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「コロナショック」から「コロナバブル」へ?

松下 律

2020/05/27 08:20

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 NY株式市場は連休明けの26日約2か月ぶりの立会取引を再開し、売り買い活況の内にS&P500種株価指数は3月初の水準を上回って引けました。


日経平均2万1000円超え

 先週の水曜日の相場のハイライトは、「マザーズ指数の昨年末水準超え」でした。そして、昨日のハイライトは「日経平均2万1千円台回復」だったでしょう。日経平均は、3月6日日以来の21000円台、コロナショックからの相場修復がかなり進んで来たという印象です。


 日経平均で見れば、ここから6月のメジャーSQまでに、どこまで上昇できるか、が焦点です。


 1か月半に亘る緊急事態宣言の解除、第二次補正予算の編成等々、将来の経済ファンダメンタルズと企業収益にプラスとなる動きが鮮明になったことは確かですが、足許の経済・企業収益はそうとうな落ち込みであり、今現在の企業収益からすれば、株価は割高と思われても致し方ないにもかかわらず、現実の株価は順調な上昇、となっています。


 PERはともかくとして、PBRで見れば、現時点の日経平均はPBRがようやく1を少し上回った程度ですから、割高と言えるのかどうかよく分からないところですが、このところの株価上昇はファンダメンタルズよりは需給の影響が強いように思います。


 マザーズ市場で言えば、個人の新規資金の流入が需給を好転させたと見られること、日経平均とかトピックスで言えば、海外勢の空売りの買戻しが入って(結果として需給がよくなっていること)などを指摘できるように思います。


 同じように需給の良さをエンジンとして上昇した局面は昨年8月から11月までにも見られたものでした。当時、裁定売り残が2兆円を超えており、一部のアナリストの指摘に拠れば、「海外勢の売りポジションがすべて解消されれば、日経平均は2万4千円超えまで上昇もありうる」とのことで、その後確かに日経平均は2万4千円をクリアしたのです。


 足許で、裁定売り残の規模は去年夏よりさらに多い、2兆4千億円規模に達しています。空売り筋の買戻しが進めば、日経平均はまた2万4千円台をクリアできるかもしれない、と思う人が出て来ても不思議ではありません。


 株価上昇の背景にCOVID-19の経済への打撃を和らげるための金融・財政措置があることは間違いありません。要するに、過剰流動性相場、というわけです。


 気の早い向きは、コロナショック対応の資金供給で、株式相場が「コロナバブル」化する、というコメントを発したりしています。ショック安から立ち直ったとは言え、日経平均のPBRはたかだか1倍ちょっとですから、バブル領域からはほど遠いのですが、今後経済と企業収益がコロナショックから立ち直る局面で、株式相場がバブル化することはあるかもしれないことは忘れないようにしたいものです。(米国株式市場を見ますと、GAFAMなどの株価は確かに「コロナバブル」と言えなくもありません。)


新しい〇〇〇

 この2か月ほど、新型コロナウィルスに関連して実に多くの政府批判がなされました。中には、安倍総理は独裁者、という論までありました。(以前からあったことですが。)


 もし、安倍氏が本当に独裁者で強権を発動できるなら、安倍氏を独裁者呼ばわりした人物が無事でいられる気がしないのですが、いずれにしましても、わが国がいかに言論の自由を満喫できる良い国であるかを実感しました。


 新型コロナウィルス対策に関して言えば、私の感覚は政府はさまざまな制約の中で優れた指導力を発揮したというものです。しかし、いろいろ問題点が浮き彫りになったことも確かでしょうね。


 問題点はこれから解決して行くとして、株式市場に関係する者としては日本の企業行動がこれからどう変わって行く(べき)か、という点には注目せざるを得ません。


・働き方改革を進めて生産性を向上できるかどうか?

・中国に偏り過ぎているサプライチェーンを再構築できるかどうか?

・自社が提供するサービスや製品の価格を引き上げることができるかどうか?

・国際競争力を維持できるかどうか?

等々。


 日本ダメ論者なら、すべてにおいてネガティブで、日本の将来は真っ暗だと結論付けるかもしれませんが、私は個人的には日本企業はいつの間にか変身してそこそこうまくやって行くような気がしています。


 来年の今頃、「二年後には上場企業の収益が過去最高の水準となる見通し」というニュースが出て来るのを期待している、という感じでしょうか、イメージ的には・・


令和2年5月27日

証券アナリスト

松下律