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ブログ:Onevoice

ドナルド・トランプ氏が去って行った

鈴木 一之

2021/01/26 07:41

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米国では大統領就任式が波乱なく執り行われ、バイデン政権が正式にスタートしました。初日からさっそく大統領令を15本発動して、前政権の採用した政策の一部をひっくり返しました。米国ではそれが簡単に実現します。

それは4年間のトランプ政権が完全に終わったことを意味します。どちらに重きを置いて見るか。光り輝くバイデン新政権にスポットを当てるか、去り行くトランプ政権の軌跡を見るか。心情として去り行くものの郷愁を見てしまいます。

私はトランプ氏が好きでもきらいでもありません。この点において自分はできる限り中立の立場にいると考えているのですが、その前提で述べてみます。

メキシコとの国境の壁、パリ協定からの脱退、TPPからの脱退、イラン核合意の破棄、NATOの軽視、G7の軽視、エルサレムへの首都移転の容認、外交問題におけるトランプ政権の功罪は数えきれないほどです。国内でも人種間の分断は一段と進みました。コロナ危機は完全に無視しました。

功罪の「功」を挙げるのはむずかしいのですが、マーケット関係者の一員としてトランプ政権下で実現した株式市場の圧倒的な好パフォーマンスは忘れることはできません。

空前の規模に達する減税によって企業収益を押し上げ、それが株価を直接的に押し上げました。「トランプノミクス」と言えるものがあるとすればそれだけです。恫喝に近いプレッシャーをFRBに与えて金融緩和を後押ししたことでしょうか。対中国との貿易紛争は株式市場を怯えさせました。

昨年暮れ、大みそかの日にNYダウ工業株は1年間の最高値で引けました。これこそ去り行くトランプ氏の置き土産です。バイデン新政権はこの水準を超えることを常に要求されます。日本の現状を見てもわかるように、コロナウイルス対策に忙殺されながら経済を前に進めるのは至難の業です。

メディアとの蜜月の100日間である4月末までに、新政権はどれほど前進できるのか。あるいは後退を食い止められるのか。こちらもできるだけ中立的な立場で見守ってゆきたいと思います。
(スズカズ)