Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

鈴木 一之 の投稿

秋ですね。オリンピックイヤーの2021年も秋風が吹くようになりました。

街に人の流れが明らかに戻ってきました。それを実感する日々です。

特に目立っているのが旅行者の多さです。キャスター付きのハードケースを引いて出張のビジネス人、観光客の姿を多く見かけるようになりました。しかも早朝から動き出しています。海外からの人々も見かけます。世の中の風景は着実に変わりつつあります。

飲食店も全面的に営業が再開されて、さてどこまで客足が戻ってくるかにかかります。こちらは少し時間がかかるかもしれません。

外出自粛が長く続いている間に人々は内省的になって、家で本を読んだり撮りためた動画を見たり、ひとりで余暇を楽しむ術を身につけました。それが案外と楽しい、充実していた時間を過ごした、ということに慣れてしまいましたので、夜の街が元の活況を取り戻すには少し時間がかかるように感じられます。

それでもプロが手がけた美味しいものを食べたい、飲みたい、非日常的な空間を味わいたい、という要求は消えることはありません。外食店にもいずれ人々が戻ってくるはずです。マーケット的には月次売上高のデータを見ながら回復ぶりを確認する、ということになりますが、今の世の中はリアルタイム性が一段と強まっています。個人情報にかかわる部分のデータを匿名化した上で行動履歴を分析するツールが近々出回ってくることでしょう。

毎晩、定点観測している夜のホテル客室の灯りの数は、週末であれば6~7割は戻ってきたというところでしょうか。衆院選の投票を目前にして「GoToトラベル」の復活は賛否両論が渦巻いています。感触としては「賛成4:反対6」くらいでしょうか。消費税よりははるかにハードルは低いので、期間をきっちり区切ってスパっと実行してしまえばよいではないのかと考えます。

読書も旅も外食も、短い今年の秋を満喫したいと、今さらですが張り切ってスタートしたところです。
(スズカズ)


世界的に物流の混乱が広がっています。大きなところでは世界の海運会社の間でコンテナ船に積むコンテナが足りない状態が長期化しています。イギリスではトラックの運転手不足でガソリンが給油所に届かなくなっています。

それとは少し背景が異なるかもしれませんが、小さいところでは郵便局の土曜日配達がなくなり、週をまたぐ郵送物は手元に届くまでに3日かかるようになりました。

コロナウイルスを克服するためにワクチンの接種を急ぎ、人の行き来を元に戻して、外食や買い物など経済を通常の状態に戻したとたんに、この物流問題に直面しています。ハロウィンが過ぎて11月に入ると、スターバックスの店頭には早々とクリスマスソングが流れます。昨年はそうでした。今年の年の瀬は世界中が物流問題を解決できないまま越年しそうな雰囲気が漂っています。

何がここまでモノの流れを滞らせているのか。最も根っこの部分にある原因は、各国がいまだ国境を閉ざしている点にあると見られます。

世界のどの国も(とりわけ先進国で)いわゆるエッセンシャルワーカーが絶対的に不足しています。先進国の一部に暮らす人々が享受している「高度資本主義」は、工場での流れ作業、物流倉庫での荷物の仕分け、港湾貨物の積み下ろし、炭鉱での掘削作業、トラックドライバー、果実の取り入れなど農作業、レストランやホテルの調理場、ごみ収集、道路清掃、コンビニのレジ打ちなど、最も過酷な部分の労働のほとんどをエッセンシャルワーカーの人々が担っています。その人たちの多くが新興国から国境を越えて先進国に集まってきます。その人たちが渡航できないことが根本にあります。

あまりに日常的すぎて普段は目に留まることはありませんが、そういう人たちに支えられて先進国の高度消費社会は成り立っています。今更ながらコロナ危機が気づかせてくれた、数ある真実のひとつです。

物流の停滞、物価の高騰は根っこが同じです。解消するには以前のように、日常的な作業がごく普通に回ることが必要ですが、水際対策がそれを阻みます。そして暮らしが元に戻ったら戻ったで、そのような日常生活が果たして正しいことなのか、ゆっくり考えてみる必要があります。すぐ忘れてしまうかもしれませんが、まずは航空便が再開するというニュースのひとつひとつに気をつけておきたいと思います。
(スズカズ)
株式投資には情報収集が欠かせません。証券市場に携わって40年近く経ちましたが、情報収集という面ではいまだに毎日、悪戦苦闘の連続です。気を抜いてしまう週末が特に怖いです。

現在はインターネットという強力なツールがあります。制度面では「適時開示情報」というすぐれものもあるので、企業からの開示情報は専用の情報端末がなくても、ほぼリアルタイムで入手できます。2008年以前はそれができませんでした。ニュースに関してはこれだけで十分に株式市場では戦えます。

インターネットがなかった時代を思い出すのもむずかしいほどです。かつては企業の決算発表は、新聞紙面に掲載されるのを待つしかありませんでした。決算短信は印刷されて専門書店の専用コーナーに並ぶのを待つしかありませんでした。それを自腹で買ってました。すべての企業が載るわけではありませんが、しかしそれでも充分に足りていたように思います。

スタートしたばかりの岸田政権では、四半期開示の在り方が見直されようとしています。上場企業からすれば、3か月ごとに決算を開示するのはたいへんなのでしょう。四半期の経営成績で企業が評価されること自体がおもしろくないのかもしれません。

実際には財務データの公開という点で、徐々に後退していると思える部分も実は増えています。企業によっては月次や四半期の受注動向を発表していたのに、最近になってそれらの公表を取りやめる企業も見られます。ライバル企業も閲覧することを恐れているのかもしれませんが、業績の方向性を追いかけるのにとても便利だったのに、それらがなくなってがっかりすることも数知れません。

しかし週次、月次で財務データを開示している企業もあります。公表はしていないけど内部向けには、おそらく日次の開示情報も存在するはずです。デジタルトランスフォーメーションの時代です。財務もテクノロジー面で大幅に進化しているでしょうから、それほどたいへんな作業ではないように思いますが、どうでしょう。

岸田首相にぜひともお願いします。後場の立会い時間の30分延長は認めますので、四半期ごとの適時開示情報だけはぜひともなくさないでください。決算数字との格闘が楽しいのです。
(スズカズ)
この8時間足らずのうちに、まったく同じ言葉をふたりの日本人から続けて聞きました。

ひとりは今年のノーベル物理学賞を受賞された、真鍋淑郎・プリンストン大学上席研究員です。真鍋氏が取り組んだコンピューターを使った気候モデルは、現代の地球環境問題の研究の礎えを築く功績となっており、スーパーコンピューターを用いたシュミレーションが世界中で多用されています。

その真鍋教授が早朝のNHKニュースが放映した最新のインタビューの中でおっしゃっています。「気候の問題を研究することが、楽しくて仕方なかった」と。

もうひとりは大リーグ4年目の今年、「48ホームラン、138安打、100打点、26盗塁、9勝、156奪三振」という信じられない記録を樹立したエンゼルスの大谷翔平選手です。

「小さい頃は野球をする週末になるのが、楽しみでしょうがなかった」と、昨日の日本経済新聞・スポーツ記事が伝えていました。大谷選手はその「楽しくて仕方ない」という感覚が、海をわたってメジャーリーグに行った今もずっと続いているそうです。

90歳の真鍋教授と27歳の大谷選手。偉大な業績を成し遂げたふたりがそれぞれ素直に口にする「楽しくて仕方ない」という感覚に、ストレートに感服いたします。気候問題と野球、ジャンルはまったく異なりますが、これと決めた物事に熱中し没頭しているうちに神さまから愛され、さらなる高みにどんどん進んでゆくようになるのでしょう。

そのひたむきな姿に周りの人たちは吸い込まれます。そういう人たちの夢中になって取り組む姿を見ているうちに、さあ私も一歩あゆみ出そうという気持ちがみなぎってきます。真鍋教授と大谷選手、本当におめでとうございます。
(スズカズ)

いよいよ自民党総裁選の投票です。今日の午後、事実上の日本のトップが決まります。私も日本人のひとりとして、できるだけ長く首相を務めていただきたいと心から願っています。それだけの長期政権を担う能力、胆力、そして見識のある立派な方が選び出されることを望みます。

今回の総裁選は、実質的には1か月にわたって各候補の政策論争に触れてきました。その中で最も印象に残っているものは、コロナ対策でも日米同盟堅持でもなく、やはりエネルギー問題です。日本の将来の電源構成、エネルギー戦略をどうしてゆくのか。

その一点において、高市早苗・前総務相の持論である「核融合炉」には惹きつけられました。これが実現すれば、現在のエネルギー問題および地球環境問題はたちどころに解決の糸口が見えてきます。

しかしそれには多大な困難が伴っており、日本・米国・欧州・中国・韓国・インドがそろって共同研究に臨んでいますが、実用化には早くてもあと30年はかかると言われています。

核融合は太陽のエネルギーに代表されます。4個の水素がヘリウムに変化する時に膨大なエネルギーが放出されます。太陽はすでにそれを46億年も飽きずに繰り返しています。これを地上で実現させようというプロジェクトが「核融合炉」の開発です。

まさに地上に太陽を創り出す遠大な人類の夢ですが、それには3つの大きな壁が立ちはだかっているとされています。ひとつは、水素を1億度の超々高温に加熱すること。ふたつめは、1立方センチの中に百兆個の密度を維持すること、三つ目は、1億度のプラズマ(水素の原子核と電子を切り離した状態)を1秒以上封じ込めること。いずれも技術的に想像を絶するほどの高いレベルが要求されます。

日本はこれらの壁に挑戦するのに必要な技術の95%を、国産で調達できる世界でも稀有の国でもあります。完成は21世紀の後半になるでしょう。私はそれを見ることはできないかもしれません。新しい日本の首相が誰になろうとも、国家百年の計として、ぜひともそれに挑んでもらいたいものです。
(スズカズ)