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FOMC待ち

松下 律

2019/07/19 08:20

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18日の急落

 このブログは昨日の引け後に書いたのですが、もしこれを一昨日、7月17日の引け後に書いていたとしたら、まったく違ったものになっていたのではないかと思います。


  それだけ昨日の下げは大きく、意外なものでした。


 先週のブログに以下のように書きました。


 「よく見れば、イラン・中東情勢、日韓関係、ドイツ銀行の苦境(言われてもう久しいのですが)、引き続き米中貿易摩擦、ブレグジット、等々、材料・イベント目白押しで、ここから発表される4-6月の米企業業績次第では最高値圏にある米国株が調整してもおかしくない情勢でしょう。」


 アメリカ株が、政策金利引き下げを期待して少しオフサイド気味に上がってしまっているので、数百ドル規模の下落局面があってもおかしくないのでは、というニュアンスだったわけですが、起きたことは、太平洋を挟んでこちら側での株価急落でした。


 大きな下落ですから、何とかショック、という名前を付けたいと思いました。


 キャノン・ショック、米中摩擦再燃懸念ショック、中国経済成長鈍化ショック、コリア・ショック、米景気拡後退懸念・金利下落・円高ショック、CLOショック・・・


 いずれもピンと来ないものばかりのようです。


 要するに日本株は需給が悪い、悪い需給の「揺らぎ」の中で急落が起きた、ということなのでしょう。


 一方のアメリカ市場はとにかく需給が良いので、何か起きれば株価は上がる、日本は需給が悪いので何かあれば必ず下がる、米株が上がるときには付いて行けず、下げる時には倍下がる、というわけで、ついにNYダウと日経平均の「サヤ」が6000ポイントにもなってしまいました。


 株式需給の改善がない限り、同じような推移が続くと思うしかありません。何とも気の重い話です。売り方は安心して売りポジションを取ることができる、という状況が続くのでしょう。


 しかし逆に見れば、日本株を割安で買う局面がこれからもかなり長い期間続くだろう、ということでもありますから、買い方にとっても悪いことばかりではないのかもしれません。


 日本企業の収益力が長期的に株主の期待に応える水準を維持する、という前提のもとでの話ですが。


 現時点で結論を出す

 「老後2000万円不足問題」、こんな風にキャッチフレーズになってしまったのですから、大したものだと感心するのですが、さて、どう対処すれば良いのか?


 政府が言いたいことを忖度しますと、「自助努力で資産形成して欲しい。」(政府が何とかすることを期待しても無理だ、と。)


 そして、関係する「識者」が奨めるのが、「iDeCo」や「つみたてNISA」、あるいは「日本版401K」などの税優遇措置を活用して、20年30年を掛けて個人個人で資産形成することが望ましい、というものでしょう。


 「望ましい」のは分かるとして、さて本当に、例えば毎月2万円とか3万円を積み立て投資(投資対象の中心は日本株に投資する投資信託になると思います。)を実行したとして、本当に20年後30年後に期待とおりの結果となると「信じて」いいものなのかどうか?


 今日はここで、現時点における「結論」を出してしまいたいと思います。


 結論:各種の税優遇措置を使って、毎月2、3万円規模の積み立て投資を20年〜30年実行すれば、老後に必要な資産を形成することは可能です。


 これが結論です。


 ただし、

 ただし、ですが、


 一つだけ条件があります。


 それは、「日本の主力企業がROE8%以上の水準を30年以上に亘って維持する能力とその意思があれば、」ということです。(一時的な不振は別として。)


 で、この条件が満たされる確度はどれくらいか?


 確度を%で表現するのは難しいのですが、私はおそらく最低で70%くらい、うまくすれば90%以上の確率でこの条件をクリアできると思っています。


 もちろん日本という国が資本主義経済の国であり続けることが前提です。


 資本主義を否定して、企業収益に対する規律がまったく働かなくなる、などとなれば、ROE重視などの企業努力は行われなくなるでしょうから、株式投資信託への積み立て投資で老後の資産形成を、という行動には疑問符が付くようになるでしょう。


 これから日本がどうなるのか?なかなか予想は難しいのですが、過去10年、というかたちで振り返りますと、上の条件はクリアしています。


 ETFを含む日本株投資の投資信託の過去10年の成果をチャートで確かめてみますとよく分かりますが、多くの投資信託で分配金込みの値上がり率が2倍を超えています。


 30年で10倍にする、ということは、まず10年で2倍以上、次の10年、合計20年かけて4倍以上に、というのがだいたいの道筋です。

 過去10年という意味では、日本のそうした投資信託は条件を満たしているのです。


 私は、今は、日本の代表的な優良企業の経営(者)を概ね信頼して良いのではないかと思っています。(ROEを重視するのは当たり前、となっている点で。)


 「ROEなど眼中にない」(かつて、従業員の雇用を守り、賃金を払い続けることが、経営トップにとってもっとも重要な課題だった時代の優れた経営者の心情を反映した発言だったのでしょう。)と言う経営トップは日本にはもういません。


 日本企業を取り巻く環境は厳しいものがありますし、これからもっと厳しくなると思いますが、日本企業は努力とリスクテイクによって、厳しい環境を乗り越えて行くでしょう。


 あとは、日本の社会がそうした企業の存在を評価し続けられるかどうか、株主が企業に対するガバナンスを怠らないかどうか、に掛かっています。


令和元年7月19日

証券アナリスト

松下律

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