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悪材料は好材料

岩本 秀雄

2019/06/10 08:01

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 米国の5月雇用統計は(市場の期待通り?)弱い数字となりました。
非農業部門の雇用者数は、市場予想(平均18万3000人増加)を大幅に下回る7万5000人の増加と、前月に比べて大幅な減速となりました。直前に発表されたADP雇用レポートの雇用者数がコンセンサスと乖離する2万7000人増加と極端に低い数字だったため、市場には戸惑いの声も多かったのですが、結局はこのADPの数字がそれなりに実勢の弱さを示唆していたことになります。平均賃金の上昇率も前年同月比3.1%増(市場予想3.2%増)と低調な数字で収まりました。

景気の減速懸念を示す指標は本来、株価にマイナスですが、現在の局面は位置づけが違います。すでに4日のパウエル発言以降、利下げ期待をさらに高めていた株式市場はこの弱い数字の発表を好感する人気となりました。

ダウ工業30種平均は一時2万6000ドル台を回復し前日比263ドル高の2万5986ドルと約1か月ぶりの水準で終わりました。5日続伸。この1週間の上昇率は4.71%(1168ドル)と、18年11月26日に始まる週の5.15%(1252ドル)以来の記録となります。

もっとも、この昨年11月最終週の上昇は、翌12月の暴落(3週間で14.7%、3800ドル下落)につながるものでしたから、気をつけなければいけません(あの時はFRBへの催促相場、今回は歓迎相場という違いがあるかもしれません)。6月FOMCは18~19日。ここでの利下げ予想は25%と低く、しばらくは利下げ期待と景気悪化懸念とが交錯する状態が続くであろうことを念頭に置かねければなりません。

とはいえ、ダウ平均の推移を振り返ると、4月24日のザラバ高値2万6680ドルに対し、6月3日の安値が2万4680ドルですから、この間の下落幅は2000ドル。それに対し、7日のザラバ高値までの戻り率は69.2%にも達していますから、ひょっとすると、4月高値ぐらいまでの戻りはあるかもしれません(その先が大変ですが…)。

過去、FRBの利下げ政策への転換は日本株にも上昇圧力となってきました。メキシコ関税問題の発動回避も日本株には心理的なプラス材料。この間、中途半端な足取りを続けてきた日本株ですが、ここからしばらくは方向感が出てくるかもしれません。
(いわもと)