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異例の上昇相場

松下 律

2020/11/27 08:20

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ワクチン・スパイク

 去年も売り方の買戻し主導で日経平均は8月から12月にかけて4000円規模で上昇しましたし、こういった相場急騰はままあること、というところなのでしょうが、今年の11月の相場上昇は相当際立ったものだったでしょう。


 日本株で言えば海外勢の先物売りの買戻し、主に国内勢のベア型ETFのポジションにからむ先物の買戻し等々、需給要因が強く影響したというのも特徴だったと思います。


 日本のみならず、欧米株式市場でも同じような現象が見られましたから、想像するところに多様な売りポジションを取っていた市場参加者が多かった、ということだったようです。


 日経平均で見ますと、夏場までの23500円プラスマイナス、といった水準からおおむね3000円規模で上方にシフトしている感じです。ファイザーとモデルナとアストラゼネカのワクチンでそれぞれ1000円ずつ、合計3000円ほど上方シフトに貢献した計算でしょうか。


 売り方の買戻しはまだ終わっていないようですから、12月になったら急落といった相場想定はするとしたら危険かもしれませんが、売り方の買戻しがかなり進展したという認識はしておくべきかもしれません。


 年末に向けていわゆる税金対策売り、機関投資家の組み入れ比率調整(ポートフォリオ内の比率調整のための株式売り)なども想定されます。ここからの新規の買いは慎重に、というのが常識的な感覚ではないかという気がします。


バブル談義

 今月の急騰でにわかにバブルに関する論議が活発になって来たように思います。


 先週もお話しましたように、市場全体がバブル、と言うにはまだ早い、というのが私の現時点での感覚なのですが、バブル崩壊を想定する(願う?)といったトーンのコメントも増えているようです。


 日本株で見ますと、現状で予想PERはおおむね24、5倍といったところかと思います。紺今来期の企業利益の回復がどの程度かまだ分からないところですが。少なくとも3割程度の回復軌道はじゅうぶん見込めるでしょう。


 としますと、少し将来を見た予想PERは15倍とか18倍という計算になります。市場平均の予想PERが20倍以下で、この低金利下のバブル崩壊はあるまい、という感じがします。


 少し話が飛ぶのですが、1995年にはニック・リーソン事件というのがありました。2008年にはジェローム・ケルビエル事件などというのもありました。市場参加者の大損に起因する銀行の破たん、といった事件はけっこう起きるものです。そうした事件をきっかけに株式相場が急落する、といったことは時として起こることです。


 今回の上昇相場はほぼ間違いなく大掛かりなバブル相場です。バブルがピークを迎えるまでにそうした事件が起きる可能性はけっこう強い気がしますが、それが完全なバブル崩壊に結び付くことはないのでは、という気もします。


 株価バブルはけっきょく個別銘柄のバブルの積み重ねで進行します。個別銘柄を見て、バブル化した、と思える銘柄については新規の買いを控える、といった注意を払いながら付き合って行けば、バブル相場もそれほど怖いことはない、と私は思います。(個別銘柄で見ますと、ほとんど無重力状態のようになった株価も見られます。)


2020年11月27日

証券アナリスト

松下律