Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)

中嶋 健吉

2019/02/07 07:59

63bb8f1f bbe1 4cb5 b2c9 d949c0883e6a castphoto14 nakajima

6日の日経新聞株式欄の「市場点描」でその巨大さゆえに、クジラと呼ばれるGPIFを話題として取り上げています。 2018年第3四半期(10-12月)の運用で、過去最大の▼14.8兆円の損失を計上したと伝えています。 GPIFは国民から年金の運用をプロとして請け負っている為、運用成績が良ければ当然とみなされ さして話題にもなりませんが、悪い場合は批判的に大きく取り上げられる宿命にあります。


GPIFが運用を開始したのは2001年からです。 2017年度末までの17年間の累積収益は63.4兆円、累積収益率は年平均3.12%を誇っていました。 この収益率はその間の長期債券の利回りのみならず、物価、賃金の上昇率を大きく上回っており、非難されるものではありません。 その結果、年度末の資産総額は155.5兆円まで拡大しています。


2018年第3四半期に大きな損失を計上したため、総資産は150.6兆円まで減少していますが、それも累積収益は56.6兆円、年平均収益率は2.73%を維持しており、此れも非難される運用成果ではありません。 日経の記事によると、株価の下落、それによる株式の組み入れ比率が24.1%に低下しており 基準の25%まで引き上げると1兆4000億円の買い余力があると試算しています。 依然として市場の注目を集める大きな存在で有る事に変わりはありません。


それでいながらGPIFの運用が悪い場合「年金が貰えない」、「年金の崩壊」ETC と報道されます。 何か大きな誤解がありそうです。  日本の年金は現役世代が老齢世代を支える「世代間扶養」が原則です。 つまり年金給付の財源は現役世代の保険料と国庫負担で全体の9割を賄っているのです。 GPIFは僅か1割程度の貢献に過ぎません。 ちなみに2017年の年金給付総額は約55兆円と巨額なものですが、その1割程度がGPIFに委ねられているに過ぎません。 一部マスコミはネガティブの材料を針小棒大に報じる傾向がありますが、そうした報道には距離を置きたいものです。   


注:第一生命経済研究所 藤代エコノミストのコメントを参考にしています。