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どこでどちらに離れるか?

松下 律

2020/08/07 08:20

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依然レンジ内の動き

 6月以降2か月以上に亘って日経平均は2万2500円プラスマイナス500円のレンジ内の動きに終始しています。


 その間、日経平均が2万3000円を超えたことと2万2000円を割り込んだことがそれぞれ2回ずつありましたが、いずれも一瞬といった感じでした。


 過去数年、この日経平均2万2500円という水準が中心的な水準になってしまっているようです。偶然ですが、この水準は日経平均の史上最高値とバブル崩壊後の最安値のほぼ半値戻しの水準です。


 先週金曜日、日経平均は600円超下落しましたから売り方は勢いづいたと思うのですが、今週に入って月曜日火曜日で800円以上反発しましたから、今度は売り方どからすればがっかりだったでしょうし、買い方はほっとしたというところだったでしょう。


 これからどこかでこのレンジを破る局面が到来すると思います。どの辺りでそうなるか、どれくらいの幅で動くか?賭けの対象としては面白いものとなりそうではあります。


 昨年の相場では、8月~12月に日経平均が4000円幅で上昇する局面がありました。COVID-19の蔓延に対処するために、各国がまた都市封鎖を行うなどということになれば、経済の悪化と株価の下落は避けられませんが、そうならないとしますと、ワクチン開発、治療法の進展に伴って先行き経済の回復を期待する形で株価の上昇が進むかもしれません。


需給、ファンダメンタルズ、値位

 円ドル相場は、7月中穏やかだったのですが、月末から8月初にかけて大きく動きました。ソフトバンクのドル資資産売り観測⇒円高、その後には、セブンアンドアイの米コンビニ買収報道⇒ドル調達観測⇒円安、といった具合で、経済ファンダメンタルズとか金利といった要因ではなく、需給で動いたように見えるところがいかにも夏枯れの中での動きという感じでした。


 米国経済データとその株式相場への影響をみますと、強弱まちまちなものが出て来ているように見える割には株価は強調という印象です。


8月5日発表

・7月ADP雇用統計(前月比)

予想 120万人

結果 16.7万人

6月修正値 431万人(修正前 236万人)

 この数字は株価にはネガティブと思われたのですが、一方で、


・7月ISM非製造業景況指数(総合)

予想 55.0

結果 58.1

6月 57.1

ということで、米経済は順調に回復軌道に乗っていると思われたのかどうか、米国株は上昇となっていました。米ダウと日経平均のサヤは4500円を超えるところまでひらいてしまいました。


 4-6月期の米GDPが年率32%の減、個人消費も32%減、ということでショッキングだと思われたのですが、3か月の年率ですから、4-6月3か月、米国民は全体として8%消費を減らしただけ。100万円使うのではなく、92万円使った、というだけで、それほど深刻には思えない、とも言えるのかもしれません。


 もちろん、それほど減ってない消費、あまり減らなかった消費、大きく減った消費、むしろ増えた消費、と分かれたことは確かだったでしょう。そのことが株価に大きく反映していると見られます。(わが国の場合、コロナ禍でも大きく伸びた、という会社が大企業の中に少ない、というのがけっこう響いている感じですね。)


コロナショック

 コロナショックがどんなショックだったと将来振り返ることになりそうなのか?よく分からないところですが、個人的には、コロナショックに関連するもっとも重要なキーワードは「再定義」というのが私の印象です。


 コロナ前であれば、何か月もかけて豪華客船に乗っての世界旅行などくだらない、と言ったら、貧乏人のひがみ、と思われたかもしれないのですが、今なら、それはそれで立派な考え、と言ってもらえるかもしれません。リタイアした夫婦が豪華客船で旅するということの「価値」は今や再定義されるべきもののひとつとなっている、そういうことでしょう。


 おそらくコロナショックで個人の購買力はあまり失われないと思います。もちろん政府の財務体質は悪化しますし、過剰流動性の問題は残ると思いますが。


 しかし、個人消費の動向や選好は大きく変わる、といううことは確かでしょう。


・F2Fは貴重なものになる。

・旅行は減る。

・外食も減る

・化粧品消費も減るものが多い。

・接客を伴う飲食需要はもちろん減る。

・中国に傾き過ぎたサプライチェーンが再構築される。


 こうした変化においてわが国の企業がどのように行動して株主の期待に応えてくれるか?楽しみと言えば楽しみなのでしょう。


令和2年8月7日

証券アナリスト

松下律