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ジャクソンホール待ち

松下 律

2021/08/27 08:20

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 今週は月火と反発したものの、その後は「ジャクソンホール待ち」となってしまったようです。


 ジャクソンホールで何か新しいことが出て来ると思っている市場参加者は少ないと思いますし、終わってしまえば「何を期待していたのか?あるいは懸念していたのか?」すら忘れてしまうのでしょうが、イベントとしての重みはそれなりにあるということなのでしょう。


騰落の振り返り

 先週は日本ではトヨタ・ショックがありました。(8月19日木曜日後場、株価の反応としては翌20日が当面の安値。)


 トヨタ・ショックで下落した多くの銘柄はまだショック前の株価水準を取り戻していません。単にトヨタの減産という出来事だけでなく、米国経済の回復ペースの鈍化(米製造業のスローダウン)、とか、中国経済と共産党政府の政策への懸念、地政学リスクの高まり、とか、デルタ株の蔓延、とか、いろいろ懸念材料があっての下落だったからでしょう。(それにしては、米ナスダックはノー天気にも史上最高値示現となっていますが。)


 先週金曜日お終値から昨日までの各指数の騰落を振り返ってみます。


・日経平均       27013円 ⇒ 27742円 +2.7%


・日経500        2675ポイント ⇒ 2750ポイント +2.8%


・ジャスダック指数   3841ポイント ⇒ 3934ポイント +2.4%


・マザーズ指数     1034ポイント ⇒ 1095ポイント +5.9%


・DJIA         35120ドル ⇒ 35213ドル +0.3%


・ナスダック指数    14714ポイント ⇒ 14945ポイント +1.6%


・円ドル相場      109円80銭 ⇒ 109円89銭 やや円安気味


 7月以降負け組感の強かったマザーズがけっこうな勢いで反転上昇したかのように見えたこと、日米で見れば日本株が少し相対的に勢いを取り戻したのかもしれない、と思えること、米国では、大型株より小型株(ハイテク株)い勢いが見られること、などが観察されると思います。


 マザーズについて言えば、2月高値の期日明けという面があったのかもしれません。米国でナスダックが相対的に強いのは長期金利の下落傾向が反映しているのかもしれません。ただ、依然として高値警戒感の強い米国株相場という見方はできそうです。


イベント⇒株価へのインパクト、を考えてみる

 好材料が出たのに株価は下落、とか、好業績を発表したとたんに株価反落、といったことはよくあることです。逆に、悪材料の反応として株価反発とか、悪材料発表でも株価上昇、といったこともよくあります。


 相場の世界では「知ったら仕舞い」とか、「材料出尽くし」といった便利な言葉があって、意外な相場の反応を説明する、と言いますか丸め込むとか言いくるめる、といった雰囲気のところがあります。


 株価はいずれにしましても「誰かの売買の結果」として形成されるものですから、その誰か、を意識して次のように考えてみます。


・売買の主体を「投資家」と「投機筋」のふたつに分ける。


・それら二つの売買行動を「売り」と「買い」に分ける。


 そうしますと、売りと買いは、だいたい以下のようになりそうで、それぞれの「株価へのインパクトの大小」も含めて見てみると以下のようなパターンになると思います。


1.投資家の「仕込み買い」 ⇒ 株価へのインパクト「小」(投資家はできるだけ安値で株を買いたいでしょうから、こっそり買うでしょう、少なくとも初めは。)


2.投資家の「利食い売り」 ⇒ 株価へのインパクト「中程度」(投資家はそっと利食い売りしたいでしょうが、買いが少ないとなれば、思い切って利食い売りすることもあるでしょうから。)


3.投資家の「投げ」 ⇒ 株価へのインパクト「」(ポジションを無くそう、となれば、思い切り投げ売りするでしょうから。)


4.投機筋の「買い」 ⇒ 株価へのインパクト「」(株が欲しいのではなく、株価が欲しい、という場合が多いでしょうから。)


5.投機筋の「売り」①買いポジションの利食いの場合 ⇒ 株価へのインパクト「中程度」


6.投機筋の「売り」②買いポジションの投げの場合 ⇒ 株価へのインパクト「」(とにかく売ってポジションを解消しなければならないでしょうから。)


7.投機筋の「空売り」 ⇒ 株価へのインパクト「」(売り崩しを狙って空売りするのでしょうから。)


 こうして見ますと、投資家が利食い売りする、ということを考えますと、好業績発表時に彼らが利食い売りするとすれば、株価の下落に合点が行くかもしれません。


 唐突ですが、私は株価のテクニカル・チャートの中で最もポピュラーなのは、MACDではないかと思っています。


 株価へのインパクトが大きいのはいずれにしましても「投機筋の売買」ということが分かる訳ですが、そうだとしますと、過去●●日の移動平均=投機的なポジションの「コスト」と見て、そのポジションの持ち主がどういう売買行動を取りそうか?を思い描くのに移動平均線が役に立つに違いない、という発想からしますと、MACDに注目する人が多いというのは理解できる気がします。


2021年8月27日

証券アナリスト

松下律