Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

日米の差

松下 律

2020/02/14 08:25

D5718516 997a 49b1 b8ed 3b901c12c91b castphoto15 matsushita
 新型肺炎もやがては流行が終息するでしょうから、その悪影響が「一時的」であることは間違いのないところです。(かつて、1億人の死者を出したと言われる100年前のスペイン風邪の流行も、ある期間の後に終息しています。)


 しかしながら、「一時的」とは言っても、少なくとも数か月以上でしょうし、あるいは1年を超えて悪影響を世界経済に及ぼす、ということもあるかもしれないと多くの人が思っているでしょう。


 その間、どう見ても世界経済と日本経済にマイナスの影響を与えるわけで、株式相場がその悪影響を受けないと決めつけるわけには行かないでしょうね。


 ではどの程度の悪影響を受けそうなのか?それが皆目分からない、というのが現状です。


 したがって、多くの市場参加者は様子見になる、ということでしょう。そうなれば、状況によっては「売り崩し」を図る向きも出て来る道理で、相場がここから数週間のうちに荒れるかもしれない、という警戒は多くの買い方が持っているのだろうと思います。


 日経平均で見て、下が2万3千円を少し割り込む水準、上は2万4千円どころ、というレンジ内の動きだろう、と現時点で思うのは妥当だろう、と感じます。2万4千円近辺では売り、2万3千円割れは買い、といった対処でいいのではないか、といった具合です。


 ただ、数か月スパンで見て、相場ってそんな穏やかな動きなのだろうか?という気は正直します。動けば、日経平均で見て2千円幅以上の変動は平気でする、というのを目の当たりにして来た、というのが事実です。


 日本経済は、昨年10-12月期にマイナス成長、今年1-3月も、新型肺炎流行のせいでマイナス成長、ひょっとすると今年を通してマイナス成長の恐れもある、との指摘がちらほら出ています。今年はまだ10か月以上残っているのですから、経済対策をいくらでも打つことができるわけでして、むざむざとマイナス成長に落ち込むとしたら無念なことですが、先行きのリスクとしては勘定に入れておく必要がありそうです。


日米の差

 それにしましても、米国株の強さは際立っています。彼我の差は何かと思うのも癪ですが、差があることは確かのことなのでしょう。


・経済ファンダメンタルズの差:何しろ成長率に差があります。日本の潜在成長力も捨てたものではない、と思うのですが、現実の差は如何ともしがたいところです。


・企業収益の差:要するにROEの差です。日本企業にROE10%以上を求める、というのは非現実的なのかもしれませんが、期待するしかありません。


・株式需給の差:世界中からカネが集まって来る市場と、忘れ去られかねない市場、自社株買いの規模の違い、等々、株式需給の差は大きいと言わざるを得ません。


・金融政策の差:米ドルは基軸通貨ですから、日本円とは根本的に違うのですが、米国がこんなに金融緩和政策を取れるというのはどういうことなのでしょう、ドルへの信認の強さがあることは確かでしょう、さらに、そういう歴史的局面にある、とでも思うべきなのでしょうか。


・覇権:米国の地位が相対的に落ちている、という言われ方をすることが多いのですが、事実を見れば、農業、資源(原油生産等)、ハイテク分野、軍事力、金融、等々、あらゆる分野で米国が覇権国家であることは間違いありません。GDPの規模で中国に追い上げられていると言っても、中国は人口が多いからというだけのことが多いように思います。


 それやこれやで、日米の差は大きく、結果として、DJIAと日経平均のサヤは拡大の一途、となってしまっています。どこかで挽回のチャンスを日本経済が掴めないものか、と思うのですが、今は、米国株バブルの進行に注意深くついて行って、やがてやって来るバブル崩壊のとばっちりを避ける、できればバブル崩壊でひと儲けを画策する、といった目で動きを見ておきたいものだ、と思っています。


令和2年2月14日

証券アナリスト

松下律