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ブログ:Onevoice

AIの行きつく先は、全体主義国家

鈴木 一之

2019/11/06 07:55

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中国で10月末に4中全会(第19期中央委員会第4回全体会議)が開催されました。「共産党の権威と集中的な統一指導」が前面に打ち出され、管理体制の強化が改めて示しされましたが、それらとともに科学技術に関して、あらためて挙国体制を固めることが採択されました。

2015年に打ち出されたハイテク産業の育成策である「中国製造2025」に代わって、国内の研究機関や企業に蓄積された技術を結集して、半導体などの研究開発を進める方向性が強化されるとみられます。

4中全会と前後して、トランプ大統領からは米中貿易交渉に対して融和的なスタンスが打ち出されました。それを好感してNYダウはS&P500に少し遅れて史上最高値を更新しました。両者の関連は本当は何もないのかもしれませんが、時系列的に記述すればそうなります。

米国だけではありません。ドイツのDAX指数は昨年5月以来の高値、フランスのCAC40は12年ぶりの高値となっています。イタリア、ブラジル、ロシアも高値に進み、日経平均も昨日は23,000円の大台を突破しました。世界の政治と経済はどの国も越えがたい問題を山ほど抱えていますが、今のところ微妙な均衡のもとに世界同時株高の様相を強めています。

中国の意思決定はいつの時代も秘密のベールに包まれています。表面的に伝わってくることと真の狙いの在りかはずいぶんとかけ離れていることが多いものです。その辺の検証はかなり時間が経ってからでないとできないものですが、4中全会で盛り込まれた決議事項に「ビッグデータやAIの活用」の一項目がありました。AIを活用して社会の管理態勢の強化と新しい制度、規則の構築を行ってゆくそうです。

AIによる管理社会なんて、なんとも恐ろしいですね。ジョージ・オーウェルの「1984」がすぐに思い浮かびます。そこではビッグ・ブラザーに支配された監視社会、町中にテレビカメラとマイクが仕掛けられ、人々のほとんどすべての行動は政府当局によって監視されています。自由な意思表示も許されません。

AIに関するニュースを耳にしない日はありません。本日(11月6日)の日本経済新聞には、大学受験の名門予備校、駿河台予備校と河合塾がAIを導入して難関校の入試対策に利用すると報じていました。

設問を作る側の大学がAIを使って入試問題を出し、それに回答する側の受験生もAIによって指導を受けて合格を目指すという。ますます画一的で個体差のない入試が実現することになるのでしょうか。レベルはぐんと違っていますが、AI運用、AI投資が普及すればするほど、全体主義的な国家像とさほど変わりばえしない、均質的な世の中が形作られてゆくような気がします。
(スズカズ)