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ウナギ

中嶋 健吉

2019/08/01 07:32

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7月27日は土用の丑の日、恒例のウナギを食する日として定着しています。 

何故?という疑問には諸説ありますが、江戸時代の著名蘭学者「平賀源内」の発案が有力なようです。 夏場の暑い時期に、濃い味のウナギが売れないとの相談を受けた源内が、丑の日(うしの日)には「う」で始まる食品を食べれば縁起が良くなるとの宣伝を伝授したとか。


個人的にはウナギは好物の一つです。 今は亡き山一証券が八重洲にあったことから、近場の京橋竹葉亭には懐に余裕がある場合、ほぼ昼食に通ったものです。 しかし本当に嵌ったのは、日本橋高島屋の特別食堂でウナギを食してからです。 後からこの世界では著名な麻布飯倉の名店、「野田岩」の出店であると知ったのですが。 名店といってもデパート内ですので、使うのは気の合う友達との昼食会に限定していました。 野田岩は2013年放送のNHK「プロフェショナル 仕事の流儀」で取り上げられたのは御存じのところです。 しかし鰻の名店と言われる店は日本の各所にあり、それぞれ熱狂的な支持者に支えられているものです。 家内は九州宮崎市の出身ですが、郊外にやはり名店と言われる店があり、帰郷の際には必ず食することを旨としています。 毎回納得の味です。


好物のウナギですが、食べきれなかった思い出もあります。 1972年頃アムステルダムを訪ね、昼食にウナギの唐揚げを注文した時のことです。 骨ごと輪切りにされ、油で揚がられたウナギが山積で出てきました。 積みあがった上部から骨に気を付けながら食したのですが、数個が限界でした。 ウナギの油と、揚げ物の油が交じり合い、下積みのウナギは油に浮いている状態です。 心から蒲焼の技法を教えたいと思ったものです。


ウナギ資源の枯渇が叫ばれています。 日本ウナギは絶滅危惧種に指定されており、完全養殖に期待が集まります。 完全養殖とは人工ふ化させた稚魚を親へと育て、その親に産卵させ命のサイクルを作ることです。 2010年に研究所内での完全ふ化に、初めて成功したのは日本です。  更に今年に入り人工ふ化した稚魚を、普通のウナギと同じ生け簀で育てることに成功しています。  ただコストが天然の10倍以上かかるのが現状です。  更に安価で安定供給できる目安は、年間最低でも1億匹が必要との試算もあり、課題を残しています。 しかし同じような問題を抱えていたマグロの完全養殖も、今や商業ベースに乗っています。 更に謎といわれた日本うなぎの生息地が、日本から2500キロも離れた南洋の海底にそびえる海山の近くだと特定されたたことも、自然資源の保護に大いに役立つのでしょう。


今年の丑の日のウナギは少し奮発したこともあり極めて満足するお味でした。

(中嶋)