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GW

松下 律

2021/04/30 08:20

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 わが国は明日からGWの連休です。連休中に相場が大きく動くということもあるのかもしれません。


 今週は日銀金融政策決定会合、FOMCが開催されたわけですが、いずれも予想通りで特に金融当局の動きが材料になるといったことはありませんでした。


 連休明けの5月14日までの週は決算プレーの局面と見ることができます。銘柄によって発表される決算数字の株価への影響はまちまちですが、日米ともに(日本の方が大きいと思いますが)好決算ながら株価はネガティブな反応、といったことが多いように見受けられます。


 発表された数字が市場の期待に届かなかった(例えば、アナリストのコンセンサス予想を下回ったとか)から株価が売られたといった解釈も可能でしょうが、それよりも、過去1年ほどの間に株価が大きく上がっていて、利食いの勢力がかなり強いといった事情を背景とする反応なのでしょう。


 連休前ですし、いくつか頭に浮かぶことを書いておきたいと思います。


 このところ、穀物価格、木材価格、住宅価格の上昇を伝えるニュースが目立ちます。トウモロコシの価格が短期間で2倍、とか、木材は何倍、とか、かなり大きな動きです。


 米国ではリアル経済の浮揚が著しいですし、中国経済はすでにコロナ前を超えていますので、そうした影響を受けて需給がひっ迫しているのでしょう。こうしたニュースを聞いていますと、わが国経済がデフレっぽい動き、などというのが信じられない思いですが、昔のわが国で、卸売物価指数は安定、消費者物価指数は上昇、といったことがいろいろ話題になっていたことを思い出したりします。


 日米欧の経済はまだコロナ前の状態を取り戻していませんので、そういう段階で例えば不動産価格が上昇⇒金利引き上げ圧力、などとなった場合、株価にどう影響するのか、考えさせられるところです。


 カナダ中銀はテーパリングにすでに舵を切ったわけですし、間違いなくこれからいろいろな脱金融緩和のニュースが出て来るに違いありません。


 バブルと言いますと、昨年目立ったバブルは、テスラ株、IPO株、暗号資産、などだった、と言うことができるでしょう。3年くらい前ですと、GAFAMとかFANGといった銘柄の株価がバブルか、といった議論があったようですが、今はそういう見方は少数派になったようです。


 テスラ株、暗号資産、IPO銘柄、などのバブル(ではなく、フロス?)、これらが崩壊現象を示す可能性については考えておく方がよさそうではあります。


株式運用の工夫

 株式市場における市場参加者は実に多様です。このことは実は株式運用において役に立つヒントを与えることだ、と私は思います。


 いろいろな相場コメントやニュース、材料に対して、投資や投機をする個人の市場参加者として混乱することなく運用を続けるための工夫に対するヒント、という意味です。


 具体的に、以下のような運用の工夫をしてみるとしましょう。


・自分の株式運用のための口座を別々の証券会社で二つ(あるいはそれ以上)用意する。


・二つのうち、一つは「投資口座」と位置付ける。


・もう一つは、「投機口座(トレーディングなど用の口座)」と位置付ける。


 投資口座における運用は概略以下のような方針とする。


1. 株式投資は個別銘柄の現物株のみで信用取引は使わない。基本はバイ・アンド・ホールド、投資期間は数年以上を想定。


2. レバレッジは掛けない。


3. 投資対象の投資価値に焦点を当てて長期的に高い投資リターンを追求する。ゼロコスト資産、高配当利回り銘柄のポートフォリオ達成を目指す。


 一方、投機における運用は概略以下のような方針とする。


1. トレーディング対象は、個別株、指数先物などのデリバティブ、ETF、など何でもOK。買いポジションのみならず売りポジションも持つ。


2. レバレッジを活用する。


3. 決められた額の証拠金(元手)を使って、信用取引、証拠金取引を行い、現物取引は行わない。


4. 会計期間を1年と定めて、その間証拠金を増額したり減額したりしない。


5. ポジション額、損切などに関する自分の納得の行くトレーディングルールを定めて運用を実行する。


 つまり、多様な市場参加者のうちの典型的な二つのグループである、「投資信託や年金ファンドのような投資家」と、「投機筋」の行動を自分の二つの口座で実行してみよう、という工夫です。


 私は、こうした工夫から得られるものは大きいと考えていますので、番組放送の中でそうしたメリットについても話したいと思います。投資口座で買うべき銘柄がなかなか見つからない、とすれば、相場が数年単位で見て高値圏にあるのだな、と実感できますし、短期トレーディングで買った銘柄を塩漬けする、などという失敗も減るでしょう。また、昨年のコロナショック時のような大暴落の時、投資口座の銘柄を叩き売る、などということにもならずに済むかもしれませんし、その時投機口座でならうまくショートポジションを使って利益をあげられたかもしれません。投資という行動と投機という行動を明確に区別するいい工夫になるでしょう。


2021年4月30日

証券アナリスト

松下律