連の堅調さはここに由来しているのかも知れません。
もうひとつこの手の集会で興味深いのは「ビルダーバーグ会議」。
1954年に第1回がオランダのビルダーバーグ・ホテルで開催されました。
こちらは完全非公開。
万全な警備で関係者以外は入れない仕組み。
だから結構遠隔地で開催されるようです。
昨年開催されたホテルは標高1300メートルのチロリアン・アルプス。
ホテルの立ち入り禁止区域を設定。
潜入者は50 0ユーロの罰金または2週間の実刑が課されるとされます。
昨年議題になったものの一つは「キャシュレス化社会の実現の可能性」。
あるはAI・サイバーセキュリティなども。
意外なところにマーケットテーマはありそうです。

今朝のささやかな場況

NY市場は休場。
ロンドンFT100株価指数は15日ぶりの反落。
上海総合株価指数は5日続落。
225先物大証夜間取引は日中比10円安の19050円。
週末の上昇を打ち消す下落となった昨日。
ドル円の113円台を嫌気したとの解釈。
もっともブレグジットへの再認識やトランプ大統領の資質に対する懸念の再燃など外部材料に反応したともいえる。
NY休場を控えて東証1部の売買代金は2兆円割れ。
課題は昨日の安値19061円を割りこむかどうか。
その下に控える大納会安値18991円は絶対的死命線とも言えるだろう。
外部材料と企業決算の綱引きでどちらに軍配が上がるかが今後数週間の課題となる。
期待薄ながら上ではSQ値19182円の奪還が最大使命。
落ち着いている日経VIは19.06。
騒ぎ出した空売り比率は41%台。
この綱引きも継続しようか。
今日からダヴォスで繰り広げられる饗宴。
登場するブロックチェーンやAIの議題などに関連した材料で踊って幕間をつなぐ展開なのかも知れない。

《兜町ポエム》

「株の声」

株の声が聞きたくて
買いの音に耳澄ませ
売りの声が知りたくて
板の声を探してる

買えないそう思うほどに
買いたいが大きくなっていく
板の呟き出来値の囁き
株の声のように感じるんだ

目を閉じれば聞こえてくる
株のコロコロした行方
買いを出せば届きそうで今日も願ってる
株の声に乗せて

株の声が聞きたくて
買いの音に耳澄ませ
売りの声が知りたくて
株の声を探してる
「株ちゃん」

たとえ僕がおじいさんになっても
ここで売り買いしてる
株だけを想って

買いの声よ未来の声よ
売りの声よ明日の声よ
板の声よ出来値の声よ
株の声を乗せて行け
「届くといいね」

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期待外れ、ご用心

iwamoto |2017/01/16 7:45 am

 アイ・ハブ・ア・ドリーム…。米国では1月第3月曜日がキング牧師生誕祭。公民権運動に尽力し、1968年に暗殺されたマーティン・ルーサー・キング牧師の功績をたたえる日。この日、米国の取引所はお休みです。

そのキング牧師と公民権運動をともにした民主党のジョン・ルイス議員がロシアによるサイバー攻撃を理由に「トランプ氏は正当な大統領とは認められない」として20日の大統領就任式への欠席を表明しているとか。報道によると、少なくともとも10人の民主党議員が就任式に出席しない模様です。大規模な反対デモも計画されているようで、この日はかなりの混乱、波乱の幕開けとなることも警戒されます。

8年前のオバマ大統領の就任時には180万人と過去最多の人々が集まったそうです。あの、米国では初となる黒人大統領による就任式、私たちにも熱い感動を与えてくれました。今回の第45代大統領の就任式当日の人出はせいぜい90万人とか。国論の、価値観の、そして人種の「分断」が色濃く出る就任式となるかもしれません。

 今週号の「バロンズ」誌には、大統領選から就任、その後のパフォーマンスについて、面白い分析がありました。
 トランプ“大統領”の当選日から先週末までのダウ工業株のパフォーマンスは8.5%。これは19世紀後半以降に選出された大統領では2番目に高い記録だそうです。

 それを上回るのが第31代フーバー大統領で、「我々は貧困に対する最終的勝利に近づいている」と演説した1929年3月4日の就任式までにダウが21.8%上昇したものの、年末にかけて20.8%下落し、結局は大恐慌に突入。逆に、金融危機のなか、就任式までのパフォーマンスが17.4%マイナスと最悪だったオバマ大統領は2009年年末までに31.1%上昇(そして、ダウ過去最高値で政権移譲)…事前の期待があまり高いと、後が怖い、ということのようです。

 20日には、わが国でも通常国会が召集され、安倍首相の施政方針演説が行われます。このほど行われたメディアの調査によると、安倍内閣の支持率が61%と、13年11月以来の水準まで上昇したとか。ところが、その支持の理由は「安倍首相が頑張っている」といった随分と漠然とした要因のようです。いったい何を頑張っているのやら…空回りではないかと気になります。

 その他、17日に英国・メイ首相のEU離脱に関する演説、18日、19日にイエレン議長の講演会、19日にドラギ総裁記者会見。政治がらみのイベントが盛りだくさんの週となりそうです。(イワモト)

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保合圏

r.matsushita |2017/01/13 8:14 am

 昨年11月の米大統領選後の上昇相場(トランプ相場)で日経平均が3000円強上昇したわけですが、ようやくと言いますか、そろそろ高値圏での保ち合い局面に入った、というところなのでしょう。

 トランプ期待の振り子が反対側に今度は振れるという恐れがありますし、昨年の年初からの急落相場の記憶が残っていますので、ここから大幅に下げるのではないか、とちょっと怖い気もしますが、新興市場・中小型株が堅調ですし、おおむね1万9千円台の保ち合い圏入り(日経平均1万9千円割れとなれば、けっこう買いが入るだろう)となるのではないかという気がします。

 一昨日11日(日本時間では12日の早朝)に行われたトランプ次期大統領の記者会見は、日本株と円ドル相場を大きく変動させるかもしれない、ということで大きな注目イベントでしたが、現実にも相場を大きく変動させる結果となりました。(日本時間明け方近くでの変動でした。)

 記者会見で特に日本批判はなかったのですが、日本という名前は出てきましたし、アメリカファーストの貿易政策を貫くということで(ドル高をどこまでも容認するといったスタンスではなさそうだ、と)円高⇒日本株(先物)安、という反応になったのでしょう。

 トランプ次期大統領の政策によって日本株相場が決定的ダメージを受けるといったことは想定されませんが、今年大発会までのトランプ上昇相場(の少なくとも初期段階)は終了、といった感じですね。

 しかし、繰り返しながら、先週のブログでも書いたように、新興市場株、中小型株に買い(おそらくは個人中心の)が入っているらしいというのは心強いことです。

 日銀の金融政策頼みの上昇相場(アベノミクス上昇相場の第1波)の中心が大型株だったとして、あるいは、昨年末にかけてのトランプ相場による上昇が売り叩かれていた日本の大型優良株の値戻し中心だったとして、これからやって来る上昇相場をアベノミクス上昇相場の第2波、と期待するのであれば、1倍割れのPBRが1倍近辺にまで修正高、といった相場ではなく、将来の企業利益を期待してPBRが2倍、3倍、4倍と買われる銘柄が出て来る(それが行き過ぎれば株価バブルです)、といった相場を見たいものです。

 さいわいなことに、今3月期の企業業績は(最終利益で見れば)増益のようですし、来期についても、トランプ新大統領がドル高を警戒しようがしまいが、雇用増加のために積極財政政策を取って、同時に、金融政策はどちらかと言えば引き締め方向、というのであれば、基本的には円安方向にベクトルは向くはずですから、急激な円高によって日本企業が利益面で決定的ダメージを受ける恐れは小さそうです。来期の日本企業の業績は増益見込みになるのではないかと思います。

 企業業績の拡大を背景に、いわゆる業績相場となる可能性はけっこう強いのではないかと思われます。(そのためにも、安倍政権が要請している賃上げが今年ある程度以上の規模になることを期待したいところです。)

平成29年1月13日 金曜日
証券アナリスト
松下律

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