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その求職・就職先は?

中嶋 健吉

2021/02/18 07:56

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求職活動の本番を迎え、学生にとっての企業選びは頭の痛い問題です。最大の関心事の給与、厚生制度などの情報はネット、先輩諸氏などから収集可能ですがその会社の成長性の判断はどうでしょうか?

就職情報会社の調査によると、就活に入った2022年卒業予定の学生に最も人気のある業種は第一位に「情報・インターネットサービス」。第二位は「情報処理・ソフトウェアー・ゲームソフト」になっています。 ビッグ・データー、AI、IOT、5G、6G等、確かに直感的に大きな可能性と成長を予感させる言葉が並びます。 しかしこうした斬新な言葉も、普及してしまえば身の回りの何処にでもある単なる道具になり、それ以降は新規参入者とのコスト競争が待ち受ける厳しい時代を覚悟する必要があります。

私個人の話になります。1970年に山一証券に入社しました。外語大学卒なのでよく、何故商社じゃないの?と聞かれたものです。縁があったとしか言えませんが、そのあたりの顛末はいずれ。就職に絡み思い出すことが有ります。
就職課長が面白い企業があると、教えてくれたのが警備保障会社でした。小さい企業ながら将来の成長にかけ、大卒を初めて求人しているとの事です。丁度その当時TVでは、「ザ・ガードマン」という番組が人気を博しており、要人警護には身を挺してもと叫んでいたものです。知識としてはその程度しかなく、外語大への求人も外国要人の警護スタッフを探しているのかと思い、身を挺する気持ちはないと、結局面接も受けませんでした。後から聞いた話では、将来の幹部候補生として、企画立案等、内勤の人材を探していたとの事でした。この会社はその後上場を果たし、日本を代表する警備保障会社になっているのです。警備保障業務が今のように多岐にわたるとは、その当時想像した人がいたでしょうか?

戦後直ぐの時代、学生に一番人気があった業種は砂糖。石炭業界と聞いています。世間が必要とする品目を提供していたからで、旧帝国大卒の精鋭が多く入社しています。しかしブームも長くは続きませんでした。

高校時代の親友は京都の有名国立大学の機械科を卒業、大手商社に入社、造船機械部門に配属されました。造船は当時日本を代表する主力産業で、さすが彼だと喜んだものです。しかしその後の流れはご存じの通りです。彼はその部門で頑張りましたが、商社としての本流ではありませんでした。山一の金融法人時代、生保業界の運用者と幅広く付き合いました。その運用者に造船業界の転職組が多いのに驚いた記憶があります。当時はバブル崩壊後の厳しい時代で証券業界にも冷たい風が吹いていました。そうした話をしたところ、その転職組の部長から「厳しいとは20万人近い就業者が、ほんの数万人になることだ」と叱責され、大いに反省したものです。

結局就活は、一見華やかに見える今様の業種に目を奪われずに、何をしたいかを基準に選ぶべきなのでしょう。じっくりと実力を養い、来るべき時代の変化を予感できる想像力をつけるべきでしょう。私の時代と違い、転職は自由な時代です。このコーナーでも指摘した様に、ジョブ型雇用も定着しつつあります。
良い時代の到来です。
(中嶋)