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足踏み状態の中で起きていること

松下 律

2019/02/08 08:30

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 昨夜のアメリカ株式相場は、NYダウが220ドル下落、ナスダック指数は86ポイント下落、日経平均先物の時間外取引は230円安となっています。久しぶりにまとまった下落を見せたという感じで、今日以降の日本株相場の見方について何か重要な変化が起きそうかどうか注目です。


今年ここまでの上昇率

 日経平均、マザーズ指数、NYダウ、ナスダック指数の今年ここまでの上昇率を見てみます。


日経平均    20014円 → 20751円 +3.7%

マザーズ指数  812ポイント → 870ポイント +7.1% 

NYダウ     23327ドル → 25390ドル +8.8%

ナスダック指数 6635ポイント → 7375ポイント ∔11.2%


 マザーズ指数は、サンバイオ株暴落の影響を受ける前は950ポイント位まで上昇していましたから、その時点で計算すると20%くらいの上昇率で、昨年末にかけての下落をかなり取り戻していました。サンバイオ株の影響を考えればそこそこの上昇率を今年は示している、と言えそうです。


 日経平均とNYダウ、ナスダック指数を比べますと明らかに上昇率において見劣りがします。今年ここまでで、円ドルレートはあまり水準を変えていませんので、円ドルレートの影響を受けたことはあまりなさそうです。


 おそらく日米の差は、彼我の金融政策の違い、(市場参加者の認識における)中国経済への依存度の差、企業業績の差(単にいい悪いではなく、米国は12月決算が多いので、株式市場は今はもう今年以降の企業業績を見ているのに対して、日本は3月決算が多いので、今年度の業績の悪さが気に掛かる、といったこともあるのだろうと思います。)


 それから、日米の株式市場参加者のリスク・プレミアムの差、需給の差(日本は高齢者の株売り、私はそれを「終活売り」と呼んでいるのですが、継続的な売りが需給悪を助長しているように思われます。)


 それから・・といろいろ書いてもそれほど役立つわけではなく、要するに日本の株価の戻りは何かの要因で鈍くなってしまっており、その傾向はしばらくは続きそうだ、ということなのでしょう。


 すでに、日経平均とNYダウの「開き」は4000ポイントを超えるまでになっていて情けない限りです。NYダウは今年1月、かつてない規模で株価が反騰しており、そろそろ反落局面が来ても不思議はない、という状況に近づきつつあるかもしれません。今年の上げ幅は2500ドル位、近いうちに1000ドル位反落することもあるかもしれません。米株相場が反落するのと日本株がその前に追いつくのとどちらが早いか競争、といった感じになっているのかも知れず、何ともイライラする相場推移です。


前向きな動き

 指数が戻らないのは気がかりですが、現時点までの相場でいろいろと前向きな動きも見られるように思います。銘柄によっては業績の悪い数字が発表されても株価があまり下がらないといった現象もそうですし、明確なテーマ物色、なども起きています。 


・テーマ探し

 5G関連銘柄物色は鮮明になって来たようです。(例、NEC、アンリツ、ブロードバンドタワーなど。)


・自社株買い銘柄の株価上昇

 昨日のソフトバンクGが典型でしょう。おそらく、PBRが1倍を下回っている銘柄が、強気の事業計画と大規模な自社株買いを発表すれば、株価は急騰するだろうと思います。(そういうアナウンスがこれから数か月の間に多く出て来ることを期待したいものです。)


・景気敏感株の堅調

 東京エレクトロン、ファナックなどが典型でしょう。すでに株価が今次の業績悪化を織り込んでしまい、ほとんどの市場参加者はここからは「良いニュース」を待っている状態になっている可能性がある、ということでしょう。(この逆で、任天堂とかソニーのような例もありますが。)


先行き

 向こう数か月は相場はぱっとしないかもしれないが先行きはそんなに悲観的ではない、今年後半には株価顕著に回復するだろう、というのが大方の見方ではないかと思うのですが、そうでない見方もあるようです。


 もっとも「ベア」な見方は、おそらく「バブル崩壊相場が出現する」、ちょうどリーマン・ショックのような・・というものでしょう。そのバブル崩壊として中国経済の崩壊を指摘するのがその中でももっとも悲観的なものでしょうか。バブル崩壊→グローバル経済危機、というシナリオです。


 そこまで行かなくても、あるいは今年の後半は株高になるとしても、今年前半に日経平均1万6千円レベルへの下落があるかも、といった「ベア」シナリオもあるようです。


 私自身は(相場を扱う上の作業仮説として)どう見ているか?について番組の中でお話しようと思います。


2019年2月8日

証券アナリスト

松下律