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ブログ:Onevoice

いまこそ注目すべきは、自動車業界です

鈴木 一之

2020/07/15 07:53

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世界は新型コロナウイルスの感染拡大を恐れて、息をするのもためらう状況が続いています。

イギリスではマスクの着用を義務づけるかどうかでジョンソン首相が決断を迫られています。そんなにたいそうな判断が必要なのかと、日本人の私は首をかしげてしまうのですが、自由を愛する欧米人にとって義務化となると想像以上に苦痛なのでしょう。

自宅にこもってばかりもいられず、そうかと言って経済を再開すればあちこちで感染が広がり、鬱々とした気分は当分晴れそうにありません。

世界中が完全なまでに同調してうつむきかげんの日常生活を余儀なくされています。スカッとする話が非常に少ない世の中で、数少ない痛快なニュースがイーロン・マスク氏にまつわる最近の動静です。

毀誉褒貶の激しいイーロン・マスク氏ですが、このところ目を見張るような快進撃が続いています。今年5月に宇宙開発を手がけるスペースX社の宇宙船「クルードラゴン」が有人飛行を成功させました。米国からの有人宇宙飛行としては2011年以来、9年ぶりの快挙です。

それどころか、国際宇宙ステーションへのドッキングまで実現させたました。民間企業の有人宇宙船が国際宇宙ステーションにドッキングするなんて、夢のまた夢と考えられていましたが、それが全人類の見ている前で成功したのです。コロナ危機下でなければたいへんな騒ぎになったことでしょう。

さらに「テスラ」の快進撃です。いまや世界最大の電気自動車メーカーとなったテスラ製EVが、コロナ危機を追い風に売り上げを急増させています。世界中のガソリン車がサプライチェーンの寸断、工場休止、消費者の所得減に直面して極度の不振に直面している一方で、テスラだけが別世界にいるようです。

コロナ危機の反作用で中国やインド、東南アジアの道路の渋滞や工場稼働が抑制され、大気汚染が消えて、期せずして人類は青空を取り戻しました。この状態を維持して温暖化ガスをなくすには、やはり電気自動車しかないと世界中が本気で考えた末の結果だということです。

テスラの株価はコロナ危機下で逆に急上昇し、史上最高値を更新し続けています。電気自動車に多用される銅市況も上昇しています。株式市場ではテスラ株がS&P500に指数採用されるとの見方がもっぱらで、イーロン・マスク氏の評価は大ほら吹きから、希代のベンチャー経営者に急上昇しました。

そのマスク氏は7月9日に上海で開催された世界人工知能大会にビデオ経由で出席し、自動運転の未来に対して「近いうちにレベル5が実現する」との見通しを披露しました。

レベル5と言えば完全自動運転です。この段階に至れば高齢問題、地方の過疎問題、コンパクトシティ、買い物難民、人手不足、宅配クライシス、生産性向上、など日本が抱えるあらゆる問題・課題が解決にめどが立ちます。

民間企業による有人宇宙飛行がこれほどあっさりと実現してしまう世の中です。自動運転のレベル5の時代もあっという間にやってきてしまいそうです。うつむきかげんのこの時代、私たちの目の前では実はおそるべき変化が起こっているのかもしれません。今は沈黙している自動車業界やその周辺企業に目を凝らしておくべきです。
(スズカズ)