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政治主導に変わった景気対策

中嶋 健吉

2020/03/19 07:59

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暴力的な株価変動を続ける株式市場を前に、その対策は中央銀行主導から政治主導に明確に変わってきています。端的な例はアメリカで、予想外の且つ異例の15日(日曜日)に、FRBが前倒しで実質ゼロ金利政策を導入したものの株式市場は過去最大の下げ幅▼2997ドルで返事をしています。危機感を強めたトランプ政権は、最大1000ドルの小切手支給を含む総額1兆ドルの景気対策を打ち出します。日本円で約107兆円になり、2008年のリーマンショック対策で中国政府が打ち出した、4兆元(当時の為替で約57兆円)のほぼ2倍に相当する巨額のものです。余談は許しませんが、株式市場が反発したことから、取り合えず市場が望んでいる政策が、最終需要を明確に掘り起こす財政拡大的なものだと分かります。


少し例が古くなりますが、1965年の日本での証券危機対策が思い起こされま 

す。1964年の東京オリンピック終了後に景気は大きく落ち込みます。証券会社間の過剰な新規上場競争、時価総額の10%を超えるまで巨大になった投資信託など、業界固有の問題もあり株価はじりじりと下落を続けます。株価の下落に歯止めをかけるため業界あげて「共同証券」を設立、約1936億円と時価総額の2.84%を市況から買い入れますが、下落に歯止めをかけることが出来ません。更に新たな組織として保有組合を設立、市場から時価総額の6.72%に当たる4590億円を買い入れる事になります。株価は最終的に1965年7月12日の1020円で下げ止まるのですが、これは市場からの買い入れが功を奏したからではなく、過去に例のない初めての赤字国債発行を含む総合景気対策が発表になりそれを好感したからです。株価はその後の景気回復を受け順調に上昇し、買い入れた当時としては巨額な保有株の処分も問題なく終了できたのです。


安倍政権は景気刺激策を予定していますが、過去に例のない株価下落を前にして、必要な対策は1965年当時そうであったように、過去に例のないものであってほしいものです。 

(中嶋)