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メジャーSQ

松下 律

2020/09/11 08:20

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どちらに軍配

 今日のSQ値がどんな水準になりそうか、23000円の攻防で、昨日の引けまでは、どうやら23000円買い派がなんとか勝利、という感じだったのですが、売り方の反撃があるのかもしれません、どうなりますか。


 先々週の金曜日の安倍総理の辞任報道、先週金曜日の米雇用統計、昨日の米物価統計、ECB総裁発言等々、それぞれそれなりに相場は反応したように思われるのですが、影響はごく短い時間だけだったという印象です。(ユーロは対円、対ドルで上がったようですが。)


 相場がファンダメンタルズや材料を無視して動いている、というよりは、もっと別の強い力によって動いているということなのでしょう。


 投機的な資金力、と言いましょうか、金融緩和と財政支出増によってもたらされたバブル領域の株価とそれによって得た大きな含み益、ボラティリティの上昇、などが株式相場にどういった影響をもたらすか、といったことを考えることの方が重要になっているのでしょう。


 もちろん、投資の観点から銘柄を選択して粛々と投資を実行している人たちもいるわけで、おそらくはバークシャー・ハサウェイの総合商社株買いは、今のバブルへGo!的な市場とはほとんど無関係に意思決定がなされたものなのでしょう。


 ソフトバンクGの行動がいろいろ報道されています。実際に何をしたのか、その結果がどうだったのか、分かるのはもう少し時間が経ってからでしょうが、興味深いところです。


 巨額の資金がどのように投機的に動いたのか、テスラの株価の動きがその象徴的なものに見えます。


 テスラの時価総額がトヨタをはるかに上回るということが、将来テスラという自動車会社がトヨタより大きくなるということを示しているということだとしますと、トヨタにとって容易ならざることですが、市場参加者の多くはそういうことではなくて、投機筋のお手並み拝見、といったことになっているような気もします。(トヨタにしろゼネラルモーターズにせよ、電気自動車分野でテスラに太刀打ちできない、とはとても思えません。)


 純粋に将来の自動車産業における電気自動車の位置付けとトヨタの対応、という観点からしますと、トヨタは自動車用電池開発の進展に合わせて着々と手を打っているはずでしょうから、投資家としては、トヨタ自体に加えて全固体自動車用電池の関連銘柄、村田製作所とかTDKとか三洋化成などに注目することを忘れないようにしておこう、となるだけ、という気もします。


 考えようによっては、テスラを率いるマスク氏の思惑はテスラという事業体を誰かに高値で売却することにあるのでは、という気もします。上場は部分的にそういうことなのですし、丸ごと売るとすれば一番の可能性は中国資本に、でしょう。となりますと、これから想定される米中の対立は逆風だろうな、と、そんな感じもします。


グロースとバリュー

 物色対象として見たときに対極にあるのが、グロースとバリュー、という風にも見えるのですが、実のところ、株式投資においては、グロース投資もバリュー投資も同じことです。


 同じ、というのは「投資収益をあげるために割安な株を買う」という目的からするとそうだ、という意味です。(どちらもアクティブ運用と呼ばれる投資手法のひとつです。)


 理由は簡単でして、グロース投資は将来の利益に対して現時点の株価が割安な株に投資しようとする投資手法ですし、バリュー投資は現時点の利益に対して株価が割安な株に投資しようとする投資手法だからです。割安に目を着けるという点で同じなのです。


 ただ、投資手法としては確かに対極にあります。グロース投資では、その会社の将来の利益を予想する能力が求められるのに対して、バリュー投資では、現時点の利益が継続できるものなのか、現在株価が割安に放置されているのは何故か、といった点の分析が重要だからです。


 このように、投資の観点=割安なものに投資しようとする、からしますと、グロースもバリューも同じなのですが、投機の観点からしますと見え方はまったく違ってきます。


 おそらく投機の観点から、バリュー株を選ぶ投機家は少ないだろうと思います。値動きは小さいし、場合によっては出来高も小さいことが多いからです。(投機の観点からバリュー株を選ぶ投機家は、レバレッジを使って値動きを増幅することに焦点を定めるでしょう。)


 バリュー株がバブル化すれば、それはバリューでなくなりますから、バブル化したバリュー株というのはいわゆる仕手株とか何とかそういう実態からかけ離れた株価の銘柄、ということになりますが、グロース株はしばしばバブル化します。


 値動きの大きな、「バブル領域にあるグロース株」は、投機の観点からもっとも注目される銘柄になります。GAFAM、テスラ、etc. バブル株はバブル株として扱う、まさにそのとおりになっているのだと思います。


令和2年9月11日

証券アナリスト

松下律