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不確実性

松下 律

2020/10/16 08:20

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限定的な動き

 マザーズ市場は活況持続、日経500指数は史上最高値を更新中、ですから、株式相場が低迷しているというわけではないのですが、全体として相場はもたついて、株価は上へも下へも大きくは動かないというところのようです。


 いろいろ不確実性が意識されて、そうなっているのだろうと思われます。市場参加者が思い描いている不確実性はおおむね以下のようなものでしょう。


・米大統領選、どちらが勝つか、といったことに加えて、選挙後に票の集計過程でいろいろ厄介なことが起きそうだ、というのが嫌なところです。

・進行中の決算発表の数字と数字に対する市場の反応

・コロナ感染の再拡大(特に欧州)の影響

・各地における地政学リスクの高まり

・菅政権の経済運営への期待一服


 日本株は、とりあえずそこそこのパフォーマンスを保っているのですが、足許はもたついてしまっています。半導体関連、電子部品株などが強調を取り戻したものの、スガノミクスへの期待⇒関連銘柄の上昇、はすっかり色あせてしまったようです。(学術会議の問題が影響して、個人がスガノミクス関連株を敬遠しているのかもしれません。)


 上昇期待の強いいわゆるバリュー株もなかなか勢いが盛り上がらないように見えます。


 10月もあと2週間になったわけですが、サプライズ、マサカ、があっても不思議はありませんので、まだしばらく様子見相場が続くところなのかもしれません。


 大統領選後、米大統領が決まらずバトルと迷走が続く恐れはかなり強い、と思われます。それがマサカにつながらないかどうか・・よく分からないところです。


資産形成を目指す若い投資者へのおすすめ

 トランプ政権下で生活水準が向上した、と答えた人の割合が過半数だったとの報道がありました。日本で日常的にわれわれが接するニュースからしますと、トランプ政権下でアメリカでは分断が進み、平均すれば人々の生活水準が下がった、という印象を持つと思うのですが、事実は違っているようです。


 生活水準の向上をもたらしたものが何だったのか?さまざまに推測することができますが、私の感じでは、株価の上昇によって年金の資産が膨らんだことが大きく寄与しているのではないか、と・・


 わが国にも導入されたのですが、年金のうちのいわゆるDCプラン(確定拠出年金プラン)が株価上昇の恩恵を大きく受けた、という推測です。(推測と言うより、おそらく事実でしょう。)


 過去4年間の米国株価の上昇はやや異例、と言いますか、めったになかったこと、という言い方もできますので、安易に一般化してはいけないのかもしれませんが、株価の上昇が資産形成の効率を上げることは確かなことです。


 先週土曜日、日曜日の資産形成フェスタは充実した内容でした。その中で個人の資産形成と資産活用に関するプレゼンテーションがありました。わが国企業のコーポレート・ガバナンスの向上と資産形成に関する税制優遇を考えますと、資産形成のために株式で運用する投資信託を税制の優遇を受けながら積み立て投資することは魅力的な選択肢のひとつです。


 私は、これから20年、30年の長期間を想定して資産形成を目指す若い人たちにつぎのことをおすすめしたいと思います。


 まず、資産形成を目指すと強く決心すること、それから、自分の年収を増やす努力を怠らないということ。このことは実に重要なことです。


 このことを前提として、実行することとして、以下のふたつをおすすめします。


1. 毎月数万円の積み立て投資を、イデコ、ニーサなどの税制優遇の仕組みを使って実行する。積み立て投資の対象については、いくつかの株式投信を組み合わせるのがいいでしょう。各社の株式投信の目論見書やパンフレットを参考に、ある程度以上の資産規模と過去の運用成績を検討して選ぶといいと思います。


2. 上記は典型的な投資ですが、投機として、FXのトレーディング、株価指数先物のトレーディング、数週間から数か月くらいの期間を想定した株式の個別銘柄のトレーディングを実行する。


  この時重要なことは、必ず年間の「リスク予算」を設定して投機を実行する、ということです。リスク予算としては、おそらく、手取り年収の10%又は100万円の小さい方、くらいの水準を設定するのが現実的かと思います。(利益が出た場合は、その利益分を翌年のリスク予算に加算する、などは可。)

 

 実行すべきこと、という観点では、1.はとても重要、2.はやってみると面白いかもしれませんよ、といったところでしょうか。


 昔を振り返りますと、わが国企業のコーポレート・ガバナンスは不確か、資産形成に対する税制優遇措置は不十分、という状態でした。現代の若者は企業経営や制度の面からしますと、昔よりはるかに恵まれていると言えます。


 もちろん、株式投資が十分な成果をあげるためには、企業が利益をあげ続けるという努力と成果が必須です。日本企業が招来に亘って株主に十分な利益を与え続けられるかどうか、分からないわけですが、そうなると信じる根拠はある、くらいは言えそうに思います。


2020年10月16日

証券アナリスト

松下律