Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

「増益」の月

岩本 秀雄

2020/06/01 08:02

15fe617c b416 4de4 a6e8 4294725e91b1 castphoto02 iwamoto
増益寿命
疫病退散

 2年ほど前にも当欄で紹介したことのある入谷法昌寺。最近、その境内には祈願の書き文字が掛けられています。仏語にはまったく詳しくなく、あまりにも世俗的な生き方をしている当方、最初は、この「増益」なる言葉に驚きました。「お寺さんまでが増益(ぞうえき)祈願とは…」と。
もちろん、「ぞうえき」と読むのではなく、「ぞうやく」と読むのが正しいのだそうです。「増し、ふやすこと」といった意味があるそうです。広辞苑には「増益法(そうやくほう)」という言葉が載っていて、「密教で、福徳、繁栄など現在の状態を積極的に増進させる修法」と説明がありました。

ですから、「増益寿命」(「寿命増益」との表現もあるようです)という四文字の言葉には、一般的にはあらかじめ決まっているとされる命の時間を何らかの工夫によって延長させよう、つまり寿命を延ばそう、という意味があるのでしょう。21世紀になって、抗生物質の一種には動物の寿命を延ばす効果があることや標高1000メートル以上の高地に住む人は長寿が多く、糖尿病患者は健康人よりも寿命が短い…といったことが研究によって明らかになってきたようです。新型コロナウイルス感染で基礎疾患を持っている人の死亡率が高いことも寿命の長短と大いに関係しているのでしょう。
 
そういえば、しばらく前まで「健康寿命」なる言葉が政府機関を発信元にして盛んに喧伝されていましたが、今回の、コロナ騒動で明らかになった生理的、物理的、そして絶対的な「寿命」という言葉の前で、その何とも薄っぺらで、能天気な言葉の感覚が露わになってしまったような気がします。
 
「増益長寿」には、「疫病退散」が欠かせないこと。経済活動の復活も大事なことですが、人の命も大切。前のめりになっている政治には警戒が必要かもしれません。
 
本日から6月。「水無月」とも「水張月」ともいいますが、いづれにしても雨が多く「水」が欠かせない月。厚生労働省は「熱中症に気をつけよう」と呼び掛けていますし、気象庁は西日本での大雨警戒を唱えています。
日経平均は過去10年間で6勝4敗と、やや勝ち越し。でも、日米ともに「年間の高値をつけやすい月」というジンクスがあります。今年は4月、5月とプラスが続きましたから、6月も増益で…、とは俗っぽい落ちで申し訳ありません。<6月1日>