Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

不発は勘弁して欲しい

櫻井 英明

2019/09/03 07:17

Ae85a434 0528 4092 acd2 591fd4d2e3c3 castphoto11 sakurai
経営者の言葉というのは軽いようで重いもの。
興味深かったのは28日日経朝刊でのトヨタの社長石田退三氏の言葉。
「トヨタの石田やけど、おたくのおやじさんから電話もらえんかな」。
電話を取ったのは松下電器産業の名古屋事務所の中村邦夫氏(のちの社長)。
「おやじさん」とは松下創業者の松下幸之助さんのことだったといいます。
石田氏の言葉は「大阪に電話すると電話費が高うつくねん」。
トヨタの本質を見事に表現した言葉。
大学のクラブの3年先輩が当時のトヨタ自動車に入社後、見せられたのは社内便の封筒。
何度も何度も行き先が張り替えられボロボロになっていた記憶は薄れません。
今は世界のトヨタとパナソニック。
それでも昔は三河のトヨタと浪速の松下。
成長企業の逸話でしょうか。
もっとも昭和24年にトヨタが倒産の危機に陥り日銀に助けられた歴史など知るすべもありません。
もう一つは23日の日経朝刊での「日本製鋼所」の記事。
同社は兵器メーカー⇒石油精製プラント⇒原発関連⇒産業用機械へと大きく変身。
今。
車載電池用のセパレータなどの成形機(世界最大級のフィルムシート製造装置:広島工場)は超人気。
マグネシウム成形機も人気
発祥は北炭や英国アームストロング社と組んだ室蘭。
原子炉用圧力機器の世界社シェアは」7→8割に達していたそうです。
「室蘭が止まれば世界の原発が止まる」とまで言われたとも・・・。
福島事故以来3期連続の最終赤字。
17年から社長の宮内社長の言は「社内に残る原発への郷愁を断ち切ること」。
「原発は事業として成り立たない。生まれ変わろう」と宮内社長
原発への郷愁を断ち切るという決断。
月島機械と提携し下水汚泥装置にも進出。
前期連結営業利益はがん発事故後としては最高を記録しました。
証券市場も「郷愁を断ち切る」ことが求められているのかも知れません。

「月初のマド明け」という今年の流れ。
1月大発会は下に窓開けて452円安(月足陽線▲△)。
2月はマド明けなし(月足陽線ー▲)
3月1日の翌営業日の4日(月)は上に窓開けて219円高(月足陰線△▲)。
4月1日は上にマド明けて303円高(月足陽線△△)。
5月7日の翌営業日の8日(水)は下にマドあけって321円安(月足陰線▲▲)。
6月3日の3日新甫は下にマド明けて190円安(月足陽線▲△)。
7月1日は上にマド明けで454円高(月足陰線△▲)
8月は1日は落ち着きましたが2日にマド明けで453円安(▲▲)

マドを明けていない月初は2月だけ。
そしてマドの下向き上向きと月足に因果関係は見出せません。
それでも月変わりでマド明けての相場の変化のリズム。
2日新甫の9月初日はマドが空きませんでした。

裁定売り残は1.9兆円と歴史的水準。
買い残から売り残を差し引いたネットの裁定残高は約1.4兆円。
うち日経型とTOPIX型の比率は1対2と想定されています。
昨年9月28日時点ではネットの裁定残は2.18兆円の買い残超過。
今は1.4兆円の売り残超過。
先物の売り方は海外投資家と信託銀行。
そこで指摘されているのは信託銀行の「高配当株買い・TOPIX先物売り」のニュートラルポジション。
これが9月中間決算前に解消されれば、結構なインパクトになるとは思われます。
一方でヘッジ売りの存在も指摘されました。
おおまかなヘッジ比率は15年3月が20%、17年3月末が60%、
18年3月末が70%、18年9月末が85%ともされる。
TOPIX先物を今年もっとも売り越しているのは信託銀行。
8月第2週までの売り越し額約7000億円は海外投資家の売り越し額3000億円を大きく上回りました。
ヘッジ等を背景に先物価格が下落すると裁定売り機会は拡大。
だから裁定売り残は過去最高。
わかりやすいといえばわかりやすい解釈。
金融機関の株下手は今に始まったことではありませんが・・・。
必要なのは「だから何?」かも知れません。

火曜から連載が始まった日経朝刊の「隣のインベスター第2部」。
サブタイトルはアクティブ投資家の実像。
「神戸の83歳の投資家は毎日100回以上の注文を出し、毎月4億円の売買に精を出す」。
預金に金利がつかない時代に足りないお金は運用で稼ぐという姿勢。
売買頻度は多いがこれも現実なのでしょう。
「投資は生きがい」というコメントも見えました。
確かに「投資は生きザマ」。
毎月分配型のタコ足投信は依然として人気があるというのは「今だに」の感。
愕然としたのは大阪の70歳の投資家さんの投資行動。
「金利が8%と魅力、と最近米エヌビディア株とAMD株を参照する仕組み債に5000万円投資した」。
アップサイドがゼロでダウンリスクしかないと言う仕組みは当然知らないのでしょうか。
何より原資はおそらくオプションのプットの売りの保証金でしょうから「金利」ではありません。
「参照する」という言葉を用いているところを見ると記者も仕組み債の仕組みを知らないと思われます。
たぶん目論見書を見せてもらって記事にしたのでしょう。
以前、証券専門紙の記者に個別株の仕組み債と225リンク債の仕組みを説明したことがありました。
出来た記事はまったくチンプンカンプンのもの。
そんな記憶もあります。
「仕組み債」という名前ですから形は債券だが、中身はオプション。
この図式が流行ったのは20年前。
ITバブルに乗った銘柄を対象にした仕組債が乱舞したのが歴史でした。
8%が1年で8%なのか年率換算8%なのかは不明ですが、8%をもらえるということはボラは相当大きいはず。
(償還が3ヶ月後ならば2%=年率換算8%と表現できます)。
組成した証券会社が得る手数料も表面上見えないながら相当大きいのでしょう。
しかも米株だから為替リスクも伴っているはず。
安全安心とは対局にある投資商品だと思われます。
しかし亡霊のように現れた「仕組み債」。
かつて組成したことのある身からするとそれこそ「今だに」。
時が移ろい人が変わっても、中身は変わらないのが投資の世界の欲望心理なのでしょうか。
あるいはリスクを正確に認識しない姿勢は未来永劫変わらないのでしょうか。
「生きがい」なのか「餌食」なのかの線引きは結構微妙なところにあるような気がします。

以下は今朝の場況。

「NYはレイバーデーで休場」

NY市場はレイバーデーで休場。
市場での指摘は「9月は1年の間でもっともパフォーマンスが悪い月」。
第2次世界大戦以降ののS&P500の年間パフォーマンス平均は0.69%上昇。
9月の平均は0.69%安、。
9月の下落確率は55%、一方10月の上昇確率は61%だ。
もっとも、メリルが算出しているブルベア指数は8月末に極端に「ベア(弱気)」に傾いた。
約8カ月ぶりにリスク資産の「買いシグナル」が点灯。
2000年以降で同様の状況は16回。
うち10回で点灯後3カ月のグローバル株式のリターンがプラスだったという。
CNNの「Fear & Greed Index(恐怖と欲望の指数)」は16ポイントと「極端な恐怖」まで低下。
また全米個人投資家協会(AAII)の個人投資家センチメントサーベイでは過去5年でみて最も弱気に近い位置にある。
「株式とコモディティは想定外の上昇相場になる可能性がある」という少数意見がないでもない。
週明けのロンドンFTSE100指数は続伸。
もっとも英ポンドは対ドルで大幅下落。
LME銅が2年3ヵ月ぶりの安値水準というのも気にかかる。
独DAX指数は続伸し8月初旬以来の水準を回復。
昨日の上海総合株価指数は4日ぶりに反発し約1ヵ月ぶりの高値水準。
香港ハンセン指数は3日ぶりの反落とマチマチ。
Emini-ダウ株価指数先物はWTO提訴を受けて清算値比で240ドル安。
ダウ先物も2日の日本時間早朝に300ドル超下げたのと比べれば落ち着いた動き。

「陰の極の先に・・・」

2日新甫の月曜は寄り付き79円安、大引け84円安と日足陰線の反落。
日経平均は前場に高値と安値を取った後は53円の値幅内での膠着。
「2日新甫は荒れるという相場格言があるが9月相場の初日は終日なぎのごとく静か」という声がある。
東証第一部の売買代金は1兆3299億円。
2014年4月21日(1兆3074円)以来の低水準で今年最低。
「14年4月は4月1日の8%への消費増税を挟んだ株価調整局面だった。
チャートの形だけをみると今と似ている」という見方もある。
「当時の日経平均は14582円。
その後12月には18000円台まで駆け上がった」というのが歴史だった。
「陰の極の先は上昇」というのが相場の定説でもある。
東証マザーズ指数とジャスダック平均は続伸。
ここらが肌感覚になってくれればイスラムの新年の株高アノマリーも報われよう。
値上がり506銘柄、値下がり1569銘柄。
新高値30銘柄、新安値31銘柄。
騰落レシオは81.93。
NTレシオは13.70倍。
25日線からは0.6%、200日線からは3.0%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲8.702%。
買い方▲12.992%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲1.098%。
買い方▲19.168%。
空売り比率は45.4%で117日連続40%超。
日経HVは14.1、日経VIは18.41。
東証REIT指数は3日続落。
日経平均採用銘柄のPERは11.71倍でEPSは1760円。
同PBRは1.03倍でBPSは2019円(前日20101円)。
東証1部単純平均株価は2032円。
225先物大証夜間取引終値は日中比40円安の20550円。
GLOBEXの時間外取引でシカゴ日経平均先物の最終約定値は前日の大証日中終値比50円安の20540円。
中国商務省がWTOに提訴すると発表したことから一時20510円まで下げる場面があった。
2日の日本時間早朝に20400円まで下げたほどの売りは見られなかった。
ボリンジャーのマイナス1σが20346円、25日線が20747円、プラス1σが21148円。
5日線(20544円)が2日連続でのサポート。
勝手雲の下限が20533円で上限が20951円で雲の中が2日連続。
気学では火曜は「人気に逆行して動く。逆張り方針良し」。
水曜は「初め強いと後安の日。戻り売り方針で駆け引きせよ」。
木曜は「下寄り買い。上寄り売りの日」。
金曜は「安日柄なれど前日来安き時は底入れする」。
9月は「月初め高ければ売り。急落すると底入れとなる。月末は下押しすること多し」。
ようやくやってきたイスラム・ヒジュラ暦の新年は9月1日に通過。
東京では不発。
NY時間でのトレード通過に期待だ。
(櫻井)。