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ブログ:Onevoice

岩本 秀雄 の投稿

 今週は7月から8月へとブリッジの週。目下のところ、7月のパフォーマンスは2カ月連続のプラス。これが3カ月へと月間上昇記録を積み重ねることができるかどうか…。
残念ながら、アノマリー的には旗色があまりよくありません。取引所再開以来の記録では37勝33敗と勝ち越していますが、過去10年間の星取りは4勝6敗と負け越しです。
それよりも、商いが薄くなってしまうのがこの月の特徴。帰省や行楽、家庭サービスと何かと忙しいシーズン。それに、思考能力が低下する猛暑までが重なってしまえば相場どころではなくなってしまうのが当然の成り行き。アベノミクス相場が始まる前の2012年から18年にかけての、8月月間の1日当たり東証売買代金(新興市場や2部市場を含む。12年はJASDAQ含まず)を見てみました。カッコ内はその月が月間最低であったかどうかをみています。
2012年=9887億円(最低)
2013年=2兆1406億円(最低)
2014年=2兆2410億円(4月=2兆1848億円が最低)
2015年=3兆5050億円(1月=2兆7423億円が最低)
2016年=2兆4631億円(10月=2兆4048億円が最低)
2017年=2兆6623億円(最低)
2018年=2兆7327億円(最低)

7年間で4回。要するに、“夏枯れ相場“になりやすいということ。アベノミクス相場が華やかな時期には別なリズムに支配されることもあったようですが、17年以降は再び季節アノマリーが戻ってきたということでしょう。それにしても、12年8月の月間売買代金9887億円というのは強烈な数字です。まったく投資意欲がなかった時期、ということのようです。
記録に残る8月の出来事には、株価の騰落記録につながるエピソードも。1971年8月16日にはニクソン・ショック。この日の日経平均は前日比210.5円(7.68%)安の2530.48円。下落率ランキングで第10位の記録が残されています。米ニクソン大統領が金交換停止など一連のドル防衛策を発表し、世界の金融・株式市場に衝撃が走りました。
逆に、歴代19位の上昇率記録は1992年8月21日の6.22%(949円)高。これは国内要因。バブル崩壊下の宮沢自民党政権、旧大蔵省が市場安定化策として「金融行政の当面の運営方針」を発表、総合経済対策とりまとめに動き始めたことが好感されました。「失われた20年」の序章、といっていい時期でした。
その他、湾岸戦争の引き金となったイラクによるクウェート侵攻(90年)、ソ連クーデターによるゴルバチェフ失脚(91年)、自民党下野(93年)、ロシア危機(93年)、パリバショック(2007年)など。
そして、忘れてならないのが米『ビジネスウィーク』誌による「株式の死」特集が1983年8月13日号だったこと。これも、一種“夏枯れ”テーマではないでしょうか。「あれが底入れのシグナルだった」と、いまだ語り継がれます。どこかの雑誌が、「日本株の死」特集を組んでくれないかなあ…。(いわもと)
7月22日というのは年間でも珍しい株価下落特異日です。

「日経平均プロフィル」によると、過去44回の騰落は19勝35負で上昇確率35.19%。ざっと3回に2回は安い日…というイメージです。これは7月で最も上昇確率が低い(7月で上昇確率が最も高いのは1日の69%=38勝19負=今年は454円高!)だけでなく、年間を通じても成績が悪い日。年間で最悪なのが(1)11月5日の31.58%(18勝39負)、それに続くのが(2)9月4日の32.73%(18勝37敗)。そして、本日の(3)7月22日35.19%は、上昇しにくい日の年間ランキングで第3位という記録となります。続いて(4)7月18日の35.85%(19勝34負=今年は422円安!でした)、(5)10月18日38%(19勝38負)が第5位となります。

では、この下落確率の高さ、いったい何が原因なのか分かりません。最近ですと、「第一四半期の決算発表を控えて神経質な地合いになりやすい」という解説がつきやすいでしょうが、上場企業に四半期開示が義務づけられたのは2009年3月期から。四半期決算の集計から45日までに決算発表。それが本格化したのは11年前の08年7月からのことです。戦後の取引再開からの統計のうち、四分の1のデータでしかありません。もっと他に、何か変わった株価習性があるのか、調べてみないといけないでしょう。ただ、7月18日が年間第4位の記録があったように、この時期に下落しやすい要因が潜んでいるのかもしれません。そして、年の後半は下落確率の高い日が多くなります。クワバラ、クワバラ…ということでしょう。

さて、自民・公明による安定多数確保という穏当な結果となった参院選。その安心感が不吉なアノマリーをどう覆すことができるか。それとも、参院選後の難路が意識されて…などということになってしまうのでしょうか。

あと、今週号のバロンズ誌にはソフトバンク・グループが取り上げられています。カバー記事で「割安なハイテク投資」と随分な持ち上げられ方です。こちらも特異な銘柄、どんな反応があるか注目しておきましょう。(いわもと)
  5日に発表された6月雇用統計は非農業部門の雇用者数が22万4000人の増加と市場予想の16万人増加を上回るものでした。増額修正された5月分は7万2000人増。増加数の縮小が市場で警戒感を呼びましたが、再び5か月ぶりに高い増加数となりました。

  それでも、ダウ平均は43ドル安。5日ぶりで反落しました。この数字が「米国経済の力強い成長を示しており、FRBへの大幅な利下げ期待が後退する」との人気になった、との説明が一般的です。確かに、先週は利下げ期待が先行して強い相場が続きました。

 しかし、発表後の株価推移はやや複雑です。予想以上に堅調な数字の発表を受け、取引開始は100ドルを超す下落で始まり、午前11時前には232ドル安まで売られましたが、その後は買い戻されて下げ幅を縮小。午後3時には下げ幅は前日比15ドル安まで下落幅を縮めています。この1日の動きを見る限り、失望感というよりは、軽いショックを織り込んで結局は前日終値近い水準まで引き戻した、ということ。相場は依然として底堅い推移といっていいでしょう。

 今週はパウエル議長が10日(水)に下院金融委員会で金融政策に関する半期に一度の議会証言を行います(11日には上院銀行委員会でも証言)。慎重に言葉を選びつつ、議長がどのような発言をするか。また、市場がその発言をどう解釈するか。週半ばまで、より神経質な展開となりそうです。日本株にとっては円安気味の為替がプラスですが…。(いわもと)
肝心のG20サミットよりも注目された米中首脳会談。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は29日の首脳会談で(1)これまでの関税は引き下げないが、追加3000億ドル「第4弾」の発動は見合わせる。(2)閣僚級交渉を再開する。(3)ファーウェイに対する米国企業の部品輸出を認める-と、貿易戦争の一時休戦を決めました。ほんの1週間前まではいったいどうなることかとハラハラさせられた市場でしたが、どうやら同会談が実現できたこと。あまり期待しなかった割には(ファーウェイに対する融和策など)サプライズもあったのではないでしょうか。さらには、板門店での電撃的な米朝首脳会談。地政学的リスクの交代も追加材料です。

トランプ大統領の意図はミエミエですし、今回の一連の動き、「それはつかの間の休戦にすぎない」(けさの日経新聞)ことも確かですが、それはそれ、百も承知の上で、相場的な効果を考えてみると、あの大型連休前の水準まで戻れるかが焦点になってくるでしょう。10連休が明けた後、トランプ大統領の強硬姿勢によって相場が暗転。令和入り当初の6日続落、1100円近く下げた―という経緯があります。連休前の4月26日の日経平均は2万2258円でした。

それと、最近の極端な薄商い。決算発表、為替の円高などと並んで米中貿易戦争に対する警戒感がその背景にあったとすれば、多少の安心感につながるかどうか…。7月は過去10年間の星取が7勝3負。最も勝率が高い月というジンクスもあります。(イワモト)
 ビーガン。聞きなれない言葉がブームになってきました。
株式市場でも注目されるようになったのは、5月に米NASDAQ市場に新規上場したビヨンド・ミートという代替肉(植物肉)メーカーの株価が公開価格の6倍以上に上昇、人気を集めていることがきっかけでしょう。筆者もこのIPOに関する記事を読んでいて、そんな言葉があることを初めて知りました。
肉だけでなく、卵や乳製品など動物由来の食品を一切口にしない人たちのこと「ビーガン」と呼ぶそうです。ベジタリアン(菜食主義)よりも厳格で「完全菜食主義」と訳されるようです。菜食主義というと何となく洗練された、優しいイメージがつきまといますが、このビーガンという言葉、なんとなく語感がいただけないな、という印象を持っていました。
ところが、先々週、6月9日の日経新聞の日曜特集「NIKKEI The STYLE」には「ヴィーガン」という表記があって、こちらの方がしゃれているではないか、と気に入りました。その別刷り紙面には、ヴィーガン向けの野菜料理が紹介され、健康・環境意識の強い人たちの間での人気の広がりが特集されていました。
もっとも、日経新聞の本紙では圧倒的に「ビーガン」のようです。

さて、いつごろからビーガンなる言葉が日経新聞に登場するようになったか。日経電子版で「ビーガン」という文字が登場する記事について検索をかけてみました。ヒットしたのは178件。先週土曜日22日の「温暖化懸念で『脱ミート』」という記事から2012年5月16日の「伏兵スズキが焦点か 日米自動車摩擦の帰趨」という記事まで遡ります。
実は、その昔米フォードモーターの国際交渉担当副社長であり、現在ではトランプ政権の北朝鮮担当特別代表という職務に就いているスティーブン・ビーガンという人がいて、この人が日米自動車摩擦や北朝鮮交渉でしばしばニュースに登場します(12年の記事はこれに該当します)。この交渉役・ビーガンに関する記事(107本ありました)を除くと、菜食主義者・ビーガンに関する記事は71本。それを振り返ってみました。

日経新聞でのデビューは2013年9月のニューヨークにおける食材事情を伝える記事だったようです。NY市民が日ごろ食材を選ぶ基準をキーワード化すると、①ローカル、②ビーガン、③グルテンフリー…など、という内容でした。13年はこの1本だけ。
14年も3本だけ。いずれも米国での話題で、アレルギー対策とか地球にやさしいといった視点から注目されています。
さらに、15年が4本、16年が2本、17年も5本と、いずれも年間を通じて1桁台の本数しか登場していません。ただ、15年頃から「東京駅地下にビーガン仕様の“ベジソバ”店が開店」とか、「NY発自然派バーガー店が日本で第1号店」など日本絡みの話題も目につき始めています。
記事本数が急増するのは18年。年間で33本ありました。8月1日付けで「完全菜食『ビーガン』市場広がる 日本でも対応」という記事がありましたから、18年夏にはもう市民権を得ていたということになるのでしょうか。この記事によると、ビーガン向け市場は加工食品だけで18年に100億ドル(1兆1000億円)に達するそうです。先のビョンド・ミートとそのライバル、インポッシブル・フーズの動きが紹介されています。「日本でも対応」というのは2020年の東京五輪に向けて何とかしなければ…ということのようです。

19年は半年でもう25本の記事ですから、きっと昨年を上回る話題となるでしょう。大手の日本企業によるビーガン対応ビジネスも活発化しているようです。ただ、いまや米国以上に肉好きな人の多い日本のことですから、消費者の間でビーガン志向がどれほど大きな流れとなるでしょうか。それに、残念ながら、日本にはビヨンド・ミートに匹敵するような企業が存在しません。これからの成長に期待、という状況のようです。

最後に、何らかの形でビーガン関連の話題が記事に取り上げられた企業を上げておきましょう。エイベックス、森永製菓、不二精油、ピエトロ、パルコ(Jフロント)、オイシックス・ラ・大地、亀田製菓、大塚HD…など。ビヨンド・ミートには三井物産が出資している模様です。(いわもと)