Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

農耕民族的

櫻井 英明

2019/07/09 07:24

Ae85a434 0528 4092 acd2 591fd4d2e3c3 castphoto11 sakurai
「2千万円」問題が提起したことから登場したこと。
社会人向けに金融経済教育セミナーは大盛況。
インターネット証券のイデコとNISAの申込件数は報告書発表後に約2倍に増加。
産経では「これまで政府や金融業界がいくら貯蓄から資産形成へとキャンペーンを行っても投資や運用への理解はなかなか深まらなかった。
2千万円をめぐる騒動は金融審による当初の想定とは違った経路とはいえ、国民の関心を資産形成へと向かわせるきっかけとなったことは金融業界にとって追い風となった」。
常にバラ色の夢を語ってきた証券業界にとっては、恐怖商法という180度違った姿勢での集客。
世の中の変化はめまぐるしいものです。

株式投資の特異なところは「相手の見えない戦い」であること。
フツーは多くの戦いで相手は見えます。
しかし、株式市場は買っている相手、売っている相手がその時は見えません。
五里霧中、暗中模索の状況で売買が繰り広げられています。
昔は手口が公開されていたので、売買主体を想像することは出来ました。
しかし今は全く霧の中。
「相手の気持ちになって考える」というのは道徳チックですが、実は結構役に立つかも知れません。
「投資はあくまでも相場と自分との対話。
人に教わるものではなく、自分で身につけるものです。
そうでないと投資の面白さも分かりません」。
老練な市場関係者の含蓄のある言葉です。


ところで・・・。
多くの投資家さんにとって「株が明日上がる」ということは重要なことなのでしょうか。
昭和の時代の証券マンなら今日買った株を明日利食って別の株を買うという好意は重要なこと。
手数料を稼ぐベストシナリオだからでした。
しかし・・・。
例えばポイント投資などで、本来的に長期的資産形成を行っている人にとって「明日上がる」はほとんど関係ないでしょう。
年金運用などでも同様。
「明日上がる」のではなく、売りたいときに上がっていることこそ重要なこと。
この時間軸の違いは大きいでしょう。
だから・・・。
市場解釈も「明日上がる」ではなく「何年には上がっている」。
あるいは「何月には下がっている」というリズムの予測が大切になってきます。
ところが、旧態依然として今日上がれば喜び、明日下がれば悲しむ姿ばかり。
その先にある明日への観察眼は少ないようです。
明日下げればそれは明後日への期待。
時間は永遠に続くもの。
その永劫の時間軸で今日明日を論じることはかなり虚しいように思えます。

もう一つ気づいておかなければならないこと。
「市場は売りたい人で満ちている」。
株価の動きは株を持っている人にとってこそ重要。
当然ながら持っていない人にとっては表面上は何の関係もありません。
値動きそのものがまったく別の世界の出来事。
しかし株を持っている人に取っては一大事。
常に高値で売ることを夢見て投資しているのだから当然でしょう。
日本の個人投資家は約1000万人弱と言われています。
その他の約1億人に取って値動きに興味はありません。
この考え方はなかなか腹に落ちないですが事実。
だからこそ「一喜一憂は虚しい」ということもできるでしょう。
「注意しましょう、警戒しましょう」は責任回避の言葉。
惑わされてはいけません。

昔、株は「狩猟民族の仕事」と言われました。
銀行は「農耕民族」で証券は「狩猟民族」。
だから証券マンはいつも何かを追いかける目をしているとも言わました。
でも、最近は牙を抜かれた狩猟民族。
株式市場はほとんど農耕民族の世界。
というか、最近ではなく、もともとが農耕民族だったのではないでしょうか。
毎年毎年同じ時期に同じ話題を提供して同じような苦楽を味わう世界。
以前は3月になれば決算対策の売り、4月からは年金運用資産の配分なんて話題を何年も繰り返しました。
毎月の雇用統計を待つ姿勢も一緒でしょう。
今の時期はETFの分配金原資確保のため売りと再投資。
暦に従った話題に過ぎませんし、十年一日の如く。
秋のイスラムヒジュラ暦の株高だった似たようなもの。
あれこれ考えることよりも暦を正確に覚えておくことが結構重要なことのように思えます。

以下は今朝の場状況。

「相変わらずの株安、債券安」

週明けのNY株式市場は続落。
「独立記念日の翌日だった5日は休暇を取った投資家が多く週明け8日も売り優勢。
主要株価指数は過去最高値を更新しており、目先の利益を確定する売りも出やすかった」との解釈だ。
悪役はアップルとボーイング。
アップルはローゼンブラット証券のアナリストが投資判断を「中立」から「売り」に引き下げ。
理由はアイフォンの販売低調。
ボーイングは「737MAX」の購入契約をサウジアラビア航空会社が取り消したと報じられ下落。
2銘柄でNYダウを約60ドル引き下げた。
大規模なリストラを発表したドイツ銀行の米預託証券(ADR)が大幅に下落。
金融セクターの軟調の背景となった。
サッカー女子ワールドカップで米国代表が優勝したことからジャージを供給するナイキは上昇。
ダウ輸送株指数は0.65%下落。
SOX指数は0.77%下落。
債券相場は続落。
長期金利の指標となる表面利率2.375%の10年国債利回りは前週末比0.01%高い(価格は安い)2.04%。
ドル円は108円台後半。
一時108円81銭と5月末以来ほぼ1カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた場面もあった。
パウエルFRB議長の議会証言を控えて様子見ムードが強いなか持ち高調整目的の円売り・ドル買いがやや優勢となった。
VIX指数は13.96に上昇。
SKEW指数は121.42に低下。
恐怖と欲望指数は59ポイント。

「円安トレンドが下支え」

週明けの日経平均株価は寄り付き81円安、大引け212円安とほぼ安値引けで反落。
NY安、ETF分配金の売りなどの解釈で一時21500円割れもあった。
上海が2%超の下落となったのも響いた格好。
200日線を下回りチャート形状は悪化。
「6月28日と7月1日のマドを埋める動きに入ってきた。
28日終値は21275円」という声もある。
上の島とつながる方向が下の島とつながりそうになってきた。
7月FOMCでの0.5%の利下げ期待が後退。
10日予定のパウエルFRB議長の議会証言を前に一段と利下げ見通しに不透明感が強くなった。
株安トレンドながら利下げ回避は景気良好の裏返しであり良好なサインとも考えたいところだ。
「S&P500の200日線からの上方かい離が7.6%まで拡大。
やや買われ過ぎの水準訂正」という見方の方が健全だろう。
「金利上昇には円安・ドル高反応。日本株にとっては下支え要因」というのがマトモな思考法だ。
日経平均は75日線(21434円)と6月27日高値(21338円)が一応下の目安だ。
東証1部の売買代金は1兆6953億円。
値上がり402銘柄、値下がり1676銘柄。
新高値82銘柄、新安値5銘柄。
騰落レシオは122.70。
NTレシオは13.64倍。
25日線からは1.4%のプラスかい離。
200日線からは0.3%のマイナスかい離。
サイコロは6勝6敗で50%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲9.203%。
買い方▲9.739%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲7.025%。
買い方▲13.709%。
空売り比率は49.7%で81日連続40%超。
空売り規制なし銘柄の比率は7.9%。
日経HVは12.8、日経VIは14.39。
東証REIT指数は7日ぶりの反落。
日経平均採用銘柄のPERは12.09倍でEPSは1781円。
PBRは1.08倍。
シカゴ22先物終値は大証日中比55円高の21585円。
高値21720円、安値21465円。
気学では「押し目買いの日。後場急騰したら利入れ方針良し」。
水曜は「後場にかけて良く動く日。前日の足取りにつけ」。
木曜は「不時高、不二安を見せる逆行日」。
金曜は「変化激しい日。逆張り方針で駆け引きせよ」。
気学では月曜は「下げ来りて尚安きは小底入れを見る日」だった。
この「小底入れ」が妙に脳裏に残る。
アノマリー的には昨日は「変化日」そして今日は「株高の特異日」、明日は「株安の日」だ。
「水星の逆行になど負けていられない」という声もある。
(櫻井)。