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未来予想の精度は高まる一方にある

鈴木 一之

2019/09/18 07:55

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人間は予想される災厄には対処できます。予想されないものにはもちろん対処しきれませんが、昔と違って現代社会はAIやビッグデータを使って、未来に起こりうることを予測する技術がはるかに向上しました。

それらも完璧ではなく万能でもありません。天気予報やマーケットの予想はいまも外れてばかりです。それも人間くさくてよいと思うのですが、人はあくなき野望をもって未来予測の確度を高めようと努力しています。

9月14日(土)、サウジアラビアの石油精製施設が爆撃されました。サウジやその同盟国・アメリカと敵対するイラン、あるいはイエメンの仕業とされていますが、本当の犯人はいまだ特定されません。原油価格は急騰し、週明けのマーケットはかなりの緊張を強いられました。

日本は3連休明けの取引だったため、海外市場の結果を見ることができるという緩衝材がありました。結果的に株式市場にはさほど動揺は見られず、日経平均はとうとう10連騰を達成しました。サプライズと言ってもよいほどの好調ぶりです。

本日(水曜日)の日本経済新聞の紙面には、世界の原油需給のデータが詳細に記載されています。それによれば、

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爆撃によるサウジアラムコの損失・・570万バレル(日量)
その後の3日間での復旧分・・・・・200万バレル強(同)
差し引きの不足分・・・・・・・・・370万バレル

OPECの余剰生産能力・・・・・・321万バレル
ロシアの余剰生産能力(予想)・・・・16万バレル
米シェールオイルの増産分・・・・・・37万バレル

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上記の計算によれば、サウジ最大の石油施設が空爆で稼働できなくなったとしても、短期間で修復できれば差し引きで世界の石油製品は需給ひっ迫は起こりえないことになります。

幸いというべきでしょうか。世界経済は目下のところ下り坂にあるため、もともと石油製品への需要はさほど強くないという事情もあります。

決定的に大きい要因が、現在の原油備蓄量です。国際エネルギー機関によれば、OECD加盟国の合計で原油備蓄は15億バレルに積みあがっており、きわめて高水準に達しています。しかも最大の備蓄国である米国がすぐに在庫の放出を表明したために、原油価格の急騰は最小限に抑えられました。

予想される災厄にはなんとか対処できるものです。マーケットの環境は不安定きわまりないように見えますが、よたよたした足取りでも案外しっかりしたものになっています。いつの時代も未来は見えにくいものですが、トヨタ自動車、ソニー、NTTドコモ、東京エレクトロンにリードされる現在の相場を見つめてまいりたいと思います。
(スズカズ)