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ブログ:Onevoice

ほぼ、セル・イン・メイ

松下 律

2019/05/10 08:30

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トランプ砲 

 日経平均の直近高値、4月24日の2万2382円から見ますと、昨日時点で1,000円以上下げているわけですからほとんど「セル・イン・メイ」状態です。


 日本は、3月期決算企業の前期業績発表シーズンで、業績数字だけでなく、発表されるいわゆるハード・データは軒並み総崩れ状態、米国はまだましですが、唯一個人消費頼みという状態ですから、予想されて来た通りで、データの悪さを受けての株価下落であれば致し方ないところもあります。


 とはいえ、トランプ発言(ツイッターの書き込み)が売り方を勢いづけたことは確かでしょうから、今更ながらあの大統領には困ったものです。もっとも、トランプ氏が米国の貿易赤字を問題視して、貿易赤字解消を目指している(らしい)ことは、悪いことではないのかもしれません。


 米国はずいぶん以前から、双子の赤字(財政赤字と貿易赤字)を問題視される国でした。今流行りのMMTを持って来るとすれば、米国はドルの信認が失われない限り、ドル紙幣を無制限に印刷することができるのだから、財政赤字も貿易赤字も問題にすることはない、とか何とか彼の大統領が言い出したりするよりはるかにましかもしれません。


 日経平均が2万1千円から2万2500円の間で落ち着くなら、それはそれで悪くもない、と思いますが、2万1千円を大きく割り込むとなると、ちょっと厄介な気がします。下げの局面が終わるためにはそれなりの「投げ」が必要なことは分かりますが、またぞろ昨年末にかけての「投げ相場」を見る必要がある、と言われたら困惑しますね・・・


 令和という新しい年号の時代に入ったから「自動的に」株式相場が好調になる、などということがないのは当たり前のことですが、いきなり続落になることはないのにと思いますよね。しかし、どこで相場が落ち着くのか、今は注視しておくと言うしかないのかもしれません。


令和の労働生産性

 結論を先に書きますと、私は令和という時代が「日本の労働生産性が飛躍的に向上した」時代となってくれないかな、という気がしているのです。


 キーエンスまで行かなくても、日本企業の多くで従業員の平均年収が1千万円を超えて、個人消費が活発になる、というイメージでしょうか、それは素晴らしいことだと思います。ただ、そのためには日本の労働生産性が向上する必要があります。


 例えば、あなたがどこかの会社の従業員だとして、経営幹部から「うちの会社は労働生産性が低い」というような言われかたをしたらどんな気持ちになるでしょうか?私の感じですが、おそらく「俺たちの働き方が悪いと言うのか?」と反発するのではないかと思います。


 労働生産性とは何か?というのは考えてみますとけっこう難しい、という気がします。


 例えば、簡単のために労働生産性を次の数式で表されるものと考えてみます。


労働生産性=付加価値÷労働者数


 ここで、


付加価値=経常利益+人件費+賃借料+租税公課+減価償却

としてみます。


 付加価値のかなりの部分は、人件費、です。としますと、付加価値を増やす→労働生産性を上げる、そのために一番手っ取り早いのは「人件費を上げる」、つまりは賃上げ、ではないか?それなら簡単だろうが・・


 そうは行かないでしょうね。むやみに人件費を上げれば利益が減って企業の信用が失われるかもしれませんし、競争力が低下するかもしれません。


 日本を代表する製造業の多くは絶え間ない合理化・効率化投資によって、生産性を高めているでしょうし、いつも生産性が低いと指摘されるサービス業について見ますと、景気が良くなればサービス業の生産性が向上する、というようなところがあって、彼ら自身の生産性の低さを非難できないのではないか、という気がします。


 どうも、わが国においては、いわゆる「ホワイトカラー」の生産性を上げることが喫緊の課題なのではないか?そんな気がするのです。


 令和の時代に、わが国のホワイトカラーの生産性が大きく向上すれば、けっこう日本経済は良いところまで行けるのではないか、という気がします。(多くの会社がキーエンスのようになればいい、という感覚でしょうか。もちろん、キーエンスが唯一無二の手本ということはないと思います・・・何しろ、「30代で家が建つ、しかし、40代で墓が建つ、などと言われているわけですから。)


 ホワイトカラーの生産性向上のために何か良い方策はないか?


 私は、例えばエイトレッド社のワークフローアプリ、とか識学の組織ことは構築法、などが、こうした目的に資するのではないか、という感覚を持ちます。2社とも、IPO時にこの番組に社長さんに出演いただきましたが、実に印象的なビジネスモデルの会社でした。


 日本的なスタイルでワークフローをIT化する(エイトレッド社)、組織を構成する人の「誤解」と「錯覚」を無くすことで効率的な組織を作る(識学)、こうしたコンセプトが活用されれば、令和時代の日本企業の(とりわけホワイトカラーの)生産性が飛躍的に向上するのではないか?そんな気がします。


 そうなれば、ROEはさらに向上するでしょうし、従業員の給与も増加→個人消費の活発化→わが国経済の規模拡大、という成果が得られるのではないか?そんな気がするのです。(私が言うまでもなく、こうした会社への市場の期待はすでに大きくなっていて、投資尺度で見て高い評価を市場で受けているのですが。)


2019年5月10日

証券アナリスト

松下律

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