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ブログ:Onevoice

K字の中のまたK字

松下 律

2021/07/16 08:20

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 コロナショック後の回復がK字と言われてそのとおりだったのですが、ようやく小売りなどのK字の下向きの線が上向き始めた、ようです。しかし、緊急事態宣言下でさすがに飲食業界は不調で、K字回復の中でさらにK字回復の爬行現象が生じているとのことです。いずれにしても今はワクチン接種の進展を待つ局面のようです。


今週も?

 先週は金曜日の前場までけっこう売りに押されて、金曜日の後場から今週前半に盛り返したという展開でした。日経平均2万8千円台半ばまで値を戻して買い方も一安心というところだったでしょう。


 今週末に向けては同じようなことは起きまい、と思ったのですが、今週も同じような感じになるのかもしれません。値幅は大したことはないのですが、日本株を売る勢力はけっこう強いようです。


 コロナの感染者増加が顕著ですし、政府に対する風当たりが強くてこのままだと秋の総選挙の結果がどうなるか分からないといった観測もあるのでしょう。


 せっかくの大イベント(のはずだった)東京オリンピックも、


東日本大震災からの復興を世界に示すオリンピック → コロナに打ち勝ったオリンピック → コロナと闘うオリンピック、


と下方修正されてしまい、何とも気合の入らないことになってしまいました。


 5月SQ前の日経平均2000円下落、7月SQに向けても大きな下落、といったことがありましたから、8月のSQに向けてどこかで大幅下落を期待、といったムードもあるのかもしれません。


 米国株が強い(経済の回復、企業業績の好転等で)ので、日本株だけが暴落といったことはなかなか考えられないのですが、米国でもインフレ率の上昇という暗雲は消えていませんし、FRBのテーパリングへの懸念、それに時々蒸し返される米債務上限問題(米国会における与野党のバトル)、なども出て来ました。


 何かことが起きて、と言いますか、何かを祭り上げて、米国株の急落があれば、日経平均はNYダウの2倍下げるかもしれない、と期待する向きがいるのかもしれないな、などと思ったりもします。


 とは言え、日本でもワクチン接種は急速に進んでいますし、株価が下がると買いを入れてやろうとする市場参加者がかなりの規模で居そうだな、という感じもします。


 それやこれやで、結局ここからしばらくはレンジ内の相場なのかな、といったところでしょうか。


日経スリー銘柄を見ておきましょう・・

 今年の初めくらいまで、日経平均の上昇を支えて来たのは一握りの日経平均採用銘柄群で、日銀が日経平均型のETFを買い続けていたとしたら、言わば日銀ETF買いバブルがもっと膨れ上がっていたかもしれません。


日銀買い → 一部の銘柄の需給の異常なひっ迫 → 投機筋の思惑買い → 株価バブル膨張


というプロセスがさらに進行していたかも知れなかったからです。


 実際には日銀は(賢明にも)今年の4月以降日経平均型のETF買いをやらない旨の発表を4月以前に行って、実際そのように行動しましたので、需給ひっ迫を期待した投機筋は梯子を外された形です。


 日経平均を構成する一部の銘柄がバブル状態になっていたか、バブル状態になるかも知れなかったというのは本当のところだったと思います。


 さて、そうした銘柄の今現在の株価の状態はどうか?どう見るべきか?


 代表的な日経平均銘柄である、ファーストリテイリング9984、東京エレクトロン8035、ソフトバンクG9984、の3銘柄について株価の推移を振り返ってみたいと思います。


銘柄名   コード番号    15日終値    PER    PBR    ROE

ファストリ  9983       79600円    51倍    8.0倍    15.6%

東エレク   8035      46250円    22倍    7.2倍    32.7%

ソフトG    9984      7534円           2.9倍    1.3倍    51.8%


 全体として、日銀ETFバブルが沈静化している、と見ることができそうな気がします。ファストリについては、昨日発表の業績下方修正がどの程度株価に影響するか大いに注目ですが・・


2021年7月16日

証券アナリスト

松下律