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ブログ:Onevoice

日本売り?

松下 律

2021/07/01 23:27

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悪い円安

 月末安アノマリー、日銀短観、米雇用の動向、に注目の集まった週だったと思います。もちろん底流には米国発のインフレ、コロナ感染の拡大などがありますが、月末安アノマリーは規模は小さかったもののその通り、日銀短観は非製造業景況の回復が光明、といったところのようです。


 米雇用は月初の統計数字が今日の夜発表になります。数字の予想よりもその反応に注目するわけですが、あまり市場には影響しないのではないかという気もします。良いにせよ悪いにせよもう市場は飽きてきているように思うからです。


 日本株は月末安アノマリーがあったものの、どちらかと言えば動きに乏しいという感じでした。そうした中で円ドル相場はかなりの円安に振れたように思います。すわ悪い円安、日本売り、と言われそうな動きではあります。


 日本株だけでなく、アジア株が全般に振るわないのはやはり市場が中国経済の動向に懸念を持って見ているからなのかも知れません。

日本株は売り崩せると思っている向きからすれば、このところの日本株の下げ程度ではとても満足が行かないだろうと思いますが、米国株は日替わりで各指数史上最高値を更新している状況で日本株を売り崩すというのは簡単ではないのでしょう。


 ボラティリティ(VI)の水準を見ますとしばらくはこのまま動意のない展開が続いて夏枯れ状態になるのかな、と思ったりもします。


 一方で、どこかでVIが急騰するような場面(つまりは急落局面、ということになるのでしょう)が到来するかもしれない、という気もします。


 数週間スパンでそうした変動に賭ける価値があるのかどうか、そのあたりの見極めをしておく価値はありそうです。


より強く損失を意識すべきは?

 投資と投機は分けて考える方がいい、そのための工夫として投資用の口座と投機用の口座を分けて管理すると便利、ということをいつも申し上げているわけですが、なるほどそれはいい工夫だ、と思ってそのようにしている人がいるとしまして、その人に向かって「投資用の口座と投機用の口座と、どちらの口座の評価損が気になりますか?」と聞いたとしましょう。


 さて、どんな応答があるか、興味深い気がしているのです。


 私の結論を先に言ってしまいますと、どちらも気になるでしょうし、どちらが気になるか、という問題でもないのかもしれませんが、評価損を気にすべきという意味では、投機用の口座の方がはるかに重要です。


 投資用の口座の場合、極端な話、評価損などまったく意に介さない、という対応でも別に問題ないかもしれない、とすら私は思います。


 とくに長期投資であれば、結論が出るのは先の先ですから、途中の評価損など気にしないということも言えるでしょうから。


 一方で投機口座においては刻々の評価損を気にかけることが極めて重要です。評価益が出ている状況であれば、それを実現益に変えることができるわけですが、評価損は実現すれば実現損になってしまって、次にはそれを取り戻す算段を考えなければならなくなります。

投機では実現益を積み重ねて行くことを目指すわけですから、評価損になったら何らかの対策を考えなければならないというのが筋なのです。(結論は簡単で、損切するかどうか?ということですが。)


 利食いと損切を繰り返してある期間経過後に利益を残すというのが投機というものでしょうから、ポジションの評価損益は常に見ておかなければならない道理です。


2021年7月2日

証券アナリスト

松下律