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春になると…

岩本 秀雄

2019/03/11 08:27

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 「『最長景気』に乱気流」-。けさの日経新聞、1面トップは景気の先行きに対する不透明感が増しているという記事でした。「乱気流」というのは中国や欧州など海外経済が減速していることがわが国の景気にも影響を与えかねない、との見立てです。
先週、1月景気動向指数が3カ月連続で下降し、現状判断が下方修正されたことから、国内景気の現状に警戒感が台頭するようになってきました。ただ、翌日発表された2月の景気ウォッチャー調査が3か月ぶりで改善したように、直線的な変化が起こっているわけではなく、好不調がまだら模様な状況にあるようです。特に、今回の景気ウォッチャー調査をみると、3~4月にかけての回復期待が広がっているような感じです。
銘柄発掘のヒントがあるかもしれません。各地のウォッチャーの回答をチェックしてみました。(冒頭の◎○□▲×は判断のランク(いい、少しいい、変わらない、やや悪い、悪いの順)を示しています)

まず、現状。東北地方が元気です
○東北・コンビニ(経営者)
「来客数は前年比120%と好調であり、売上を伸ばしている」
○東北・スーパー(店長)
「2月は節分関係の売上が良く、その後も全体的に売上は回復傾向にある」
◎東北・その他専門店[靴](従業員)
「気温の上昇に伴い、春物商材の動きが活発になっている」
○東北・タクシー運転手
「2月の寒波でも地元は雪の影響が少ない。暖冬が良い方向に影響しているのか、このまま春を迎えるような雰囲気であり、客の動きにも鈍さはみられていない。
○東北・金融業(広報担当)「市街地の雪解けが例年より早いため、衣料関連で春物の需要が既に顕在化している」

この、暖冬、というのはかなり大きな要因です。雪がほとんど降らなかった北陸地方でも相好を崩しながらのコメントが目を引きます。
○北陸・一般小売店[鮮魚](役員)
「既に春の旅行シーズンに入ったのかと感じるほど観光客が多い。前年の今頃は記録的な大雪に見舞われ、経済活動が停止した状態であった。今年は雪が全くなく足元も良い。春のような気候が続きJRの運休もないので、旅行者が今までになく増えているようである。卒業旅行の女子学生も親にカニなどの土産を買い、消費に貢献している」
○北陸・家電量販店(店長)
「販売量の動き・暖冬であったが、暖房強化型エアコンの高単価商品の売行きが良かった。積雪がないためエアコン工事がスムーズに進んだお陰である」

他の地域でも暖冬効果がありました。
○東海・テーマパーク職員(総務担当)
「例年2月は2万1,000人程度の入園者数であるが、今年は3万4,000人の入園者数となった。穏やかな天候に後押しされたと思われるが、入園者数の増加により収益も利益目標並みとなった」

もちろん、季節需要が落ち込むと、それをあてにしていた人たちがダメージを受けます。
▲東北・自動車備品販売店(経営者)
「今シーズンは降雪が少なく、除雪関係の業者の収入が極端に落ちている。そのため、レンタルで重機を借りている業者は、そのレンタル料金も出せない状況である」
×東北・その他専門店[食品](経営者)
「今年は雪が少なく生活するには過ごしやすいが、除雪や屋根の雪下ろしの回数が少なく、自治体からの除雪費用が前年の半分程度。そのためかは不明であるが、買い控えが一層広まっているようにみえる」
□北関東・旅行代理店(所長)
「今年は大雪の影響もなく安定した天候ではあるが、逆に雪を必要とするスキー場、山間地域でのイベントやスキー客への悪影響が大きいようである」
□甲信越・新聞販売店[広告](総務担当)
「降雪も少ないため、冬物商材の売行きは期待外れとの話を聞く。ホームセンターには融雪剤が山のように残っている。今月のチラシ出稿量は前年比91.2%と大きく減少している」

その他、単価上昇、値上げ、高額品などもキーワードになりつつあります。
○北関東・都市型ホテ(副支配人)
「室単価は回復しており、稼働率、売上共にこの10年間での最高を記録している」
□東北・一般小売店[カメラ](店長)
「高額商材の動きは好調であるが、低価格商材の動きが非常に悪い状態が続いている」
□東北・百貨店(経営者)
「百貨店の中心客層の高齢化により購買額が激減している。ボリュームゾーンは落ち込みつつも、外商を中心とした高額商材でカバーしている」
○東海・窯業・土石製品製造業(社員)
「外注先はどこも忙しく、急ぎの注文への対応が難しい。原料価格が高騰し続けているので、ほとんどの製品が値上げになっている」
○南関東・その他飲食[居酒屋](経営者)
単価の動き・当店がある町は以前よりも人通りが増えてにぎわっている。当店の客単価も上がっており、景気の良さを感じる(東京都)
○九州・都市型ホテル(スタッフ)
「ルームサービスのオーダー件数が伸びており、また、高単価のメニュー利用も多く売上が好調に推移している」

もちろん、明るいコメントばかりではありません。以下のような深刻な回答も同じくらいの数にのぼっていることも見逃せません。
□北関東・乗用車販売店(販売担当)
「前年までは日曜祝日であっても、車を見るということで多少は客が来ていたが、1~2月に入って、全くと言ってよいほど、来客数がない。販売につながる来場者が激減している。この1~2月は特にひどい」
▲北関東・商店街(代表者)
「商店街に客止まり的な施設がないためか、客足は遠のいている。景気は本当に悪く、とうとう日曜定休日の店がちらほら出てきている」
▲北関東・タクシー(役員)
「筆舌に尽くし難い」
×北関東・衣料品専門店(販売担当)
「今月に入って、極端に客の出が悪い。何と言って良いか分からないくらい悪く、「廃業も視野に」という感じである。先行きも不安で仕方ない」
▲南関東・タクシー運転手
「深夜、終電後は本当に人がいない」

その他、
この会社は上場銘柄かもしれません。
○南関東・プラスチック製品製造業(経営者)
「医療品容器の受注に大きな変化はない」

次第に動きが出ています。
○近畿・タクシー運転手
「大阪万博関連の企業、特にゼネコン各社の営業部門によるハイヤー予約が増加傾向にある」

春になると、建設工事も活発化します。
○中国・鉄鋼業(経営者)
「今月に入り春先から着工となる物件材料の見積りが増加しており、今後の需要に期待したい」

(いわもと)