Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

動いたら動くか・・

松下 律

2020/01/17 08:20

D5718516 997a 49b1 b8ed 3b901c12c91b castphoto15 matsushita

材料待ち?

 米国株式はまさに絶好調で、バブル領域に向けてまっしぐら、日本株はついて行けず、NYダウと日経平均の「サヤ」は5千ポイントをはるかに上回るという状態になって来ています。


 日本株については、値動き縮小、出来高減少で、要するに様子見する市場参加者が増えた、ということでしょう。(今日辺りで明確に日経平均2万4千円クリア、となるのかもしれませんが。)


 多くの材料が、これからどちらに動くか分からない状態にまで織り込みが進んだということでもあるでしょう。


・米中貿易戦争: 第一段階が終了、ということは、これから再激化もあり得るし、順調に鎮静化もあり得るということでしょう。


・中東の地政学リスク: 今分かっていることは、イランは米国と戦争する気はないし、米国も同じ、ということだけです。


・半導体業界: 昨日発表のTSMCの業績好調ということもありますし、半導体業界の回復・成長はほぼ間違いないようですが、半導体関連株はすでに軒並み上昇していますから、いつ反落局面があってもおかしくない。


・金融政策: 米欧の中銀は緩和に動いていますから、株価には追い風、ゴルディロックスの再来、となっているのですが、そういう時に何か悪材料がでて、例えばリスクパリティ運用の売りが出て来たりした、などということもありました。


・米国株: 金余りがもたらすバブル相場に向かいつつある、と思えるのですが、バブル相場で途中に結構な急落を見ること、これも多くの市場参加者が知っていることです。トランプ大統領の弾劾裁判の行方とか?気にしなくていい事柄なのかどうか、よく分からないところです。


 動いたら動こう、という投機的な資金は豊富に存在する、と見るべきです。今は日本株の相場はなぎ状態ですが、どこかで動き出すのだろう、可能性として順調に上昇トレンドを描く、ということもあるでしょうし、どこかで下落=健全な調整、というシナリオを想定しておく方が今後の対応がしやすくなるにちがいない、という方針も実務的でしょう。

 

ベンチマーク

 比較対象の株価指数のことをベンチマークと呼び習わしています。昨年度から有価証券報告書に株主総利回りのデータが記載されるようになりました。その際、比較対象としてどのような指標を用いるか?という場合、経営者はベンチマークを選択するというわけです。


 企業経営者も株主総利回りとベンチマークとの比較をしながら経営をしろ、ということになったということです。


 もともとベンチマークはファンドマネジャーにとっては重要な指標でして、中長期的に自分の運用するファンドの成績がベンチマークを上回る(アウトパフォームする)ことがファンドマネジャーの目標です。(そうでないとファンドの資金を失うか、自分がクビになるか、またはその両方、ということになります。)


 ふつうのファンドの運用で、ベンチマークをアウトパフォームする方法は次の二つです。


1. 組入比率をコントロールする。下落相場の時、組入比率を落としておけば、相対的にベンチマークに勝てます。


2. 銘柄を当てる: 市場平均より大きく上昇する銘柄を組み入れておくことに成功すれば、ベンチマークに勝てます。


 と、これは「投資の世界」の話です。


 株式運用には、これらと違って、投機の世界もあります。(個人による短期中心のトレーディングはその典型です。)


 プロの世界にもそういうのがありまして、CTA、ヘッジファンドなどが典型例でしょう。


 こうした世界では、ベンチマークをアウトパフォーム、といったことより「絶対収益率」が目標となります。


 どんな相場であれ、毎年コンスタントに3割ずつ儲け続けるファンドがあれば、それは十分な商売になりますし、個人の運用でもありがたいことでしょう。


 こうした絶対収益を上げるために必要なことは次の二つです。


1. 相場の方向を当てて、上がる時はロング、下がる時はショートに賭ける。


2. 相場を当てた時に、出来るだけエクスポージャーが大きくなる工夫をする。


 いずれも簡単なことではありませんが、挑戦してみる価値はある、ときっと思われている事柄でしょう。


 例えば、日経平均を例にとって、上昇と下落をそれぞれ、ノーマルなETFとリバース型のETFの「買い」で利益化しよう、としたとします。


 年間で20%上昇する相場だった年、ベンチマークをアウトパフォームしよう、という投資であれば、20%を上回ったらそうできた、ということになります。


 その年、日経平均が年初から15%上昇して、その後5%反落し、その後また15%上昇して、年末にかけて5%下落した、とします。


 年を通してですと、20%の上昇ですが、「変動」に注目しますと、


年間の変動率=15%+5%+15%+5%=40%


ということになります。相場の変動から絶対収益をあげようとするひとたちからしますと、この相場変動からは、40%の利益をあげることができたかもしれない、という計算になります。


 上がると思った相場が下がり、下がると思った相場が上がる、などということはしょっちゅうあることでそこで不用意にポジョションを取ると股裂状態になることもあります。


 常識的には、自分が取れると想定した変動率の合計の半分実現できれば上出来と考えるべきだろうと思います。


 投資の観点から自分の運用を評価するのと、投機の観点から評価するのではものの見方が全く違う(べきである)ということは意識しておく方がいいように思います。


令和2年1月17日

証券アナリスト

松下律