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お鳥見女房と夕暮れ読書と冷や酒

小川 真由美

2020/09/11 14:00

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9月も半ばに差し掛かり、
韓流ドラマの世界からようやくいつもの日常に戻りました。
今はかねてからの趣味、読書に没頭しています。
読書仲間でもある櫻井キャスターに
「本を読むのはいつどんな時か」
と問えば、
「土日」という答え。

そうなんですよね。
私、一滴でもアルコールが入ると読んだ本の内容をほぼ忘れてしまうという残念な特技を持っており、
夕食後に本を読むことはあまりありません。
かといって平日の昼間に本を読むかと言えば、
なんというのかな、世の中が働いている昼日中にのんびり読書などしていていいものか、
なんだか背徳感を伴う読書時間になります。
土日や夜間もお仕事をすることは多いので、
平日の日が高いうちに読書をしようとも責められるいわれもないのですが、
なんとなくね。

家の中をソファーや椅子など、飲み物片手にあちこち移動しながら本を読みますが、
最近気に入っているのは夕暮れ時のベランダです。
太陽が傾いて人々が家路に着く頃、
暑さが少し落ち着いた屋外で、
表の温度を肌に感じながら楽しむ読書はなかなかです。

今週読み終わったのは『お鳥見女房シリーズ』諸田玲子著
このところ没頭している江戸小説、
華々しく剣を交える”サムライもの”も好きですが、
人情溢れる市井の人々の生活を描いた”町人もの”も好き。
それでいうとこのシリーズは両者のいい所を融合した雰囲気でした。

徳川家康も愛したという”鷹狩り”
調教された鷹を仕掛けて獲物を捕獲するという狩りですが、
鷹の育成調教をする”鷹匠”を始め、
狩場の準備や、鷹の獲物になる鳥の餌付けなどを行う”お鳥見役”など
様々な職種の人々に支えられて成り立っていました。
その鷹狩りを支えたお鳥見役にスポットを当て、
表裏にわたる特殊な任務や、彼らを支えた家族の物語が
20年にわたって描かれました。
このほど完結。全7巻。

作者の諸田玲子さん、ネット検索によればフリーアナウンサーの大先輩で
転身して作家になったそうですが、人物を描く描写力が素晴らしく、
どっぷり世界観に浸ってしまいました。
物語の舞台になった鬼子母神や護国寺付近を
近い将来、読書仲間たちとそぞろ歩き、杯を交わすのが楽しみです。

そうか、なぜ夕方のベランダ読書が好きなのか。
江戸の頃はエアコンもなかったし、
キンキンに冷えたビールもなかった。
夕暮れ時の生ぬるい空気の中、ページをめくっていると
なんとなく江戸の人々と空気を共有できているような気持ちになるのでしょうか。
ナイフとフォークで赤ワインとステーキではなく、
味噌田楽と冷酒。
くーっ、粋だねぇっ。
よし、今夜は煮物と冷やにしよう。

『お鳥見女房』完。

次に手に取ったのは・・・
全32巻の超大作。
いつかそのうちと思っていましたが、読み始めてしまいました。
これこそまさに、味噌田楽と冷酒の世界。
しばらく江戸におります。
探さないでください。