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逆ねじを食わされた売り方

松下 律

2021/09/10 08:20

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SQ後の動きに注目

 今日は9月のSQ値算出日です。海外の株式市場は落ち着いているようですし、日経平均は3万円の攻防ということになるのでしょう。SQ値が決まった後の流れに注目します。


 以前のように日経平均を一部の銘柄の上昇が引っ張るという動きは鳴りを潜めた感があります。売り続けられたソフトバンクG株が急反発するといったこともありますが、じりじりと着実に上値を指向するように見える三菱商事株のようなものもあります。


 三菱商事と言えば今週水曜日に新聞報道で国内再エネ網でアマゾンと組むと伝えられて注目を集めたということもありそうですが、昨年秋からの株価上昇は基本的には同社株の割安に目を付けた投資家の買いが継続的に入っていたから、という理由によるのだろうと思います。(バークシャーハサウェイが同社を含む日本の総合商社株を買ったということも以前話題になりました。)


 三菱商事株を見れば、予想PERが13倍、PBR0.9倍、配当利回り4%弱、時価総額は営業キャッシュフローの5倍程度、という株価ですから、現時点の株価も割安の部類でしょう。買っている投資家からすれば、三菱商事株が数年以内に7000円水準に到達しても驚かない、といった感覚でいる人たちも多いのだろうな、と思わせます。


 日銀のETF買い ⇒ 主要数銘柄の株価上昇 ⇒ 投機的な資金による買い上がり ⇒ 日経平均の上昇、といったプロセスはなくなりましたので、日経平均が上がるとすれば物色対象が広範囲に選ばれながら買われて行く、ということになろうかと思います。(そういう意味では、日経平均の上昇とトピックスの上昇と、あるいは日経500の上昇と、いずれもが同じようになって行く、ということなのかもしれません。


逆ねじを食わされた売り方

 日本株は売り崩せる、と思って売りポジションを積み上げていた売り方にとっては大慌ての1週間だった、ということになるのでしょう。


 売り方のポジションの積み上がりを見てどこかで相場は逆転するのではないか、と思っていた買い方がいたとすればまさにしてやったりで、売り方は見事に逆ねじを食わされた、というところでしょう。


 日経500、日経平均、ジャスダック、マザーズ、DJIA、ナスダックの6つの指数の相対チャートをみっつの期間で見てみようということで用意したのですが、


1.去年末を100とした相対チャート


2.今年7月末を100とした相対チャート


3.今年8月末を100とした相対チャート


を見比べて見ますと、1.では日米の株価が見事にワニの口状態ですが、この1か月ほどは逆に日本株の方が上昇という形でワニの口状態になっています。ようやく日本株の出遅れが解消しつつある、という見方もできるのかもしれません。


 一方で米国株の上値が何となく重くなっているように見えるのは気になるところです。


 毎年秋になりますと私はブログのネタとして「マークトゥエインが言ったところによれば、株式投資にとって10月はもっとも危険な月だ。」というのを使うのですが、秋の株価暴落アノマリー、などというのもありそうで、米国株が一時的にゴルディロックス状態から離脱 ⇒ 世界的に株価調整 ⇒ 日本株も同様、といったことを念頭に置いて進むべき局面になるのかもしれません。


2021年9月10日

証券アナリスト

松下律