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6月のSQは?

松下 律

2020/05/20 08:20

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 一昨日の米国株式市場では、モデルナ社のワクチンのフェイズワンの結果が良好だったということで、DJIAは一時1000ドル高まで上昇しました。ワクチンに対する期待の大きさを見せつける動きだった、ということに加えて、売り方の買戻しが相場上昇に大きく影響したのだろう、と思わせるものでもありました。


 今年3月中旬にかけての相場下落はまさに「コロナ・ショック」だったわけですが、ワクチンの成果が売り方の買戻しを誘ったということであれば、一昨日の米株市場では、売り方にとって「ワクチン・ショック」が起きた、という見方もできるのかもしれません。


 日本株市場でも、売り方の買戻しで相場上昇、という昨年秋に起きたような上昇があるかもしれないと思わせるのですが、今のところ目立った買戻しによる相場上昇は起きていないようです。


下げて上げて・・

 今年の日経平均の推移を見ますと、

・1月17日ザラ場高値24115円 ⇒ 3月19日安値16358円 ⇒ 昨日の高値20659円


 3か月スパンで振り返りますと、

・2019年12月13日日経平均終値24023円 ⇒ 2020年3月13日17431円 ⇒ 2020年6月12日 ❔


ということで、高値から7757円下落、下落率32%、最安値から4301円、26%戻った、下落の値幅に対して、戻りの率は55%、「半値戻しは全値戻し」となるのか、業績悪化を織り込んだ水準に留まることになるのか?見方の分かれるところに差し掛かった、ということのようです。


 コロナショックによって、今年3月~6月にかけて、わが国のGDPが50兆円くらい減少してしまう悪影響を受けそうだ、と言われていて、それを反映した株価が、例えば日経平均で見て、どれ位の水準なのだろう、と誰しも思うのですが、それを今市場が決める動きをしているところなのです、と言われてしまいそうです。


 大方の見るところ、コロナショックによる経済への悪影響が無くなるのは、2021年の後半、のようです。株価が半年くらい先行するとしますと、株価面でショック以前に戻るのは、2021年の春くらい、ということになるのでしょう。


 コロナショックで企業収益は明らかに悪化するわけですから、投資尺度で見て割高の状態が続くことになると思われます。となりますと、来年の春くらいにはショック以前の株価水準に戻るとしましても、その前には下落局面がまたやって来るかもしれない、ということになります。


 ショック安 ⇒ 戻り、の後にかなりの規模の反落局面があるかもしれない、ということは覚悟しておくべきだという気がします。


 例えば、日経平均で見て、6月のSQ辺りをメドに2万1000円台回復、その後企業業績の実態悪を嫌気して相場下落、3月の安値1万6000円台はさすがにないものの、2万円を大きく割り込む、という相場推移を想定する、といった人が出て来ても不思議はない、と言うしかないのかな、と思ったりします。


 6月SQに向けて、もう一段高があって、その後いわゆる二番底に向かう、というシナリオを想定するなら、まさに「セル・イン・メイ」になる、と言えるのかもしれません。


ここからは二番底を意識?

 株式相場の「二番底」の明確な定義があるのかどうか、私にはよく分からないのですが、個人的なイメージとしますと、二番底というのは、一番底の数か月後くらいにやって来て、一番底よりは水準が上なのだけれど、その前の戻り高値からみるとかなりの下落となるような下落、という感覚を持ちます。


 例えば、日経平均が今後2万1000円を超える水準にまで戻った後に、夏場に向けてまた2万円割れ、1万9000円割れ、あるいは1万8000円割れ、というようなことが起きれば、その下落は二番底を目指す動き、ということなのだろう、と思えるのです。


投資の観点から

 投資の観点からしますと、コロナショックは投資ポートフォリオに大きなダメージを与えたものの、投資の基本戦略を変更しなければならない、というようなことではなかった、と思うのではないか、と感じます。


 ただし、コロナショック後の世の中の変化に、ポートフォリオを少し変更して合わせる方がいいのではないか、と思う投資家が多いのではないか、とも思います。


 具体的には、インバウンド、観光、エアライン、イベントなどに関連する業過に属する企業への投資には慎重になる、といった修正を投資行動において加えて行く、ということになるのではないかと思います。


投機の観点から

 投機の観点からしますと、コロナショックによる暴落はさておいて、ここからは、暴落後の戻りをどの程度までと想定するか、その後の下落をどの程度の規模想定するか?その際にどうポジションを取るか?といったことが戦術になろうかと思います。


 下がったとはいえ、依然として高い水準にあるボラティリティを考えますと、単純にコールを買うとか、プットを買うといった戦略は取りにくいのではないかと思います。


 自分の現物株ポートフォリオに対して、コールオプションをいわゆるカバードコールとして持つ、とか、あるいはどこかで先物の売りポジションに賭ける、といったことが戦略として思い浮かぶのかも知れません。


令和2年5月20日

証券アナリスト

松下律