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CEOの報酬

中嶋 健吉

2018/12/06 08:06

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日産ゴーン会長の報酬問題に次いで、官民ファンド「産業革新投資機構 JIC」経営陣の高額報酬がマスコミを賑わしています。 ゴーン問題はその額もさることながら、法的な正当性が問われている訳ですが、JICは純粋にその金額そのものが問題視されています。 マスコミ報道によれば、社長の田中氏以下4人にそれぞれ5500万円、最大で1億円を支払うというものです。国の資金を使う組織ということで、官僚トップの事務次官給与(約2300万円)、日銀総裁(約3500万円)が比較の対象として示され、高すぎるとの根拠になっているようです。


田中氏は元三菱UFJフィナンシャル副社長、その他のメンバーも高い専門性とキャリアを誇り自らも投資ファンドに関わった人材です。提示された金額ですら、今までの彼らの報酬を下回っている可能性があります。なぜこの様に日本ではCEOの報酬が議論の対象になるのか、丁度この問題に関し、2012年6月27日当ブログに投稿した自分なりの考えを改めて以下に示します。


2012年6月27日

年棒格差


日産カルロス・ゴーン社長の年俸が10億円の大台にあと一歩に迫り、マスコミに大きく取り上げられています。当然日本の社長の中では断トツの最高額の年棒です。彼の年棒は就任時から既に群を抜いており、その額が正当かどうか、常にマスコミに話題を提供してきました。一般的に日本の社長の年棒は新入社員の約10倍前後、それに比較して欧米では100倍の格差は当たり前、金額にして数10億円の年棒も珍しくありません。アメリカでは公的資金の助けを受け業績を回復させたCEOが、数10億円の)年棒を手にしたことから、非難を浴びていますがこれなどは例外でしょう。


仮に数億円であれば、日本ではとんでもない額でも、アメリカでは間違いなく受け入れられたでしょう。こうした年棒の格差は成果主義が徹底した欧米ではそれほど議論になりません。当然スポーツ、芸能の世界でも欧米の水準は極めて高いものが有りますが、一方この分野で世界的に活躍する日本のプレイヤーの年棒は当然日本よりはるかに高いのですが、全く問題になりません。こうして考えると、同じように世界的に活躍する日本の多々ある企業のCEOの年棒だけが、何故いつも議論の対象になるのか興味のあるところです。ここからは個人的な経験に基づく独断と偏見で話を進めます。


欧米は狩猟民族、日本は農耕民族であるとの見解を良く聞きます。私の理解は、動き回り、直観的な防衛本能を持つ動物を捕獲するには、それなりの経験、知恵を集約し動物を捕獲する仕掛けが必要です。その仕掛けの善し悪しで彼らの生活が決まるわけですから、当然獲物が沢山取れる仕掛けを作れる指導者の下に人は集まります。その仕掛を作った指導者は当然の権利として、獲物の一番美味しいところを腹いっぱい食べ、そして残りを配下の者に配ります。残りものでも、その指導者につかなければ食料にありつけないわけですから、指導者の取り分に文句を付ける配下は殆どいません。欧米の企業では部門長が代わると、その配下もその部門長についていく事が良くあります。多分こうした発想が有るからでしょう。一方日本の農耕民族的文化に関しては、目上の人間の経験と知識を尊重しつつも、後は天候と、人的な労働の多寡が収穫を決めます、従って収穫の配分に大きな格差は付け難く、又それを認めない社会風土も長い歴史の中で作られた可能性は否定出来ません。従って日本的価値観で欧米との年棒格差を論じても多分議論がかみ合わない可能性が有ります。


(中嶋)