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日本の個人投資家

中嶋 健吉

2020/10/08 07:42

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2019年度(2020年3月末)の、全国4証券取引所上場3789社に於ける個人株主数は、5672万人で前年比199万人増を記録しています。増加は6年連続で、着実に個人株主が増えていることが分かります。一人で複数の株を保有する投資家も多い事から、口座の名寄せで実数に迫ったところ、少し古い2018年の数字になりますが、約1900万人前後の数字が得られています。一方この個人投資家の年齢に関するデータは無いのですが、大手証券会社調べの自社口座保有者の平均年齢は、60歳代後半との報告があります。関西の中小証券では70歳を超えている(日経報道)とも言われています。

日本の人口の4分の一が65歳以上で、約1883兆円(2020年6月末)の個人金融資産の半分以上がこの層に集中しています。更にその半分を75歳以上が保有していると言われます。金融資産の内、株の比重は173兆円(9.2%)、投資信託68兆円(3.8%)と所謂、リスク資産合計は241兆円になります。大手証券調べではそのリスク資産の40%に当たる約100兆円弱が70歳以上の保有です。問題はこの大部分が子供世代に運用として受け継がれないことです。実はその分け易さの利点から、相続の際一気に売却し現金化されてしまうのです。

アベノミクスの始まった2013年以降、株式市場は明確な上昇トレンドに入りましたが、個人投資家はその間、現物株の売り越しを続けてきました。明確な数字は取れませんが相続に伴う売りも其の一因です。以下はアベノミクス以降の個人の現物株の各年の売り越し額です。

  • 2013年    ▼8.7兆円
  • 2014年    ▼3.6兆円
  • 2015年    ▼5.0兆円
  • 2016年    ▼3.1兆円
  • 2017年    ▼5.8兆円
  • 2018年    ▼1.9兆円
  • 2019年    ▼5.1兆円
  • 2020年9月末    ▼3951億円
2020年は例年に比べ極めて限定的な売り越し額です。ちなみに8月の初旬までは現物株を実は買い越していたのです。更に信用取引では9月末までは1.7兆円の買い越し(2019年は8000億円の買い越し)になっており、明確に個人が株式市場に参入していることが分かります。確かにコロナ問題による在宅勤務がその背中をおしたのでしょうが、その中心が若い世代でNISA、IDECOを通じ株式市場への知識、知見を持っていることも強みです。相続に伴う売り切りにも一定の歯止めがかかり、株式の需給の好転にも繋がりそうです。

そして最大の投資主体の外国人投資家です。アベノミクスが始まり2015年6月まで22兆円の買い越しを演じながら、その後一貫して売り越しに転じこの9月末では累計▼2兆円の売り越しに転じています。今や日本株が大きくアンダーウエイトになっており、いつどのタイミングで買いに入るかが注目点です。
(中嶋)