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号砲が聞こえたのかも・・

松下 律

2019/09/06 08:20

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売り方の買戻し主導

 毎度書いていることながら、日本株というのは本当に需給が悪いのだな、と思わせることが多いのですが、一時的にせよ需給が好転する局面もあって、そういう局面がここから数か月かもしれない、と思わせる動きになって来るのかもしれません。


 先週のブログで、9月から12月までのSQ算出日辺りで、2万1千円、2万2千円、2万3千円、2万4千円、くらいの水準、という推移を想定する買い方がいても不思議はないかもしれない、と書いたのですが、まず最初の9月SQ辺りで2万1千円、というバーはクリアしたようです。


 数か月も順調になめらかな上昇トレンドを描く、というのはなかなか現実的でないのですが、いろいろ問題はあっても、年末から来年初に向けて日経平均2万3千円を超える水準を期待する、ということはさほど非現実的ではない、という気もします。(ここ何年かでも、長期の連騰、という局面が何度か秋にありました。)


 このところ妙に強い、という印象だった日本株が昨日大きく上昇した要因はおそらく「売り方の買戻し」によるものだったのでしょう。


 売り方の買戻しを誘ったのは、こんなところだったと思います。


・アメリカ景気の現況を示すハードデータの悪化 → FRBの利下げ観測


・アメリカの個人消費が決定的に悪化というわけではなさそうとの観測 → 米景気懸念後退


・米中対立の激化 → 対話の可能性


・ブレグジットへの英議会の抵抗 → ハードブレグジット懸念後退


・香港行政府の妥協観測 → 混乱激化への歯止め


 FRBの金融緩和観測と米景気がさほど悪くなさそう、というのが同時に実現するのは矛盾なのですが、売り方の振り子が思い切り振り切れている状態においては、売り方の買戻しを誘う要因には同時になりうる、ということなのでしょう。


 相場下落の後に反発すると、評価損を抱えた買い方は早く戻り売りしたい、とか、また下落するのではないか、と恐れたりするものなのですが、売り方の売りが大量にかさんだ後に少し大きめに反発(号砲一発)、となりますとそうした売り方が受けるダメージもそうとうなものです。


 見通しは難しい(いつでもですが)とはいえ、しばらく反騰局面到来という可能性は小さくないように思います。将来の不確実性の減少、世界的な金融緩和観測、売り方のポジションの積み上がり、といったことを考えますと、この水準からさらに売るというのはなかなかに勇気がいると私には思えます。


株価変動と循環

 ひとつ質問です。「十分にかしこければ、将来の株価は予測可能だ」と、あなたは考えますか?


 いろいろな人に尋ねてみたい質問のひとつなのですが、私の答えは「予測可能だ」というものです。


 しかし、です。とても残念なことなのですが、その予測値は「かなり大きな幅を持ったものになる」というのが私の考えです。


 日経平均をとりますと、「日経平均の5年後の値は?」という問いに対する答えは、例えば、「1万5千円~5万円」といった具合です。


 十分にかしこければ株価の現時点の妥当値を計算することもできるでしょうし、将来の株価を予測することもできるでしょうが、それらはいずれも「確率を伴って大きな幅を持つ値」になりそうなので、投資や投機の「目標」に使うのは難しい、と私には思えます。


 株価が大きく変動する理由も同じです。妥当値に幅があるので、さまざまな要因によって、つまり売り方と買い方の勢力のゆらぎによって大きく変動してしまうのでしょう。


 予想株価を投資や投機に役立てることができるはずだと信じることはできますが、おそらくはそれによって市場の平均的パフォーマンス以上の成果をあげることはできないでしょう。(効率市場仮説などというものもありますし。)


 しかし、いくら幅があるとしましても、例えば今日、明日の日経委平均がいきなり1万円になったり3万円になったりすることはなさそうです。


 ですから、株価の「だいたいの水準」に見当をつけられればそれでオーケー、そのだいたいの水準の中でどう動きそうか?売り方・買い方のポジションの偏りをうまくとらえて方向を推理する、といった程度で十分なのではないかな、と思ったりします。


 あとは、株式投資の成果の「源泉」は企業の利益ですから、企業の経営者がきちんと利益を出し続けることを期待する、という気持ちが非常に大事なのでしょう。


令和元年9月6日

証券アナリスト 

松下律 

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@shokenanalyst