Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

連騰の後

松下 律

2020/11/20 08:20

D5718516 997a 49b1 b8ed 3b901c12c91b castphoto15 matsushita
落ち着きを取り戻す

 今週の後半は、日経225先物の空売り筋の買戻しによる疾風怒濤の上昇がようやく落ち着きを取り戻したと言えるように思います。


 ワクチンの実用化が見えて来たことで、日経225で見て相場水準が1000円~1500円くらい上方にシフトした感がありますが、毎日大幅連騰というのはある程度の日数が経てば終わるというのがふつうの動きでしょう。


 今後数週間の相場想定として、今年5月中旬から6月上旬の急騰後をなぞらえる向きが増えて来るのではないか、という気がしています。


 新型コロナの新規感染者数が急増しているのが大いに気になるところです。経済活動へのマイナスの影響は避けられないわけで、せっかくの各種の政策(GoToなど)の効果が消えてしまわないかと懸念する市場参加者が増えるのが心配です。


 私は、テレビのいろいろな番組の中で、6月から実用に供されている接触確認アプリの普及促進の動きが見られないことを奇妙に感じているのですが、各種のイベントでは同アプリのインストールを参加者に要求するなどもあって、それなりに普及してはいると思うのですが、新聞の報じるところによれば普及率はまだ15%ほどとのことで、いささか残念な気がします。


 話は変わりますが、私は日豪首脳会談に注目しました。日本を訪問した豪首相は帰国後2週間隔離生活を送るとのことです。2週間の隔離というコストを支払ってもこの時期に日本との間で「対中国」のメッセージを出しておくことが重要だ、と豪は現時点で思っている、ということでしょう。


 それだけ今後の東アジア情勢は懸念含みだということです。米バイデン政権が対中国政策をどんな形で遂行して来るか、まだ分かりませんが、最悪の場合対中融和政策が出て来る可能性もあるのでしょう。


 わが国が特に中国に対して敵対する必要はありませんが、わが国の安全と自由な経済っ活動を守るために豪あるいは東南アジアの国々と緊密に連携して行くことがきわめて重要だという認識は持っておくべきだろうという気がします。


この3週間の動き

 株式相場が少し落ち着きを取り戻したようですので、この時点で過去3週間の相場の動きを振り返っておくのが有意義だという気になっています。


 10月末から今週月、火曜日までの高値示現までのいくつかの指標の騰落を見てみます。

・日経500 2355円 ⇒ 2570円 ∔9.1%

・日経225 22977円 ⇒ 26014円 ∔13.2%

・マザーズ指数 1171ポイント ⇒ 1231ポイント ∔5.1%

・円ドルレート 104円64銭 ⇒ 104円05銭 若干の円高

・DJIA 26501ドル ⇒ 29950ドル ∔5.1%

・ナスダック指数 10911ポイント ⇒ 11899ポイント ∔9.1%


 すでに多くの市場関係者からコメントされていることですが、この3週間の株式相場では日経225の上昇が際立っています。


 この動きを受けて、今後の相場展望として以下の観点で見ておきたいと思います。


・この間の上昇でバブル相場がピークを付けてしまったと思うべきなのか?


 こうした見方をする経済評論家が少なからず出て来ています。実務的な対応としてどう認識しておくべき局面なのか?


 私は個人的には、今回のパンデミック・バブルはまだ膨張の途上にあると考えています。ワクチンの登場が間近ですから、これまでよりもバブル相場の進捗が進行したことは確かでしょうが、まだ崩壊を口にするところではないであろう、という感触です。


・この間の相場上昇のように、ごく一部少数の銘柄だけが大きく買われて跛行色の強い展開がこれからも続くと思うべきなのか?


 先物の空売り筋の買戻しによって相場が急騰した、という事情があったと想像されるわけですが、今後のパンデミック・バブル相場の進行において、こうした傾向が続くとは言えないのではないか、と思います。


 空売り筋の買戻しはある程度進行すれば相場への影響が相対的に小さくなるでしょうし、市場ではいずれにしても次々に新しい材料が出て来るでしょうから、同じシナリオで相場が動き続けることもなかろう、とそんな気がしています。


2020年11月20日

証券アナリスト

松下律