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ブログ:Onevoice

NYダウ、2万7千ドル突破

松下 律

2019/07/12 08:20

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一方、日本株は・・

 イベント待ちの局面だった、という言い方ができるのでしょう。しかし、そのイベントがほとんど「海外のもの」というところが気になるところです。


 イベントの2大項目が「米景気(≒グローバル景気)」、「米金融政策」ということで・・


・6月米雇用統計(日本時間5日金曜日夜)⇒非農業部門雇用者増加数が予想(16万人ほど)を上回る数字(22.4万人)⇒利下げ期待後退⇒円反落、225指数先物は連動高せず


・パウエル証言(於米下院、10日深夜)⇒今月末のFOMCでの利下げ方向確認⇒NYダウ一時史上最高値、円上昇⇒225先物は、最初円高にもかかわらず急上昇、のち値を消す展開


 米利下げ(0.25%の利下げが最有力)はかなり織り込みが進んで、株高にはあまり利かなくなりつつある、といったところもありそうですが、今月末のFOMCで「実際に」FEDがどういう行動をするか、依然注目です。


 よく見れば、イラン・中東情勢、日韓関係、ドイツ銀行の苦境(言われてもう久しいのですが)、引き続き米中貿易摩擦、ブレグジット、等々、材料・イベント目白押しで、ここから発表される4-6月の米企業業績次第では最高値圏にある米国株が調整してもおかしくない情勢でしょう。


 しかし、ビジネス・エコシステムが発達した今のグローバル経済では、インフレは起きにくいし、景気循環も緩やか、です。


 金利水準はは低位安定が可能ということで、相場の下落は一時的⇒次の上昇がすぐにやって来る⇒ゴルディロックス、ということのようです。


 しだいに米国株式市場はバブル領域に向かって進むのでしょう。


サンクコスト/コンテスタブル経済/サブスクリプション

 「事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のこと。」サンクコスト(sunk cost)の定義はこういうものだそうです。


 サンクコストが厄介なのは、すでに使ってしまった投資や労力が諦められなくて、やめるべきことをやめることができない、という非合理的な意思決定をしてしまうことがしばしばある、ということだそうです。


 個人の行動であれば、多少無駄な金や労力が投下されても大した問題ではないでしょうが、企業の行動、一国の経済となりますと、サンクコストがもたらす弊害が大きいとすれば、けっこう重大です。


 経済学ではサンクコストがゼロで、不断の新規参入か可能な市場の状態のことを「コンテスタブル」と言うのだそうです。(米国では、独占に関係してサンクコストが論じられて、それが規制緩和政策に結び付いたことがあったそうです。)


 高額の航空機もリースを活用すれば、資本力のない事業者でもそれを使ってエアライン業界に参入できる、などは、市場をコンテスタブルなものにして競争を促し、経済全体にプラスをもたらしたことの一例でしょう。(公正な競争は経済にとってプラス、という資本主義的考え方を持たない人は受け入れない論理でしょうが。)


 私は、今急速に普及しつつある「サブスクリプション化の傾向」が日本経済を(もちろん世界経済を、ですが)より「コンテスタブル」にしつつある、と思っています。


 特に、ホワイトカラーの生産性向上に関連して、IT技術が「サブスク」で利用できるようになって来ていることに注目しています。(システム導入初期費用が高いと、導入後しまったと思ってもやめられないことがありますので。)


 具体的には、各種のビジネス・アプリ(勤怠管理、顧客管理、文書の電子化等々)をイメージしているわけですが、こうしたアプリを提供する企業と、それらを活用して事業の効率を上げる企業が急速に増えて、自らの競争力を高め、ROEの水準を引き上げて行くに違いないと思っているのです。


 なかなか新しいビジネス、有望な成長企業が現れないと言われるわが国ですが、近い将来を見通しますと、日本経済がよりコンテスタブルになり、個々の企業が競争力を高めて、ROE水準を引き上げて行くことができるのではないかと思います。(こうした傾向を後押しするためにも、政府による規制緩和が重要です。)


 そうなれば結果として、(余裕で)日本株の株価は(配当金込みで)上昇して行くでしょう。そう期待しています。


令和元年7月12日

証券アナリスト

松下律

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