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バブルへGo!!

松下 律

2020/02/07 08:20

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調整完了?

 アメリカ株に引っ張られて急反発の週という日本株相場でした。日経平均は、2月3日月曜日のザラ場安値22715円から、昨日木曜日の高値23995円まで、三日間で1280円、率にして5.6%の上昇ですからかなりハイペースの戻りです。売り方の買戻しが主導したことを窺わせます。


 アメリカ株がなぜこんなに強いのか?よく分からないところもあります(大統領選挙の年だから?)が、売り方の買戻しを容易に引き出すことができる、というのはよほど需給がいいのでしょう。


 今週出たいくつかの指標を見ますと、


2月3日 1月ISM製造業景況指数  予想48.5 ⇒ 実績50.9 (予想外の回復、米中摩擦の悪影響が底を打った?)

2月5日 1月ISM非製造業景況指数 予想55.0 ⇒ 実績55.5 (予想とおりの堅調)

2月5日 1月ADP雇用統計      予想15.6万人 ⇒ 実績29.1万人 (予想以上の増加)


 ということで、確かに反落を狙って売っていた向きが慌てて買い戻したとすれば、理解できるデータだったようです。売り方のもう一つの頼りだった新型肺炎のパンデミック懸念は、「もう聞き飽きた」というところでしょうか。大統領弾劾裁判は、予想通りの結果。茶番劇だったと言うひとがいても全く違和感がありません。


 民主党の大統領候補者選び、若手が台頭して来た、ということなのでしょうが、現時点では共和党からすればお手並み拝見といったところ・・大統領の一般教書演説の後にペロシ議長が原稿を破ったのも今のところはつまらないパフォーマンスに過ぎないでしょう。


 年初の「地政学リスク」時も、今回の「新型肺炎懸念」時も、日経平均で見て変動値幅は1000円程度でした。売り方からすれば、値幅1000円以上の下落が期待でしょうし、買い方から見れば例えば日経平均で2万4千円を明確に超える、といったことが期待でしょう。


 今のところ、両者痛み分けといったところです。今後どちらに軍配が上がるという展開になるのか、引き続き日経平均おおむね23000円~24000円のレンジ内の留まるのか?年度内(3月末まで)はどうやらそんな感じか?ということかもしれません。


止まらないアメリカ株

 アメリカ株は、地政学リスクもパンデミックリスクも何のそのの反発で、いよいよ「バブルへGo!!」の様相を色濃くし始めています。


 バブルのピークがどのくらいの株価水準になりそうか?市場全体の水準と、バブルの中核銘柄の株価水準、また、時間軸で見てどのような想定をすべきか?


 市場全体の水準はおそらく予想PERで見て20倍台半ば程度、とそれほどバブルっぽいことにならないのではないかと思います。


 バブル全開(よく言われた、チューリップ満開)となるのは一部のIT関連銘柄でしょう。現時点で想定するとすれば、やはりGAFAMの類、となるのではないでしょうか。そういう意味で、どうも2000年のドットコムバブルに似ているような・・


 時間軸は、想定がそうとう困難だと思いますが、あと1年か、1年半位ではないかという気がします。


 バブルを楽しめるか?それとも崩壊を恐れて萎縮するか?実はそれは、今現在のポジションですでに決まっています。


 現時点ですでに簿価の低いGAFAM系銘柄をたっぷり持っている人は、今後のアメリカ株のバブルを満喫できるでしょう。あとはバブルの崩壊に付き合わないよう注意を払うだけです。


 GAFAM系銘柄をまったく持っていないという米国株投資家はまずいないと思いますが、もしいたら、もうここからバイアンドホールドでそれらを新規に買っても手遅れです。まだ上がっていない候補株を探すか、バブル株の短期トレーディングに徹するしかないでしょうね。(今年ここまでで、なぜテスラ株が急騰したのか?思いを巡らす価値があるでしょう。)


 日本株への影響を考えますと、恩恵を受けるだろうが、株価の上昇はアメリカ株ほどではない、結果として、相対株価で見るとアメリカ株にさらに置いて行かれるという展開を受け入れざるを得ないように思います。


 それから、円ドル相場には注意が必要かもしれません。


 トランプ政権は、アメリカの貿易収支の赤字が改善傾向にあるとして実績を誇示するでしょうが、実のところアメリカの製造業者は実感が乏しいと思われます。アメリカ製造業を輸出拡大で選挙選の味方につけたいとすれば、何らかの形でドル安を目指す、例えばさらに政策金利を下げる、というか、下げさせる、といったことはあるかもしれません。あるいは、貿易摩擦が再燃、ということもあるでしょう。


 円高への目配りはしておくべきだろう、という気がします。


予想をどう位置付けるか?

 できの悪い経済学者のような言い口ですが、例えば、「ここに、ふたつの相異なる予想があると仮定しよう・・」ということで、


1.今年度末(2020年3月末)までに、日経平均は25000円を超える。


という予想と、


2.今年度末(2020年3月末)までに、日経平均は2万円を割り込む。


 現時点で日経平均は、24000円弱ですから、1.の予想の方が近いところにいるわけですが、今週の月曜日には23000円を割り込んでいたのですから、2.の予想もそれほど突飛ではありません。ふたつの予想の間では、日経平均で5000円もの開きがありますから、3月末になれば、どちらが「当たったか」明白になるはずです。


 さて、あたたなら、こうした相異なる予想(さまざまな意見、見解)に対してどう対処しますか?あるいは、そうした予想をどう位置付けますか?


 またもできの悪い学者のような言い方になりますが、「予想に対する対応には、ふたつのやり方があると仮定しよう・・」ということで・・(先週コメントしましたとおり、エーザイは、資本コストを8%と「仮定」しているそうです・・)


1.どの予想が当たるか、よく見定める。もっと言えば、「誰の予想が当たるか?」現実を見て評価を下す。自分のポジションを「予想の当たる人の予想に合わせたい」と考える。


2.自分のポジションがそれらの予想が実現したときにどのような損益をもたらすか、を見積もる。その見積もりからして、自分のポジションが適切な「賭け」になっているかどうかを判定する。


 100発100中の予想をする人(預言者と呼んでおきます。)が、もしいるとすれば、預言者の予想に賭ける価値はあります。しかし、相場において、預言者の存在を信じることはやめておく方が無難です。


 一方で、ポジションを取る、ということはいずれにしてもリスクを負う行為です。そのリスクがもたらすかもしれない不都合な結果(要するに損失)を予想に基づいていつも把握しておくことは、相場に賭け続ける上で大切なことです。


 相場の世界には、さまざまな「預言者」がいます。預言者をどう評価するか?すぐれた預言者を探す努力を怠らないようにしよう、というのもやり方ですし、預言者に頼らず自分の「賭け」を粛々と実行するのもやり方です。


令和2年2月7日

証券アナリスト

松下律