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ひとり旅のススメ

鈴木 一之

2019/08/14 07:55

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夏は旅の季節です。旅に出るならひとり旅です。夏ほどひとり旅にふさわしい季節はありません。勝手にそう決めています。

高校生のころ、京都にひとりで出かけました。当時はまだ運行していた東海道線の鈍行(夜行)で、始発の新宿駅のホームに並び、大垣を経由して一晩かけてたどり着きました。冷房などまだ普及しておらず、車中は蒸し暑くて眠れないので、となりのおじいさんや大学生らしき男女二人連れと夜を徹して話をしてました。

夜が明けると停車時間の長い駅のホームで顔を洗い、朝食を買い込みます。そうしてたどり着いた京都でした。鴨川のほとりや三年坂をとぼとぼ歩いたこと、蒸し暑い夜に大文字焼きを仰ぎ見たことを思い出します。甲子園にも寄って無料の外野スタンドから同世代の野球も観戦しました。まだ志望校を決めていなかったので、その足で神戸にも大学の見学に行きました。

最近は思い出すことも少なくなりましたが、その時の経験はよき思い出とともに何かしら身についているように思います。そう思いたいものです。

中でも一番重要なものが、不安への対処法です。旅には不安がつきものです。道に迷う不安、今日の宿が確保できるかどうかの不安、安い宿が見つかるか、おカネを盗られないか、食あたりにならないか、悪い人につからまらないか、とにかく朝から晩まで不安だらけです。

その不安を乗り越えてでも見たいもの、行きたい場所に出かける誘惑が旅の魅力でもあります。宿の手配、穴場の探索、地図の入手ひとつをとっても、インターネットがくまなく普及した現代と比べると当時は格段に不便でした。世の中はそれだけ便利になったということです。

不安や不便をなくすために世の中はどんどん便利さを増して、そうなると今度は別の不安や不便が生まれてきて、また新たな対処法が考え出されて、と際限なく繰り返されます。テクノロジーによって便利になることはけっこうなのですが、不便さもまた楽しいものです。夏は旅の季節です。久しぶりにあてもなく、ひとり旅に出かけてみましょうか。
(スズカズ)