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お参りのおかげ

岩本 秀雄

2020/01/20 08:03

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 「改元以来、当地に対する注目度合いが著しく高まり、観光客の訪問数が6年前の遷宮以来の多さであった。この年末も交通渋滞が始まっており、好調のうちに新年を迎えそうである」

 先週内閣府が発表した景気ウォッチャー調査(19年12月調査)の東海地区における一般小売店(土産物店)経営者の現状判断に対する具体的状況の説明コメントをみて、何ともビックリしました。「東海地区」のうち何県なのかは示されていませんが、その文脈から考えると三重県の伊勢神宮付近のお土産物屋さんでしょう。このウォッチャーの現状判断は◎(「景気がいい」)でした。

「遷宮」というのは、20年に1回行われる式年遷宮のここと。神殿が建て替えられ、装束や調度などが一新される儀式で、神宮にとっては最も大事なイベントのひとつということから、この遷宮が行われる年には参拝者が急増する傾向があります。前回、式年遷宮が行われた2013年には、年間参拝者数(内宮・外宮合計)が1402万人(12年は803万人)と前年比75%増に急増しました。この1400万人というのは、明治末に統計を開始して以来の最高記録ということです。

その後は急減し、伊勢志摩サミットが行われた2016年には876万人まで増加しましたが、ここ数年は概ね800万人台の推移でした。それが12月には「遷宮以来の多さ」というのは、いったい何が起こっているのでしょうか…。このウォッチャーが指摘するように、改元・令和効果があるのかもしれません。

ただ、今回のウォッチャー調査を見ると、東海地区には「晴れの日需要で売り上げは落ち込むことなく、かなり好調である」(スーパー店長)、「普段はみられないミカンやリンゴの箱買いが多く見受けられ、景気が良いと感じる」(スーパー店員)「週末には客がタクシーを奪い合うような風景が見られ、前年より良い売り上げになった」(タクシー運転手)など、明るいコメントが数多く見られました。

江戸時代の「おかげ参り」がそうだったように、参拝と観光は一緒のもの。そしてかなりの心理的高揚も。そうすると、周辺の関連産業だけでなく、もっと広い地区でマインド改善効果が表れているのかもしれません。

消費増税、異常気象、インバウンド変調など景気の先行きを警戒する声が多くなっていますが、果たしてどうでしょう。3月下旬からはいよいよ聖火リレーが始まって、全国的に五輪ムードが盛り上がります。このイベント効果は壮大なものになるのでは…そんなことを考えさせられました。(イワモト)