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売り買い残高逆転の裁定取引

中嶋 健吉

2019/07/04 08:05

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東証発表の裁定取で、売り残が買い残を上回る現象が続いています。 その裁定取引を単純化すると次の様になります。


(A) 先物が先行して上昇⇒割高な先物売り/現物株買い

(B) 先物が先行して下落⇒割安な先物買い/現物株売り


今回の逆転現象は次の2回です。

(1)2018年12月21日~2019年1月4日    3週間

(2)2019年 6月14日~2019年6月28日   3週間


(1)(2)とも上記(B)の「先物が先行して下落⇒割安な先物買い/現物売り」のパターンを踏んでいます。裁定取引は外資系証券がメインのプレイヤーですので、彼らの先物の手口を見ておきます。彼らは先物を意図的に売り越し下落させる事で(B)の動きを作ります。一方買い越すことにより(A)の流れが形成されます。こうした動きを作った外国人の4半期毎の先物の売買動向は以下の通りです。


2018年9月07日~12月28日4勝13敗▼3兆9164億円売り越し(B)
2019年1月04日~3月29日12勝1敗△2兆1489億円買い越し(A)
4月05日~5月31日2勝6敗▼1兆6455億円売り越し(B)
6月07日~6月21日3勝0敗△794」億円買い越し(A)

上記2回の大幅な売り越しでそれぞれ(B)の流れになり、先物売り/現物売りが加速し逆転が起きたと思われます。ちなみに昨年末の9月からの大幅売り越しは、トランプ政権が第3弾の対中制裁関税として2000億ドルに10%関税を発表し、先物中心の売りを呼んだからです。4月からの2回目の売り越しは同じく第4弾の対中制裁関税を材料に売り込まれています。


ちなみに逆転現象はこの2回以外に過去30年で2回起こっています。

  • 1998年8月  ロシア危機(デフォルト) 
  • 2016年9月  北朝鮮5回目の核実験 

国際情勢が最大の理由ですが、問題が収束すれば買戻しが始まり裁定買い残の増加に繋がっています。今回もその方向が見えます。

(中嶋)