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「シンギュラリティ」を見てみたいものです

鈴木 一之

2021/06/08 07:29

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人はそれぞれ、様々な物ごとを定点観測に使っています。意識するとしないとにかかわらず、何かあるものを定期的に見ては自分の行動の指針や指標としています。

けさの出来事です。早朝の5時台に東京駅の近くに到着する、地方発の深夜高速バスから乗客がたくさん降りてきました。誰もが2~3泊用のキャスター付き旅行バッグを転がしていました。

これほどの数のお客さんを見かけるのは1年ぶりです。旅行予約サイトでは秋以降の予約数がかなり入っているとも聞きます。オリンピックの混雑を避けてのことなのでしょう。疑いの余地なく経済活動は戻っています。それを痛感しました。

戻ってくるものもあれば、戻ってこないものもあります。この1年で使用頻度が急減した用語に「シンギュラリティ」があります。人工知能が高度に発達しすぎて、人間の知能を超えてしまう状態です。

映画「ターミネーター」の世界がすぐそこに待ち構えていると、コロナ前にはずいぶん議論されたものでした。しかしコロナ危機を経て、それまでの人工知能ブームは急に冷え込んだと見られます。

もともとのブームが異常なまでに過熱していたということもあります。生身の人間にとって本当の危機は、人工知能やロボットの無機的な存在によってもたらされるのではなく、ウイルスのように遺伝子や細胞に直接作用する有機的なものの方が重大で、こわいという意識が広まったためなのかもしれません。

ブームはひとまず去りましたが、人工知能の存在や可能性がまったく消えたわけではありません。本物の技術革新はブームが去ったあとにやってきます。気がついたら社会のあちこちに人工知能ネットワークが張り巡らされていることでしょう。侮るわけにはまいりません。「シンギュラリティ」の世界を見てみたい気もします。
(スズカズ)