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ヒトの日頃の行動を変えるのはたいへん

鈴木 一之

2019/03/13 08:01

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東日本大震災から8年が経過しました。今なお社会のあらゆるところに有形無形の傷跡が残っていると実感します。

そのひとつが夜の時間の使い方です。8年前を分岐点として、夜は仕事が終わればまっすぐに帰宅することが増えたように感じます。その後の「アベノミクス」の成果で景気が多少よくなってはいても、仕事帰りにあまり繁華街をうろうろせずに、早めに帰宅してできるだけ家族と過ごすようにしようと思うようになりました。

実際にこの数年間でも熊本、大阪、北海道で大きな地震が発生しています。この間に主要都市で大きな地震に遭遇していないのは東京と名古屋だけです。あまり考えたくはありませんが、次はこれらの地域に不測の事態が発生してもおかしくないと考えてしまいます。

そうだとすれば夜、いつまでも家を空けているわけにはまいりません。帰宅困難者の困難さは肌に刻み込まれています。男女を問わず通勤バッグにリュックサック型がブームとなっているのも、長時間の歩行にふさわしいものとしてそのあたりと無関係ではないのかなと考えてしまいます。

朝の時間帯をもっと有効に使おうという「朝活」もこの流れの延長線上にあるのでしょうか。とにかく日の高いうちにやるべきことは何でも済ませてしまうという発想です。東京オリパラまで500日を切り、主要先進国で定着している「夜活」、夜の時間の有効な生かし方を広めてゆこうという動きもあります。主旨はわからなくもありませんが、自分のこととしては少し距離があるように感じます。何をするにも生活防衛的に行動しようとする傾向が身に染みているように思います。

長期的なトレンドとして、日本は単身世帯が増えています。人口統計の資料を見ると、全世帯数に占める「夫婦と子」と「単身世帯」の割合は、1980年に「夫婦と子」が42%、「単身世帯」が20%とそこには2倍以上の開きがありました。それが2018年には「夫婦と子」が27%で「単身世帯」は35%と、はっきりと逆転したことが突きつけられます。

この逆転現象は今後もその開き具合が拡大することが予想されています。単身世帯が多いと夜、家に帰る時間が遅くなるのか。あるいは単身だからこそ早く帰るのか。人々が日頃の行動を変える理由として、賃金の伸びや残業時間の多い少ないがあげられますが、もちろんそれだけではありません。
(スズカズ)