Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

宣言解除

小川 真由美

2021/10/01 11:40

2379c98d 4650 41e6 8520 bb1cd0384cd1 castphoto24 ogawa2
日経夕刊の小説『ワンダーランド急行』を楽しみに読んでいる
と以前にも書いた気がしますが、
ある朝、つい出来心でいつもの通勤電車と違う方向の電車に乗って会社をさぼり、
トンネルをくぐって抜けたらそこは全く常識の違う別世界だった。
という現代の奇異小説。
元の世界に戻ろうと意を決してもう一度トンネルをくぐってみたら、
今度は奥さんさえも違う人になっていた・・・。
昔付き合っていた彼女と結婚。オレは彼女と生きる人生を選んだのか。
久しぶりに出社した会社も全く違う勢力構図に。
仕事の内容も全く覚えていない、いや自分の世界の常識とは全く変わっていて
記憶喪失扱いされるし、そんな周囲に合わせて忘れたフリをするしかない。
さあ、主人公はこの先どうなるのか。どうするのか。

緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が今日の深夜零時から一斉解除になって、
私の住む東京都でも、時間と店と人数に制限はあるものの
お店でお酒が飲めるようになりました。

え?家の外で飲んでもいいの?

もう30年近く“大人をやってます”が、
たった1年半のうちに常識の軸が分からなくなりました。
県境をまたいで実家に帰ってもいいの?
家族に会いに行っても後ろ指さされないの?
友達とお酒飲みに行ってもいいの?
カラオケ?ああ、懐かしい響き。
そもそも宣言や措置の対象区域外では、ずっとこんな自由があったんだっけ?

なんだかね、ホントによく分からなくなっちゃったんです。
そもそも9月30日と10月1日では何が違うんだろうか。
もちろん今まで通り細心の注意を払って生活するけれども、
会社の備品を使う度にアルコール消毒したりしなくて済む日は、
アクリル板やマスクで人と人とを区切らなくていい日は、
いつかやって来るんだろうか。

例えは全く悪いですが、
ずっと綱で繋がれていた生き物が放たれた時、
自由にどこへでも行けるはずなのに、なんだか習性でその場に居留まってしまう気分。

そろりそろり
最初の一歩はどうやって踏み出そうか。
夜の街で待望の生ビールを、友人たちと飲みたい気持ちと
(※1テーブル4人以内。酒類提供20時まで。21時閉店。)
外に出るのがまだちょっと怖い気持ち。
制限付きの自由を謳歌したい“花金”ですが、
首都圏は風雨が強まっています。
ここはひとつ冷静に。
昨日までと同じようにおとなしく家に帰って一晩考えることにします。