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ご近所の奥さま方の買い物途中の立ち話がなつかしい

鈴木 一之

2020/01/15 08:02

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年明けから米国とイランとの間で戦闘リスクが浮上し、世界はいきなりリスクオフ・モードから2020年の株式市場はスタートしました。

年明けから目まぐるしい展開が続いていますが、少し落ち着いてきたのでここで冷静に周囲を見回せば、いまの日本はあいかわらず問題が山積みの状態です。アベノミクスのかつての「3本の矢」のうち、成長戦略はなかなか成果が見えません。

私の暮らす町では、子どもたちに人気のあったお団子屋が昨年末に閉店しました。シャッターに貼られたあいさつ文には、「44年間のご愛顧、ありがとうございました」と書かれていました。

お団子屋だけではなく、昨年後半から立て続けに酒屋、クリーニング店、中華料理店など、小さなお店が次々と姿を消しています。やはりシャッターのあいさつ文には「23年間、お世話になりました」などと述べられています。

店をたたむ理由をご主人に尋ねると、社長(ご主人)の高齢化が最も大きく、そこに後継者難、材料費の高騰、耐用年数を迎えた機材の入れ替え負担、などが厳しいと言います。

それ以上に深刻なのが、店の前を通りかかる人の流れが途絶えてしまった、という点です。実はこれがお店を閉める最も大きな理由のようです。買い物は週末に家族そろって、クルマで大きななショッピングモールに行ってしまうとか。

私が子どもの頃は、夕方には近所の奥さん方が毎日決まって買い物に出かけました。毎日のことなので、特段の待ち合わせをしているわけではありませんが、15時から17時ごろは買い物の時間帯です。

商店街への行き帰りで知り合いの奥さんに出会うと、そこで立ち話が始まります。子どもの学校のことや近所のうわさ話など、延々と立ち話が続いていました。私の母もそうでした。気がつけばそういう光景を最近はほとんど見かけなくなりました。以前はなんとも思いませんでしたが、なつかしく思い出す光景です。

商店街のにぎやかな街はいまもたくさん残っています。しかしごく普通の町の、ごく普通の日常生活から人通りが途絶えてしまったという町も、同じようにたくさんあります。英国ではパブが消滅しつつある、というニュースを耳にしましたが、日本では味のある小さな思い出のお店が次々と消えています。

2月、8月決算の多い小売企業の決算発表が佳境を迎えています。繁盛する店舗とそうでない店舗の業績の格差が一段と広がっています。そればかりでなく、上場もしていない町の商店の事業環境は、私たちの想像がまるで及ばない独自の苦悩があるのですね。
(スズカズ)