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人材の多様性と企業

中嶋 健吉

2019/08/22 07:35

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一般的な日本の企業の人事政策は、通年一括採用、そして社内教育を通じて従業員の同質性に重きを置いてきました。その運営を潤滑に行う為、年功序列の賃金体系が成立する、世界的にも類を見ない独自なものを作り上げてきたのです。しかし少子高齢化、人口減少が常態化した日本に於いて、企業が生産性を維持しながら利益を確保する為には、働き手の多様性を高める必要性に直面しているのです。年齢、性別、国籍、人種に囚われず、多様な人材を活用した企業の生産性が、そうでない企業を上回っているとの各種の結果が相次いで発表され、この流れを後押ししているのです。


では具体的に、多様な人材の働く企業とはどのようなものでしょうか。一つの参考例として、私の最後の職場となった山一證券のロンドン現地法人を思い起こしてみます。総従業員数は約400名弱、そのうち本社派遣の社員は約30数名程度、他はすべて現地採用になります。人事部長(女性)から,現地社員は約22の国籍から成ると報告を受け、その多様性に、正直驚いたものです。採用はそれぞれの部門長が、事業計画に沿って行います。提示する給与も部門長の責任です。人事部はその契約の内容など法的な手続き、年金など制度上の仕組みなど、採用に伴い発生する2次業務を担当します。証券会社ですので給与、特にボーナスの支給等も、営業担当であればその稼ぎ高が反映されます。実際はもっとドロドロとしたやり取りが従業員とあるのですが、趣旨から離れますので割愛します。


人材の多様性を突き詰めると、日本的な人事部の存在の可否に至ります。ゼネラリストではなく、スペシャリストがそれぞれ多様化した各分野で必要とされるなら、その人材の採用は、各分野の専門家が自ら面接し、スクリーニングするしかないのでしょう。また採用後に発生する、従業員の厚生問題も外注が可能かもしれません。人事部の役割とは?多様性を追求する企業は、まずこの位置づけを明確化することから始まるのかもしれません。 

(中嶋)