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ウォレン・バフェット氏と日本

中嶋 健吉

2021/04/08 07:30

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4月6日の日経新聞は、バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ社が3度目になる円建て社債の発行を準備していると報道しています。償期期限は5年から20年まで4本に分かれ、総額数千億円規模になるとの事です。
1回目は2019年9月の4300億円、2回目は2020年4月に1955億円と総額6255億円の発行になります。償還期限は3年から40年まで多岐にわたり、表面利率もそれぞれ0.17%~0.9%になります。

2020年8月31日、バフェット氏の日本の商社株への投資が明らかになります。
伊藤忠発行株数の5%になる2170億円、三菱商事の5%1880憶円、三井物産5%1650億円、住友商事5%870憶円、丸紅5.1%560億円と推定総額で7130億円になる巨額投資です。円建て社債で調達した6255億円が使われたことは間違いありません。その当時の商社株の平均配当利回りは、およそ4.4%ですので、1%以下で調達した資金では、価格変動を考えなければ充分に利回りでの裁定が働き、スプレッドを取ることができます。確かにその当時の商社株は安値圏に低迷しており、上がらないまでも下落リスクも限定的と見られていました。

バークシャー社は所謂、投資ファンドであり分散型長期投資で追随を許さない成果を挙げてきました。高速通信関連、EV、脱炭素、デジタル化などテーマに応じ、人気銘柄なら集中的にとんでもない高値まで買い進む今の市場にバフェット氏が懸念を持っても不思議ではありません。

日本の商社は2000年頃までは物流の仲介から挙がる手数料をその収益源に2000年以降は多岐にわたり有望企業、産業を発掘、そこへの直接投資でエクイティ・ポートフォリオを作り上げ、そこから得られる利益、配当、売却益等を収益の柱にします。高格付けの商社はその信用力で物流、情報ネットワークに人、金、モノを幅広く配置し、独自のポートフォリオを作り上げています。
このビジネスモデルはバークシャー社そのものであり、バフェット氏の長期投資に叶うものなのでしょう。バフェット氏は商社株に9.9%まで出資し「日本の未来に参加する」と意味深な言葉を添えています。一極集中のビジネスモデルから、日本の得意とする多様性のあるビジネスへ、そこに日本の将来のモデルを発見、評価したのなら嬉しいのですが。
(中嶋)