Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

ビビリと強欲の共存

櫻井 英明

2019/05/07 07:08

Ae85a434 0528 4092 acd2 591fd4d2e3c3 castphoto11 sakurai
1989年1月9日にスタートした平成相場。
日経平均終値は前日比469円高の30678円。
その平成時代の日経平均株価の終値は22258円。
結局30年あまりの時間をかけて値幅約8000円という大きな陰線となりました。
因みに昭和の日経平均のスタートは1949年5月16日。
採用銘柄の単純平均株価176円21銭。
ということは40年かけて約3万円の大きな陽線。
この違いは大きいものになっています。
そんな平成最後の日の日経朝刊の見出しは「野村、10年ぶりの赤字。大和なども4割超減益」。
証券会社が平成時代に栄枯盛衰を迎えた歴史にふさわしい見出しでした。
「対面販売の事業モデルを改革できなかった」という解釈が登場。
平成の最初の頃には「社会人1年生の娘さんのボーナスが100万を超えて父親が嘆いた」なんて声もありました。
「ものを作らず汗を流さず、お金を右から左に動かすだけで高給を取っている」と批判されたこともありました。
そんなことは今は昔。
昭和にあったものの多くが平成にはなくなってしまいました。
「飲み会は交際費、飲み会の帰りのタクシーチケット、万札振って捕まえるタクシー、深夜残業、休日出社あたりまえ」。
高給の裏側ではそれなりに皆激務に耐えていました今では見える現象ばかりがクローズアップされます。
一方で日陰者の存在だった罫線屋さんが「チャーチスト」とか「テクニカルアナリスト」と改名。
インターネット証券の画面に写すものがなかったからチャートを出していたおかげで今ではそれなりの地位を得ました。
せいぜい財務部の御用達程度の仕事しかなかった両替商は今はFX業者として市場の中核。
間違いなく時代の変化と風景の変化でしょう。
なかなか渡りきれない鎧橋で隔たっていた人形町・蛎殻町もまもなく兜町と一緒になる気配。
まさに変遷。
結局1997年の金融ビッグバンは何だったんだろうというのが平成の歴史でした。
閉鎖的だった東京金融市場を開放し、そこで外資マネーを儲けさせただけ。
低金利で国民金融資産が伸びなくなった代償も国家や銀行を救っただけ。
シニカルに見ればそんなところでしょうか。
もしも平成を通じて金利が6%だったと仮定すると・・・。
預貯金金利だけで国民の資産は8倍になっている計算になります。

日銀黒田総裁が打ち出した新基軸。
現状は日銀が国債もETFも保有額が増大。
国債は60兆円、ETFは28兆円。
そこで出たテーマが(1)金融機関への資金供給の円滑化(2)市場機能の確保。
奇妙なのは「銀行が自己査定で正常先としている企業向け債権も担保可能」。
銀行が「大丈夫です」といえばそれを担保にするというのだからすごいこと。
コソ泥が警官を兼ねたようだ、といっては言葉は悪いですが、そんな印象です。
そしてETFを証券会社に貸出して値付けをしやすくするという方向。
ETFの最大の持ち手がそのETFを貸してマーケットメイク。
ETFの循環取引みたいな印象。
もっとも「低下した流動性を回復させよう」という趣旨は悪くありません。

「市場を動かす感情は一体何なのか」をCNNマネーが見える化したのが「恐怖と欲望指数」。
投資家は恐怖と欲望という2つの感情によって動かされるもの。
投資家が強い恐怖を感じると、株式を投げ売りして適正価格よりも過度に下回ります。
反対に投資家が欲張りになると、株価が高値でもどんどん買い上げて、適正価格よりも過度に上昇します。
それを目で見てすぐわかるようにしてあるものが「恐怖と欲望指数」
4月23日段階で「75ポイント」は「極端な欲張り状態」。
理由は・・・。
プットの売買が少なく多くの投資家は「強気」。
安全資産の米国債から株式への資金シフトが継続。
米国債に対する米株のパフォーマンスは過去2年の最高水準。
因みに先週末は60ポイント。
1年前は40ポイントでした。
リーマンショック後の2008年9月17日は「12」。
「ビビリと欲張り指数」と言っても良い指数ですがたまにチェックすると参考になるかも知れません。
とはいえ・・・。
「注意しましょう、警戒しましょう」という市場関係者の免罪符通りに持ち株を全部売れるものでしょうか。
それが出来ていたのなら、塩漬け株などないはず。
それでも株の倉庫があるということは「警戒しましょう」なんで呪文に効き目はないということ。
建前と本音は違うのは当然。
しかし「警戒しましょう」と言った人物が、強まってくると「思ったとおりに上昇です」。
というのが市場。
「警戒しましょう」は親切ではなく自分の免罪符。
下がった時に「申し上げたとおり」の常套句。
上がったときは「忘れたフリ」。
右顧左眄して儲かることは少ないもの。
逆にヘッジするくらいなら売っておけば良いとも言えます。
今回の10連休でもヘッジすることは業者を儲けさせただけのような気がします。
物事を複雑にしないほうが良いといい好例だったかもしれません。

「信用買い、10年ぶり低水準」の見出し。
東証1部の時価総額に対する信用買残の比率は4月5日時点で0.33%。
19日時点では0.35%。
2009年4月10日の0.353%以来の水準。
その後2013年6月には0.82%まで上昇したのが歴史。
「買い残の少ない銘柄は売り圧力が少ない」というのがセオリー。
だとするならば売り残は高水準、買い残はスカスカ、逆日歩オンパレードというのは悪くありません。
平成の時代に染み付いた「株は上がらない」という心理。
これを掃除するのにいい機会が訪れたのかも知れません。

「10連休の最後は大人げなく」

連休中の相場動向。

先々週末26日金曜のNY株式市場は上昇。
S&P500とNASDAQは終値ベースで過去最高値を更新。
第1四半期の実質GDP速報値が年率換算で前期比3.2%増と前期の2.2%増から加速。
市場予想の2.0%増を大幅に上回ったことを好感。
10連休前のNYダウ26543ドル。
NASDAQは8146ポイント。
S&P500は2939ポイント。
ダウ輸送株指数10881ポイント。
SOX指数1547ポイント。
シカゴ225先物22335円。

先週月曜29日のNY株式市場は小幅高。
NASDAQやS&P500が最高値を更新した。
個人消費支出は前月比0.9%増と9年半ぶりの大幅な伸びを記録。
物価は対照的に約1年ぶりの小幅な伸びにとどまるなど落ち着いた動きとなったことを好感。
3市場の売買高は58.1億株と低調。

30日火曜のNY株式市場はマチマチの動き。
NYダウとS&P500は3日続伸。
S&P500は終値ベースの史上最高値を更新した。
一方NASDAQは4日ぶりの反落。
アルファベットの低調な決算を嫌気した格好だ。
アップルの四半期決算は減収減益ながら1株利益と売上高が市場予想を上回って着地。
終値は1.9%安だったが決算発表を受け、引け後に4%超上昇。
自社株買いと増配も好感した格好。
3市場の売買高は72.2億株と増加。
月間ベースでNYダウは2.6%高、4カ月続伸(累計14.0%上昇)。
NASDAQは4.9%高、2カ月ぶり上昇。
S&P500は3.9%高、4カ月続伸(同17.5%上昇)。
中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比0.4ポイント低下し50.1。
節目となる50は2カ月連続で上回ったが2カ月ぶりの悪化。
ユーロ圏GDP速報値は前期比0.4%増で前年比1.2%増。
市場予想(前期比0.3%増、前年比1.1%増)を上回った。

5月1日水曜のNY株式市場は下落。
アップルがけん引して相場はおおむねプラス圏で推移。
S&P500は一時最高値を更新する場面もあった。
ただFOMC通過後にパウエル議長が「今年のインフレ低下は一時的な要因によるものである可能性がある」とコメント。
市場で広がっていた利下げ観測は後退。
年末の利下げ確率が低下したことを嫌気したとの解釈。I
SM製造業景気指数は52.8と3月の55.3から低下。
予想の55を下回り2016年10月以来2年半ぶりの低水準を記録した。
ADP雇用レポートで民間部門雇用者数は27万5000人増。
市場予想の18万人増を大きく上回り2018年7月以来の高い伸びとなった。
3市場の売買高は74.4億株。

5月2日木曜のNY株式市場は続落。
供給過剰懸念による原油安よるエネルギーセクターの下落が効いた格好。
「S&P500が過去最高値を付けたことから投資家は様子見」という見方もある。
年末の利下げ確率は49%で1日時点の61%から低下した。
非農業部門労働生産性は年率で前期比3.6%上昇。
2014年第3四半期以来の大幅な伸びとなった。
3月の製造業新規受注は前月比1.9%増と18年8月以来の大幅増。
ダウ輸送株指数とSOX指数は反発。
VIX指数は14.42。
    
先週末4日のNY株式市場は反発。
NYダウは200ドル近い上昇。
NASDAQは1.6%上昇し終値ベースの過去最高値を更新した。
背景は4月の雇用統計。
非農業部門の雇用者数が26万3000人増と市場予想の18万5000人増を大幅に上回って着地。
失業率は3.6%で1969年12月以来約49年ぶりの水準にまで改善した。
一方、ISM非製造業総合指数は前月比0.6 ポイント低下の55.5。
17年8月以来の低水準だった。
3市場の売買高は64.7億株と低下。
10年債利回りは2.53%。
12月の利下げ確率は約47%と低下。
ドル円は111円台前半。
VIX指数は12.87。

週末のNYダウは26504ドル(前週末26543ドル)。
NASDAQは8164ポイント(同8146ポイント)。
S&P500は2945ポイント(同2939ポイント)。
ダウ輸送株指数10958ポイント(同10881ポイント)。
SOX指数1570ポイント(同1547ポイント)。
シカゴ225先物22475円(同22335円)。

結局、NY動向を受けて「月曜高、木曜安」のリズムは変わっていなかったというのが先週末までの9連休。
しかし・・・。
余計だったのが、というかタイミングを図ったように東京市場をカナリアにしたのは週末日曜のトランプ大統領のツイート。
「2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10日から現在の10%から25%に引き上げる。
中国との通商協議は継続しているが遅すぎる。
中国側は再交渉しようとしている。
ノーだ」。
現在関税を課していない3250億ドル相当の中国製品についても、近く25%の関税を発動する考えだという。
関税引き上げの表明は大きな方向転換。
「貿易戦争が激化すれば金融市場に打撃が及ぶのはほぼ確実」という見方が台頭した。
日本では「こどもの日」の大人げないタイミングでの卑怯なツイート。
「ちゃぶ台返し」で10連休の終わりを台無しにしような格好だ。
月曜の上海総合株価指数は一時6%の下落。
人為的な株安には人為的な株高で対抗するのが現代株式市場の鉄則だろう。
「人災には天恵、潤色で対抗」だ。

以下、今朝の場況。

「下げ渋り」

週明けのNY株式は反落。
トランプ大統領が2000億ドル分の中国製品に課す関税を10%→25%に引き上げるとツイート。
朝方はNYダウの下落幅は一時470ドルを超える場面もあった。
中国外務省の担当者が「中国の交渉団は貿易協議のために米国に行く準備を進めている」とコメント。
「貿易交渉が継続され何らかの合意がなされるだろう」との期待から下落幅を縮小。
NYダウは一時28ドル安まで戻して終値66ドル安。
NYダウの下落寄与度トップはアップルで22ドルの押し下げ要因。
ナイキ、ユナイテッド・テクノロジーズ、キャタピラーなどが下落寄与度上位。
10年国債利回りは2.49%台。
ドル円は110円台後半。
VIX(恐怖)指数は3日ぶりに急反発し15.44。
ダウ輸送株指数、SOX指数は反落。
欧州株式も反落し約1か月ぶりの安値水準。



「令和スタート」

先々週末4月26日(金)の日経平均は小幅安。
寄り付き140円安、後場じり高になり大引け48円安。
日足は2日連続の陽線。
日経平均は週間では58円の上昇。
週足は2週連続陽線。
後場の上昇が効いて4週連続の上昇。
4月は週間ベースで全勝となった。
月足も陽線。
マザーズ指数、ジャスダック平均ともにプラスの週末10連休前。
「10連休を前に崩れるかもしれないという懸念は杞憂に終わった」という声が聞こえる。
阪神内燃機(6018)が引け際に上昇したのは「令和」への序章だったのかも知れない。
東証1部の売買代金は2兆5756億円。
値上がり731銘柄、値下がり1325銘柄。
新高値75銘柄、新安値77銘柄。
騰落レシオは90.19。
NT倍率は13.76倍。
25日線(21812円)からは2.0%、200日線(21884円)からは1.7%のプラスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲10.883%。買い方▲10.046%。
200日線は4月24日から上向き。
今週中にも25日線が上抜く可能性がある。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲10.547%。買い方▲16.602%。
空売り比率は44.9%で38日連続40%超。
日経HVは9.6、日経VIは16.76。
日経平均採用銘柄のPERは12.63倍でEPSは1762円。
PBRは1.13倍。
週明けのシカゴ225先物終値は大証日中比45円安の22205円。
4月最終の大証夜間取引終値は日中比100円高の22350円だった。
52週線が21968円でサポート。
24か月線が21763円、12か月線が21996円。
週足の一目均衡の雲の下限22397円がなかなか上抜けない。
上限は22710円。
月足の勝手雲の上限22247円は5か月ぶりに上抜いた。
月足のボリンジャーのプラス1σが23020円、プラス2σが24163円、プラス3σが25306円。
週足のボリンジャーのプラス1σが21963円、プラス2σが22503円。プラス3σが23043円。
日足のボリンジャーのプラス1σが22209円。プラス2σが22606円、プラス3σが23004円。
気学では「初め強いと後安の日、戻り売りで駆け引きせよ」。
水曜は「下寄りは買い、上寄り売りの日。
木曜は「下げ来りて尚安きは小底となる日」。
金曜は「後場へかけて急伸することあり。押し目買い」。
五月は「高値を付けた銘柄を売れ。売り出動、積極的に売れ」。
アノマリーでは「3月安→5月高。4月高→8月安」。
(櫻井)。