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ブログ:Onevoice

秋の連騰

松下 律

2019/09/13 08:20

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どこまで上がれるか?

 ここ数年、秋の連騰局面が恒例になっている感があるのですが、いずれも(米景気、米企業収益がそこそこ好調というもとで)、


・売り方の買い戻し主導

・米国株主導

・円安と連動

・ニュースに敏感


といった特徴があるようです。


 売り方の買い戻しだけで日経平均はどのくらいまで上がれそうか?という問いに対していろいろコメントがあるようですが、だいたい2万2千円〜2万3千円といったところのようです。


 売り方の買い戻しだけだと、日本企業が今期減益傾向であることを反映して、昨年10月の日経平均高値2万4千円超えは難しそうだ、ということのようです。


 としまると、日経平均の上昇はあと1000円ちょっとくらいか、となるのですが、買い方からすればその水準まで上昇するなら十分かもしれません。


 一方、売り方からしますと、うまくすれば日経平均1万6千円くらいまで売り叩くことも可能だったかもしれないのに、8連騰で2万2千円近くまで上昇してしまったのですから当てが外れたもいいところでしょう。


 米中摩擦、ブレグジット、香港情勢等々、売り方からすると、このところで急にトーンが違って来たと思えることも起きたのですが、個人的には今回の8連騰の後押しになった材料として「地銀再編への動き」がけっこう大きかったように思います。おかげでメガバンク株が上昇しましたし。


 日本株を売る向きでもっとも先鋭的な人たちは、たいてい「日本は変われない、日本経済の成長力などなくなった」と考えているだろうと思います。例えば地銀であれば、いずれ野垂れ死に、と見ていたわけです。


 それが、ひょっとするとそうでもないかもしれない、となれば、慌てて売りポジションを買い戻す羽目になっても不思議はありません。


 大げさに言えば、SBIが今回の日本株上昇の立役者、と言うこともできるのかもしれません。


 買い方の希望とすれば、何とか去年10月の高値を超える水準まで上昇してくれないものか、と思うでしょうが、NYダウと日経平均の「さや」が5千円を超えているままだと、日経平均が2万4千円を超えるためにはNYダウが2万9千ドルを超えなくてはならない、という話ですからけっこうハードルが高そうに見えます。


 とはいえ、10月1日の消費税増税後には、補正予算の議論も出て来るでしょうし、景気が回復のサイクルに入って来るものも出て来るでしょうから、景気の先行きへの懸念が薄れて株の新規買いが入るようになるかもしれません。


 そうなれば、日経平均昨年高値の更新もなくもないかもしれない、と言えるかもしれません。


円安なしに日本株が上がる条件

 日経平均とNYダウのさやの拡大、円安ドル高と日本株の連動性、これらを断ち切れない限り、日本株の上昇には限界がありそう、というのが印象です。


 どうすれば、円安なしに日本株が上がるようになれるのか?(米国株は、ドル高でも上昇しています。)


 私は個人的には簡単に考えていまして、要するに株式需給がよくなって、日本経済の「成長イメージ」さえ出て来れば大丈夫、そうなれる、と思っています。(もちろん企業業績=ROE、がある程度以上のものを維持し続けるというのが前提ですが。)


 その需給をよくするのが難しいとおもうのですが、


需給が悪い要因

・外人売り

・持ち合い解消売り

・個人の売り(終活売りを含む)


需給が良くなる要因

・自社株買い

・イデコ、NISAなどの積立買い

・日銀の買い


 需給はなかなか改善しませんが、「改善の方向に進んでいる」とは言えるようにおもいます。


成長イメージの醸成

・地銀再編「期待」

・政府の「成長政策」

あとは、

・ヤフーによるゾゾの買収、のような積極的なM&A=これは好材料でしょう。


 すでに日本企業はROE8%はクリアしたのですから、もう少しROEを向上させて、株式需給がよくなり、「成長イメージ」が少しでも出て来れば、PERの上昇→株価のいっそうの上昇、となるように思います。


2019年9月13日

証券アナリスト

松下律